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2016.03.27

4年生学級通信 その2

【HP移行のためのリバイバル掲載です】

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 社会科の学習で岩手県の各市町村に資料を請求しました。すると、続々とカラフルな資料が届きました。このような経験がなかった子供たちは大喜びでした。

学級通信 トゥモロウ 第90号 9月8日

    県内各地からの返信!

 うれしいです。届いたのです。それも続々と。
 「トゥモロウ」78号に書いたように、岩手県12市町村に資料請求をしました。その市町村に関わるパンフレットのことです。
 かなりの確率で返信はくるのではないかと予想はしていました。ただ、一小学生のお便り(私の依頼書も同封しましたが)に返信がなくても、それは仕方ありません。日々忙しい仕事をしているわけですから。
 ところが、発送して2日後には4つの市町村からパンフレットが届いたのです。これには私も驚きました。それからも続々と届き、12市町村目が昨日届いて全部そろいました。そのうれしさに、昨日は社会科がない日でしたが、さっそくみんなにそれぞれの分担した市町村のパンフレットを見せました。
 子供たちは大喜び。小躍りする子もいます。
 「先生、ほら、温泉だよ!」「これ、手紙だよ!」「英語の文もあるよ!」と興奮したように、次々に私に話しかけます。この経験だけでも、資料請求をした意味があります。
 さて、この返信パンフレットの中で気付いたことを記します。

★その1 豊富な資料
 まず、どの市町村のパンフレットも3種類以上入っていました。しかも、各市町村とも見ていて実に楽しいです。全部に資料がオールカラーです。そして、イラストあり、クロスワードパズルありといったように、子供たちも読み耽ってしまいそうです。
 子供たちに新聞作りの参考になります。

★その2 職員の皆さんの心遣い
 送られてきたパンフレットの多くには、手紙が添えられていました。しかも、下のように、わざわざ子供たち相手のメッセージもありました。この心遣いは本当にうれしかったです。いろいろな仕事でお忙しい中で、パンフレットの発送手続きだけでなく、メッセージも添えてくれるのですから。子供たちにとっても大きな喜びでした。

★その3 こんなものも・・・
 滝沢村からの資料には、絵葉書8枚入りが2セット。水沢市からはしおり。岩泉町からは、3人それぞれにということで3部ずつのパンフレット。すべてありがたかったです。

 このように、ご好意で送ってもらったパンフレット。社会科の授業で大切に使いたいと思います。

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子供のよさを見ようとした通信です。

学級通信 ホップ・ステップ・ジャンプ  第183号  2月3日

    生き生き 2題

■ボランティア隊、がんばる
 金曜日の朝はとても寒かったです。天気予報によると、最低気温が氷点下10度とか。まさに凍りつくような寒さだったわけです。
 そんな日でしたから、体育館わきの坂になった短い通路もつるつる凍って、歩く子たちが大変そうでした。そこで、始業前に子供たちに呼びかけました。
「ボランティアを募集します。誰かいませんか。」
「何をするんですか」
「氷を割る仕事ですよ。」
「行く、行く!」
 数名でもいると助かるなあ・・・と思っていたら、何と13名も参加してくれました。なかなか氷は割れなかったものの、何とか滑らない状態にはなりました。
 一生懸命に氷を割ってみると、そとに出ても寒さなどいつの間にか忘れてしまいます。私のほうは、子どもたちのがんばりぶりに心まで温かくなりました。

■競合!新聞係
 3学期になり、教室の壁が学級の新聞で埋まっています。
 係を決める時に複数の新聞係が6つできました。それらの係がいい意味で競合しているのです。
 そのうち、今日は特に休み時間返上で新聞発行に取り組んでいる3つの新聞係を紹介しましょう。

★トップニュース係
 スピードが売り物で、すでに7号の新聞発行です。B6判の画用紙に身近な話題を一つに絞って書いています。

  今日のテーマはストーブです。みなさん、この世にストーブがなかったらさむくて たまりませんね。ストーブを発明した人にかんしゃしましょう。おわかりでございま すか。(中略)
  今は、石油ストーブやにおいのしないストーブが多いですが。まあ、ストーブがあってよかったということ。では、今日はここまで。

 6号は、こんな感じです。軽いノリでぽんぽんとこれからも出しそうです。

★Qちゃんかべ新聞
 「Qちゃん」なんて、とてもなつかしいです。もちろん、オバケのQ太郎のことです。ここは、模造紙の壁新聞。女の子らしい派手な色づかいが目を引きます。内容は、学級のためになるようなことです。たとえば、第1号では次のようなことを書いており、ありがたいです。

    かぜに注意
  最近、かぜがはやっています。外から帰ったら、必ずうがいと手洗いをしましょう。み なさん、呼びかけをしましょう。手洗いはせっけんでしっかりとしましょう。

★おもしろ新聞ニュース
 本当の新聞を切り抜き、ちょっとしたコメントをして貼るというアイデアが売り物です。ちゃんとジャンル別に切りぬいて、「はやり新聞」「おもしろ新聞」「4コマ新聞」「きれい新聞」とタイトルも別々です。
 「はやり新聞」は、「ルーズソックス」と「たまごっち」の話題でした。こんなものも新聞に取り上げられているんだと読み耽ってしまいました。

 他の係も楽しい企画が続々です。また、紹介します。

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 教育実習生が来ることは、子供たちにとって大いなる刺激になります。授業がうまくいかなくても、その教育効果は大きいものです。この通信は私にとって2度目の実習生です。機会があったら、また受け入れたいと思っています。自分も通ってきた道ですから。

学級通信 トゥモロウ・2000 第147号 11月25日

  明日で終わり・・・教育実習

 もう4週目も終わりに近づきました。そうです。T先生の教育実習です。
 この間、休日返上でT先生は頑張りました。今日まで授業すること、16時間。月曜日は研究授業で、他の先生方の前で音楽をしました。さらに、今日は一日学級経営(担任体験)です。
 私の経験では、実習授業の準備は本当に疲れるものです。特に見とおしの立たない時には、不安でしょうがないものです。T先生は3週間目から毎日授業しました。その分の準備、本当に大変だったと思います。
 でも、1時間1時間の授業がT先生にとって、充実したものになっていくことが感じられました。

 さて、教育実習生は毎日「実習日誌」を書きます。自分の実習の所感、授業の反省等を書き、それを私に提出し、私がコメントを書くというものです。
 T先生の実習日誌の内容が、日がたつにつれてどんどん深まっていくことをひしひしと感じました。たとえば、初日は次のような内容でした。

■授業が進む中で印象的だったのは、発言の中で生まれた疑問は、即その場で解決していく こと、指名なし発表にもかかわらず皆はずかしがらずに良く発言していることだった。

 わりとおおざっぱな感想です。それが、1週間後の参観では次のように変化しています。

■道徳は、「自分にできること」という題で、ほかの友達の作文を参考にしながら、自分にできる  ことを考えていく授業だった。最初に自分の生活について振り返り、次に作文を読むという流れ は、作文と自分を重ね合わせて考えることができるので、とてもよいと思った。

 授業に関わる内容が大変具体的になってきています。その視点も鋭くなってきています。自分自身でも授業を行った後なので、今まで見えなかったことも見えてきたのでしょう。

 しかしながら、授業はそんなに簡単にうまくはいきません。体育の授業をした時には、次のような反省を書いています。

 ■指示の出し方など、考えていったのだが、実際授業をやってみたら、展開のところからボロボロで苦笑いするしかなかった。

 しかし、T先生は失敗した授業から大きな学びをしました。「指導の流れをきちんと把握すること」「指示を的確に出すこと」「臨機応変という考えを持って授業に臨むこと」といったことです。
 この授業以降、T先生の授業は変わります。発問や指示を深く意識し、子供たちの様子を見て授業を変える部分も出てきました。
 そして、今週月曜日の音楽の研究授業では他の先生方から、次のようなコメントをいただきました。

 ★子供たちの指示が的確でした。
 ★T先生の終始ニコニコした笑顔、とてもいい。はっきりした声で発問していたこともすばらしい。
 ★指示に迷いがなく、きっぱりとできていたので、すばらしいと思いました。子供とも一体感がありました。

 まさに大きな進歩です。もちろん、T先生自身の真摯な努力があったからこそです。どの努力ぶりに私も拍手を送りました。
 明日が実習最後の日。T先生にとって、どんな日になるのでしょうか。

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やはりスポーツはドラマにはドラマがあります。

学級通信 ホップ・ステップ 第128号  10月28日

   激走・マラソン大会

 金曜日はマラソン大会でした。
 学年ごとに男女が分かれて走ります。3週間前から体育で、「25日にマラソン大会があるから、そのコースを実際に走ってみましょう」ということで、何回か走っていました。そのつど、日記にマラソンのことを書く子もいて、興味は高まっていました。
 ただ、いざ本番になると練習の時とはまた別です。いやがおうにも、緊張感が高まります。さっそく朝の会の健康観察で、子供たちに「今日のマラソン大会で一言どうぞ」と聞いたら、力強い決意が返ってきました。

・ぜったい、〇〇君には負けないつもりです。
・順位を一つでも上げたいです。
・10位以内に入りたいです。
・今日のマラソン大会は出れないけど、応援をがんばりたいです。
・坂ののぼるところでがんばりたいです。
・とちゅうで歩かないで走りたいです。
・去年より順位をあげたいです・・・・等々

 個人の大会であるマラソン大会でありながら、最終的には学級の平均順位を出して、学級対抗という形になります。だから、上位に入ることも大切なのですが、何よりも自分の順位を練習の時よりも一つでも上げることが重要になってきます。
 
 さて、5校時が本番です。3年生以上が一斉の開会式を行い、いざスタートです。
 コースは、学校の門を出て裏手をまわり、また校庭に帰ってきます。距離にして、700~800mぐらいでしょうか。マラソンというには、短い距離かもしれませんが、登り坂、下り坂の連続で最後はバテバテになってしまいます。
 私は記録担当で高学年の子についていたため、詳しくその様子を見ることができませんでしたが、それでもいくつかの「ドラマ」がありました。
 
■その1 おめでとう、上位入賞
 まずは、10位入賞の子たち。女子は2位Kさん、3位Nさん、9位Kさん、男子は1位Y君、7位T君です。トップ10に入るのは、やはり至難なこと。文句なくおめでとう。

■その2 来年がある!
 悔しい思いをした子たちももちろんいました。「練習の時には調子がよかったのに、(順位が)下がってしまった」という声を何人か聞きました。その中に、転んでしまった子も。
T君は、練習の時には優勝したY君に続いて走っていましたが、転んでしまい10位に入れず。悔し涙でした。それでも明るく励ます友達たち。いい光景でした。
 女子でもNさんが転んでしまい11位。「もしも・・・」という言葉はスポーツに禁句ですがふと思ってしまいました。
 「来年があるよ」という思いです。これは、体調不良で走れなかった子たちにも言えることです。

■その3 一人一人がドラマの主役
 「40人いれば40通りのドラマがある」・・・それがこのマラソン大会だと思います。「緊張しておなかがおかしい」と給食後に言っていたK君、お互いに「負けたくない」と言っていたM君とH君。
 紹介はできませんでしたが、それぞれにドラマがあり、自分の記憶にも残ることでしょう。

 教室に入ってから、「去年よりも順位を上げた人も下げた人もいることでしょう。でも、マラソンは練習すれば必ず伸びます。今日で終わりではなく、また来年に向かってスタートです。」と話しました。
 5年生になると距離が2倍ぐらいに伸びます。その時にまた新たなドラマが生まれることでしょう。

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 3月の学年の終わりに何をするか。恒例イベントのことを書いた最後の通信です。

学級通信 ホップ・ステップ・ジャンプ  第216号  3月18日

        別れの時

 この1週間、4年1組としての「別れ」のイベントをいくつかしてきました。

1 20才の「ぼく・私」への手紙
 タイムマシーンができたら、どんなに素敵でしょう。そんなことを誰しも考えたことがあると思います。でも、現実にはできません。ただし、それに似た気分はできます。
 20才になった時、10年前に自分あてに書いた手紙が届く・・・・これはなかなか興味があります。そんな想定で、子どもたちに10年後の自分あての手紙を書かせました。
 私が10年預かります。そして、2007年に発送します。子どもたちはタイムトラベラー気分で手紙を書いていました。
 10年後、子どもたちは手紙のことをきっと忘れていることでしょう。そのほうが、懐かしさがこみあげてくると思います。お楽しみに。

2 感謝状作り
 この1年間で一番お世話になった人に感謝状を書かせました。
 画用紙に丁寧な字で、しかもまわりのデザインも自分で工夫をしてという条件です。半分の子は家族に書いていました。毎日、お世話してくれることへの感謝の気持ちを綴っていました。残りの子たちは、主として友達。一緒に遊んでくれたことへの感謝の気持ちが多かったです。私も、4枚いただきました。
 休み時間も感謝状作りに励む子供たちを見て、こういう機会は大切だと思いました。

3 クリーンデー
 自分たちの生活の場所である教室。いつも掃除の時に、きれいにしていますが、改めて1時間かけてゆっくりきれいになってもらおうということで、ふだん掃除できないところを時間をかけてきれいにしました。名付けて「クリーンデー」。
 一番汚れが落ちたのが壁です。ストーブから出る目に見えないすすが、少しずつついていたのですね。椅子と机の脚のほこりもとれました。気持ちよく次の4年1組の人に引き渡せます。

4 4年生最後の会
 学級集会活動の最後です。ホットケーキ作りは意外と難しく、失敗したグループもありましたが、満足顔で食べました。

 一つ一つの活動が終わるにつれ、私の中にも「いよいよお別れの時がせまってきたんだなあ」という実感がわいてきました。
 そして、今日、いよいよお別れの時です。
 先のいろいろな活動が、私にとってはすばらしい思い出になりました。

       ☆    ☆     ☆     ☆     ☆     ☆

 この学級通信もおかげ様で216号を達成することができました。
 通信名も、1学期は「ホップ」、2学期は「ホップ・ステップ」、3学期は「ホップ・ステップ・ジャンプ」と私の願いをこめて、言葉を増やしていきました。子供たちもその願い通り、大きくジャンプしたと思います。
 5年生になって、心も体ももっともっと大きく育つことでしょう。期待をしています。
 1年間のご愛読、ありがとうございました。

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