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2015.04.20

卒業論文を30年ぶりに見た

通信制大学院受験に関わる話をもう1つ。
今回の受験のために必要な書類として卒業論文の概要があった。
30年ぶりに大学の卒業論文を見た。論文締切日の最後の3日間はアパートに缶詰状態で,餅だけ食べて完成させた記憶がある。
苦労した論文だったので,せっかくだからとコピーで保存をしていたのだった。内容を読んでみると,そうだったと記憶も蘇ってきた。
せっかくなので,テーマ設定の理由(概略)と論文の構成を記録として残しておく。

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テーマ「文学に見られる教師像の変遷について」

1 テーマ設定の意図
 いつの時代でも,国民の教師に対する期待は切実なものであり,「教師とは何か」「理想の教師像とは」という論議がマスコミ等で活発に展開されている。これらの問いを考察する際の手がかりとなるのが,現代に至るまでの教師の歴史である。たとえば歴史上においてどのような教師が存在し,その教師像が登場する背景は何であったかを究明することによって,現代の教師に及ぼしている影響を知ることができる。また,それは今後の教師がいかにあるべきかという問いの指針となる。即ち,歴史を学ぶことは現在を学ぶことなのである。
 その教師像の歴史的な変遷を文学作品でたどってみたのが本論文である。教師を題材とした文学作品は,様々存在する。それらの作品には,その描かれた時代の教育状況およびその問題点が,登場人物を媒介として浮かんでくる。また,そこには当時の教育政策や学校状況,さらに教師の教育活動ぶりなどが広範囲に及んでおり,教育史料としての価値をも有すると思われる。

2 論文の構成
はじめに
第一章 教師像と文学
 第一節 教師と教師像
 第二節 種々なる教師類型
 第三節 教師を描いた文学
第二章 明治・大正期の文学にみられる教師像
 第一節 『田舎教師』(田山花袋) 劣等感と貧困の悲劇に直面する教師
 第二節 『雲は天才である』(石川啄木) 日本一の代用教員
 第三節 『波』(山本有三) 社会と結ぶつく教師
 第四節 明治・大正期の教師像の変遷
第三章 昭和期の文学にみられる教師像
 第一節 『白い壁』(本庄睦男) 教育の「壁」に向かう教師
 第二節 『二十四の瞳』(壷井栄) 軍事体制下の教師たち
 第三節 『人間の壁』(石川達三) 民主教育の担い手としての教師
 第四節 昭和期の教師像の変遷
あとがき

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Comments

正寿先生の「卒業論文」の概要。貴重な情報をありがとうございます。先生の原点はここにあるのだなー,と妙に納得いたしました。

ちなみに私も大学院進学にあたって「卒業論文概要」を提出する必要があったのですが,それに代わる資料(近年の実践研究の概要)を提出することで,お許しいただきました。「卒業論文概要」を作成するとなると,もっとエネルギーが必要だっただろうなあと思います。

ただ,こうして記録に残しておくことだけでも意味があるし,重要なことですよね。

Posted by: NOB | 2015.04.21 at 08:07

NOB先生,ありがとうございます。
教師としての出発点は,確かにここにありました。
特に「人間の壁」には相当影響を受けました。組合にも採用されてすぐに入ろうと思っていましたし(実際には分会長のすすめで正式採用後になりましたが),その中で子どもに寄り添う教師が自分の中でのモデルになりました。

まあ,実際に教師になってからは「小説の中のようにはいかないものだ」という当たり前の現実にぶつかりました。そして,自分自身が教育実践書を読むようになりました。

自分の卒論は「研究」とはほど遠いものです。これから本当の研究をすることになります。毎日少しずつでも前進していくように自分を律しなければいけないと思っています。

Posted by: サトマサ | 2015.04.21 at 18:42

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