「感謝状がない」
いつものように出勤してから職員用のお湯がわくまで(毎朝ポット5つ分を準備している)のすきま時間で、地元新聞をチェックする。
時々子どもたちの活躍が掲載されていたり、まれに本校OB教員の訃報がのっている場合があるからだ。
そうしたら、「感謝状がない」という小話が目についた。書かれた方は盛岡の元校長先生。PTA講演会もよくされる先生だ。定期的に小話を新聞に載せている。
お話の概略はこうだ。
東北地区特別活動研究大会会長の時、感謝状授与のセレモニーがあった。登壇して、机上の感謝状に目をやると額縁だけがあり、中身はなし。事務局長に目をやるとあっという表情。控室に忘れているようだ。
正直に事情を話せば誰も許してくれるはずだが、何ぶんにも特別活動の先生方の集まり。数秒で文章を作り、何事もなかったように厳かに何もない額縁を見ながら、即席で表彰を行った。表彰された方も何事もなかったように降壇した。
それで別室で正式な感謝状を渡せばことは済む。でも違っていた。
すぐにその場で事情を話し、おわびの言葉を述べた。それで終わってもよかったが、最後に一言付け加えた。
「皆さん、これが特別活動です」
その瞬間、会場は笑いと拍手に包まれたとのことである。
ピンチを逆にプラスに転化させる…まさに「お見事!」と思った。
どんな状況でもプラスに考え実行する…元校長先生のことを知っているだけに「さすが」と感じる小話である。
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