「行動力が現在の活躍に」
新聞掲載のコラムです。
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教え子の活躍は実に嬉しいものである。
先月、かつて担任した子どもたちが、「ビジネスマナーの講習会」を地元である奥州市江刺区で開催した。「子どもたち」といっても、もう33歳になる立派な社会人だ。
企画したのはA君。小学校時代から行動力や企画力が抜群だった。学級だけではなく児童会の中心になり、全校への呼びかけもよくしていた。そんな彼が、同世代である20代、30代のために立てた企画である。
講師はB君。何事にも前向きな子だった。年度末に発行する学級通信に一人一人の思い出を書いていたが、B君には、「何の授業の時にも、熱心という言葉があてはまる君」と書いたほどだった。大学を卒業して会社勤めをしていたが、2年前に独立をして、今東京で仕立て関連の会社経営をしている。その知識を生かしての講師ということであった。
教え子2人が企画者と講師なら、ぜひとも応援をしたいと思うのが担任である。しかし、都合があり参加はかなわなかった。
その講習会の記事が地元紙に掲載されていた。「どんな丁寧な言葉遣いでも、声のトーンや声の大きさで、不快な印象を受けることも多いので注意を」というB君の言葉に、彼らを担任した21年前を思い出した。
実に行動力があった子どもたちだった。冬にいつだったか、授業が始まるのに彼らが戻ってこない。10分遅れてきたら、「みんなのために雪かきを続けていた。今は授業に間に合わせるより、雪かきを終わらせる方が大事と考えました」と話したことを覚えている。
そのような彼らの行動力を思い出したら、このような活躍は納得がいく。彼らを担任して卒業させたのは私が33歳の時。彼らも同年齢だ。これからの活躍が楽しみである。
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