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2016.04.09

6年生学級通信 その1

【HP移行のためのリバイバル掲載です】


 思春期になるといろいろと子供たちも考えます。そのような子供たちが自分を見直す授業です。

学級通信 ロマン・シューレ 第165号 12月14日

   ぼくにはいいところがある。
   人生に花をさかせよう。

 9日に小中交流会がありました。
 これは、中学校の先生方に6年生の授業を見ていただくものです。
 6年1組では、学級活動の授業を行いました。子供たちは、「学級活動?何の話し合いをするのですか?」と感じていたようですが、何も学級会ばかりが学級活動ではありません。その日は、「自分や友達のよい所を見つけよう」という授業をしました。
 授業の概略は、次の通りです。

 1 「私は誰でしょう」の班対抗のクイズを行う。
   班で一人、答えとなる人を決め、その人に関するヒントを与えて誰か答えさせる。
 2 自分のよい所や直したい所を考える。
   クイズやヒントのように、その人にしかないものが個性。自分の個性について考える。
 3 友達から自分のよい所を教えてもらう。
   あわせて、「短所は長所の裏返し」という見方を理解する。
 4 授業の感想を書く。

 学習といっても、自分の長所・短所について考えるものです。
 最初に子供たちに、「自分の長所・短所について、真剣に考えたことがある人?」と聞いたところ、手をあげた子はわずか二人のみ。いろいろと友達関係で悩んでいることを日記に書く人もいるので、これは意外でした。
 しかし、中学校に入れば、自分はどうしてこんな性格なんだろうと悩んだりすることは間違いありません。私自身も私の友達もそうでしたから。
 いわゆる「思春期」です。その前に、改めて自分のことについて考えてみることも意義あることです。

 1のクイズは盛り上がりました。答えが合うたびに、「ワー!」という歓声があがります。「個性」という学習に興味を持たせるということが、このクイズの目的でしたから大成功でした。
 次に、自分の長所と短所をそれぞれ書かせました。これは、短所の方が長所よい多く書かれていました。特に十人くらいの子が、短所は書いたものの、長所は書くことができませんでした。これは、ふだんから長所より短所を意識しているからだと思います。私も、子供たちに「直したい所」を強調していたのではないかと反省しました。(お子さんが、どんなことを長所や短所で書いたのか、ぜひお聞きください。)
 そこで、友達に自分の長所を指摘してもらいました。それらを黒板にまとめていくうちに、「短所に『明るすぎる』とあるけど、長所ともいえるのでは・・・」「『がんこ』も長所と言えるのでは・・・」と気付いていきました。
 子供たちの感想を紹介します。

・楽しかった。ぼくにはいいところがある。人生に花さかせよう。
・今まで自分の個性についてあまり考えなかったけど、今日の勉強でよい所はこれなんだ とか、直したい所はこれなんだとかわかった。
・今日の授業はとても感心しました。ふだんは嫌いな人でも、いいところがあるんだなと考えれば、(ああ、この人は実はいい人なんだ)と考えると思います。これから人の長所を 見つけたいです。
・自分ではよいところを見つけれなかったけど、直したい所がもしかするとよいところかもしれない・・・。

 感想からもわかるように、子供たちの見方が変わった授業になりました。

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 6年生ともなると教師のことをよく見ているものです。「見られている」というのを以前はそれほど意識していなく、今考えるとだらしない恰好で授業をしていたものです。さすがに今は・・・・。どうかなあ。ここ7、8年は授業で常にネクタイをしていますが。


学級通信 ロマン・シューレ 第110号 9月27日

   教師ウォッチング

 子供たちは大人をよく見ているものです。以前、「子供ウォッチング」というのをしましたが、今回は、私が子供たちに見られている部分を紹介しましょう。

■電話に向かって礼
 学級と職員室を結ぶインターホンがあります。
 ある時、教室にかかってきました。私のほうで、「はい、どうも。どうも。」と言ってインターホンを置きました。そうしたら、ある子が、「先生、どうして相手が見えないのに、手をふるんですか?」と聞きました。
 私には、無意識のうちに電話でも身振り手振りを交えたり、「ありがとうございました」という時に、電話を耳にしながら礼をしてしまったりというくせがあります。そのくせを見ぬいているわけです。(結構、そういう人は多いと思いますが・・・)
「人の心は言葉だけでは伝わらない時がある。電話をしながら礼をしていると、本当の心が伝わるものなのですよ。本当だよ。」
「ふ~ん。」
 言ったあとでハッとしました。子供たちに言った手前、常にインターホンを片手に礼をしなければいけなくなってしまったことに・・・。

■「先生、ネクタイが・・・」
 よく見ているといえば、私の服装もそのターゲットです。
 特に女の子は鋭いです。男の子の場合は、まあどうでもいいやという感じです。(これは私も男の子でしたからよくわかります。)
 何か言われることが多いのは、公開や授業参観のように、授業開始をじっと待っている時です。
 県国語教育研究大会の時には、授業が始まる数分前に、「先生、今日のネクタイ、いつもと違うね~」なんて話しかけられました。(何、毎日きちんと変えているのに!)すでに、後ろに参観者が待っていて、こちらも緊張状態にいるというのにです。
 服装だけではありません。床屋に行けば、「先生、髪きった」、時計やワープロを新しいものにすると、「先生、変えたね・・・」。なかなか目ざといものです。

■「指示の仕方がそっくり」
 「子供は親の言うことはきかなくても、することは真似するものだ。」
ということを以前聞いたことがあります。私も親になってみて、この言葉は実感しています。
 さて、学級担任と子供との関係も似た面があります。教師の授業での話し言葉が、子供たちの言葉遣いに大きな影響を与えます。
 特に感じたのが、社会科の子供たちの発表の時です。子供たちは、発表後に質問や意見を聞きます。その時には子供たちに進行を任せているわけです。
 ある子の指示の仕方。
 「はい、次!」「しっかり聞いていなさい!」
 私の方は「ドキッ」です。何のことはない。私の指示の仕方にそっくりだからです。
 教師の姿をよく見ているものです。

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6年生としての行動に思わず「すばらしい!」ということを発見する場合があります。

学級通信 ロマン・シューレ 第101号  9月14日

    大人もうなってしまうこの気遣い

★その1 電話連絡の中から
 今週の日曜日、青少年郷土芸能発表会が行われました。我が6年生のうち35名が放課後に6回練習をして、この会に備えました。
 演目は「組甚句」です。昨年度の6年生から引き継がれたものを披露する機会に恵まれたわけです。会場は、藤原の郷の予定でした。
 ところが前日の雨で、その日の朝に体育文化会館に変更となりました。
 我々担任は会場変更の電話連絡です。その中の一人の受け答え。
「はい、わかりました。」
 ふつうだったらこれで終わります。でも、この場合にはさらに続きました。
「他の誰かに連絡しましょうか?」
 私の手伝いまでしてくれると言うのです。この心遣い。「すばらしい!」とその瞬間、心の中で思いました。

★その2 インターホンごしに
 職員室と教室を結ぶインターホンがあります。
 学校は実に広いです。職員室と教室を往復するまに、2分以上かかってしまいます。
そこで、緊急の簡単な連絡のためにインターホンを活用する場合があります。
 ある時に、私から教室にかけました。
「はい、6年1組です。」
 ふつうだったら、これで終わります。さらに言葉が続きます。
「私は〇〇〇〇です。正寿先生は、今おられません。用件をお聞きします。」
 ここまでくると「お見事!」と言いたくなります。これだと他の先生が伝える場合でも、誰に伝えたかがわかります。また、敬語が自然に出ているところにも感心します。

★その3 休み時間の前に
 昼休み時間といえども、委員会活動があったり、諸活動があったりします。1時5分に給食が終了するわけですが、時には「1時5分集合」という連絡もあります。子供たちは、給食終了時にそうじのために机と椅子を後ろに運びます。集合時刻を優先するとそれに間に合わない時もあります。
「〇〇くん、〇〇に行くから机を運んでおいててください。頼むね。」
「はい、いってらっしゃい。」
 こんな関係が自然にできる人たちがいます。いい関係だなあと思います。

 子供の頃にあれこれ小賢しくなる必要はないと思います。
 でも、年相応に身につけてほしいマナーはあると思います。小学校6年生。どの程度のマナーがふさわしいのでしょうか。悩むところです。
 ただ、「人の心を傷つけない」「相手を思いやる」といった点については、一人一人が行動に表すことは十分にできると思います。問題はその表現の仕方です。これは具体的な場面で教えていくべきことだと思います。
 そのために、いくつかの例を出しました。私の見えないところで、いろいろな行動をしていると思います。子供たちのやさしさをのぞくことができます。

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地域の人のご好意で実現した「茶の湯体験」。心落ち着くひとときを体験できて最高でした。

学級通信 カルチェ・ラタン 第33号 6月25日

室町文化体験・茶の湯を習う 1

■高浜小学校に転勤して、校舎をぐるっと回った時に、多目的ホールの横に畳の部屋があることに気付きました。しかも床の間つきです。
 それを見て、「いつかこの部屋で日本文化に触れる学習をしたいな」と思いました。幸い、我がクラスのSさんのおばあさんがお茶を教えている先生だということを聞きました。
 これは貴重な機会です。ぜひ、子供たちに室町文化の一つである「茶の湯体験ができる」と考えて、昨日行うことができました。

■茶の湯は、若干の子が習い事でしたことがあるものの、多くの子にとっては初めての経験です。私自身も初めての経験です。
 だから、子供たちも私もとても楽しみにしていました。朝の会の発表でも、「茶の湯をするのが初めてなので、とても楽しみです」「正座がつらそうです」「お菓子が楽しみです」といったように、茶の湯に関わる発表が続きました。

■始める前に、日本間に茶の湯の道具等のセットをしました。先生が掛け軸を持ってきてくださいました。
  「心静茶味香」と書かれています。この掛け軸の字をみただけでも、どんな気持ちでお茶を味わったらいいかわかるような気がしました。

■いよいよ始まりです。先生から、お菓子のいただき方、お茶のいただき方をを教えていただいて、一人一人いただきました。子供たちの中で、Sさん、Tさんが実際にお茶を入れてくださいました。
 私が「なるほど・・・」と思ったことがあります。
 それは、いただく前に、お隣の人に「お先に、いただきます」と一声かけるというところです。これは「気配り」の文化とでも言うのでしょうか。日本の伝統文化のよさでもあると思います。
 一言で言えば、お茶をいただいた後に、「ありがとうございました。結構なお味でした。」と私が言った後に、男の子たちも同様に言いました。これには、先生もにっこりです。

■「気配り」という点は、もっともっとありました。たとえば、畳の縁を踏まないところ。お菓子を食べた後に、紙の角ではしを拭くところ。
 これらは、茶の湯だけの世界ではなく、日本の生活の中に根付いたよさでもあるんだなあとつくづく感じました。体験して、初めてわかったことです。

■終わった後で、その場で簡単な感想を聞きました。
  「おもったよりお茶が苦くなかったです。」(うす口だたようです。)
  「お菓子がとてもおいしかったです。」(その通りでした。)
  「足がとてもしびれました。」(私も立つ時はふらつきました。)
  子供たちにとってみれば、室町文化、日本の伝統文化というよりは、まずは体験したこと自体が価値あることだったのでしょう。
 これから、テレビや本等で茶の湯が出てきたときには、今までと反応が違うと思います。興味を持って見ることでしょうね。

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 大きな行事は子供たちにとって節目となります。

学級通信 カルチェ・ラタン 第72号 10月20日

    学習発表会 余話

 学習発表会が終わりました。たくさんの皆様にご覧いただきました。ありがとうございました。子供たちも全力を尽くして発表をしたと思います。

■6年生としての自覚
 6年生になってから、いくつかの大きな行事がありました。運動会、修学旅行、水泳・陸上記録会等々。
 一つ一つの行事を節目として子供たちは成長をしてきたと思います。
 今回も同様です。担任の私としても「学習発表会を通して一回り大きくなってほしい」と願っていました。今回、子供たちの自覚を高めるのに役立ったのが教室の黒板です。総練習や本番当日、一人一人が朝教室に入った時に「自分のめあて」を書きました。たとえば、本番当日のめあては次のようなものが出てきました。
 ★ 自分の仕事を責任をもってする
 ★ 緊張してもがんばる
 ★ 何事にも全力で行う
 ★ とにかくがんばる
 これらの言葉は一人一人の自覚を高めることになりました。子供たちへの満足感にもつながったと思います。

■みなさんと作り上げた発表
 さて、「子供たちの発表」でしたが、実質は「皆さんと作り上げた発表」と言えます。
 たとえば4~6年生での劇では、「祖父母の方への聞き取り調査」をもとにしています。もちろん、衣装面でもご協力をいただきました。
 また、全校音読では、学年委員さんを中心としてギャラリーの暗幕の開け閉めを手際よく行っていただきました。
 全てのことに改めて感謝いたします。本当にありがとうございました。そういう意味で皆さんのご協力でできた発表と言うことができます。

■その機転に感動!
 練習期間が長いですから、いろいろなことがおきます。
 その中の一つのエピソード。
 本番当日の朝練習のこと。Y君が体調が悪く、全校音読の途中で座ってしまいました。最後にY君だけが言うセリフがあります。「どうしようか・・・。私がかわりに言うしかないかな。」と思っていたら、K君が機転をきかして、Y君のセリフをすばやく言ってくれました。
 K君の位置からはY君は見えません。Y君のセリフが出てこないのを「おかしい」と思い、その様子を見て瞬時に言わなければと思ったそうです。しかも、友達のセリフを全部暗記していなければできないことです。さらに、言う勇気も必要です。
 朝練習の後、学級のみんなにもこのことを話しました。この出来事で、「本番は全員成功するだろう!」と確信しました。
 本番の全校音読では、体調不良気味だったY君も最後のセリフまでがんばりました。自分の責任を果たそうとしたその姿勢にも拍手です。

 いずれ一人一人のよさが輝いた発表会でした。

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  陸上記録会で選手宣誓の大役を出すことになった。せっかくの機会だから学級のみんなで考えることにした。

6年学級通信  カルチェ・ラタン  第56号  9月11日

    全員で考える選手宣誓

 来週の土曜日の陸上記録会に向けて、子供たちの陸上練習も熱が入ってきました。今週は、月曜日、木曜日と陸上競技場で記録を測りました。「去年より2秒伸びた!」「今日は最高記録!」といった嬉しい声も聞こえてきました。

 さて、今回の陸上記録会では、実際の種目とは別に大きな出来事があります。それは「選手宣誓」が我が小学校の割り当てになっているということです。
 一人ではなく、全員一斉に「宣誓!」とやったら、とてもいいだろうな・・・と担任である私は夢想していましたが、現実的には無理です。でも、陸上リーダーであるK君、Eさんで行うことは可能となりました。

 さて、問題は宣誓の文言です。
 せっかくの機会だから、学級全員で選手宣誓で使われる言葉を考えようと思いました。
 最初に、「陸上記録会で思い浮かべることは何ですか?」と子供たちに聞いたら、「人間」「よろこび」「感動」「走る」「応援」「練習」といった言葉が出てきました。その数、38種類!
 そして、「この中で、宣誓にふさわしい言葉を各自3つ選びなさい。」と言いました。
 次の4つを選びました。

   「全力」  「一生懸命」
   「頑張る」 「ベスト」

 この4つの言葉は、今の子供たちの陸上練習を表している言葉でもあるなあと感じました。
 陸上記録会の日、これらの言葉が盛り込まれた選手宣誓が行われます。
 きっと、みんなの心に残る選手宣誓となることでしょう。

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