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2016.06.30

学生さんの感想

6/18に愛知県で登壇した授業深堀セミナーのことを、玉置研究室の学生さんたちが研究室HPにアップしました。
こちらです。

学生時代からこのような研修会に参加するだけではなく、発信活動も行う…これからが本当に楽しみです。
採用試験もがんばることと思います。
応援しています。

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2016.06.29

共著の整理

今まで発刊した単著や編著についてはアマゾン等のネットで整理が自動的にされるので把握をしていた。
私の著者ページはこちら

今月、共著や部分執筆の書籍も整理しておこうと思い、発刊年代別に一覧にまとめてみた。
本当は教育雑誌の部分もしたいのであるが、こちらはあちこちに散逸している状態でもあり、難しいのでまずは形に残っている書籍からということにした。

思えば初の雑誌依頼の原稿は昭和の終わりだった。掲載は1989年1月号。12月の発売なので、昭和だったが次号は平成となっていた。27年間、量の多少はあるものの教育実践に関わる原稿を毎年書き続けてきた。
初めての書籍は、1990年特別活動の全集の一部分だった。その頃は、教科ごとに「全集」のようなものが発刊され、それらのセールスが学校訪問であり、結構売れたものだった。そんなことを思い出しながら、その時々の原稿も読ませてもらった。
「こんな甘い原稿を…」とも思うものも結構あるが、その時々で一生懸命に書いた原稿には違いない。

10~12年ほど前の共著には家本芳郎先生のものが一気に増える。確かにその頃、家本先生がメールで執筆者を募り、メールで執筆を御指導してくださっていた。係活動、問題をもつ子の指導、学級イベント等、学級経営に関わる書籍が次々と発刊されていた。その数年後、家本先生はご逝去されたのであるが、アクティブに指導をする姿に共感したものだった。

自分の編著・単著が増えたのは、ここ10年あまりのこと。これはまさに縁である。そして管理職になっても、書籍を発刊し続けることができるのは幸いそのものである。そして、まだまだ書き続けないと…と思った。

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2016.06.28

つぶやきより

フェイスブックでのつぶやきです。

・大学院ゼミ。修論の書き始めに関わって、あれこれ指導をいただく。他のゼミ生の進捗状況も大変刺激的だった。まだまだがんばらなければいけない状況は変わっていないが、この日を目指してあれこれ取り組んだり、書いたりしたことが意義があったのは確か。締切があるから前に進める。

・放送委員会の給食時のテレビ放送に出演。事前に3つの質問がわかったので、紙プレゼンを作成。都市名クイズ、小学校時代の札幌・ミュンヘンオリンピックの写真を提示し、楽しくインタビュアーとやりとり。何人もの先生方から「おもしろかったです」と反応。次にする皆さんも、工夫をするだろう。

・来週研究授業を控えた先生から依頼され、社会科の授業を参観。依頼されるのは有難いこと。 放課後は時間がとれないので、その場で考えたことを記録し、お渡しする。校内研究で社会も行っている(4教科+特別支援)のは幸せだと今年も感じている。

・今年度初の模擬授業終了。反省点があれこれある授業だったが、「毎回新たなことに挑戦する」という点ではよかった。今朝出会った「学ぶことを辞めた時が、教える時を辞める時」は自分の授業に言えること。「挑戦することを辞めた時が、授業することをやめる時」だと考えていこう。授業深堀りセミナーの名の通り、自分の授業を深めてもらったのは有難かった。すばらしい環境で登壇させていただいていることを今日も実感。

・昨日で地区懇談会が終了。担任時代は担当子ども会で1回だけ出て終了であまり感じなかったが、今回6回出て感じたのは、地域の方々の学校への強い思い。そして、随所に「伝統ある学校」の重みも…。前任校では地区懇談会がなく、それはそれで別のことにエネルギーを注いだが、今回本校でエネルギーを注げたのは意味のあることだったと感じている。

・平日の疲れがなかなかとれない体になっている。それでも休日になって遠出をして学ぶのは、それで逆に元気になるからだ。この1ケ月、毎週のように同じ経験をしている。周囲は「疲れませんか?」と言うが全く逆。今日もいい学びをさせていただいた。それにしても短くコメントをまとめるのは難しいーと今日も感じた。

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2016.06.27

執筆雑誌の紹介

執筆した雑誌の紹介です。

「教師のチカラ」26号に特集に関わる原稿を執筆しました。
「5つの着眼点から発問を作る」というものです。
アマゾンではこちらです。

季刊雑誌なので、授業づくりネットワークと同様に、作り方が丁寧です。
また知っている先生方が何人か執筆されていて、親しみを感じます。

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2016.06.26

私の教材開発物語第11回・第12回

【ホームページ移行のためのリバイバル掲載です】

連載 私の教材開発物語 第11回

   「人」で、地域のよさ・日本のよさを伝える

                       
■ 「人」を登場させる価値

 私のホームページのメインテーマは「地域のよさ・日本のよさを伝える授業」である。
 子供たちが将来巣立つ。大都会へ行く者もいるであろう。海外へ行く者もいるであろう。その時に、自分の育った地域のよさや自国のよさについて堂々と語ることができる・・・そんな子供を育てたいと思っている。
 そのような願いから、ホームページのメインテーマを設定した。

 そのテーマの実践で心がけていることがある。それは、可能な限り具体的な「人」が登場する実践をすることである。
 人が登場する効果は大きい。何よりもインパクトが強い。子供たちがひき付けられる。人に関わる物語は、常に具体的である。さらに、「自分もこのような人になりたい」と思う子が必ずといっていいほど出てくる。人を取り上げるからこそ生まれる共感である。
 それらの人から、先に述べた地域のよさ・日本のよさを感じ取ってくれればなおよいと思っている。

■ 陥りやすい罠

 しかしながら、人を取り上げる場合に陥りやすい罠がある。
 「教師の思い入れが深すぎて、子供の学習と離れた一方的な教え込みになってしまう」ということである。
 自分が見つけた教材、そして人。調べれば調べるほど共感をする。この感動を子供たちにも伝えたい。しかし、伝えたいことを次々と子供たちに投げかけるものの、教師ほどは共感している様子がない・・・このパターンがそうである。私は何度もこの罠に陥った。
 自分の伝えたいことをストレートに投げかけることのみであれば、確かに一方的である。やはり、その人から子供たちが学ぶ授業の組み立てが必要である。

■ 授業「UNTAC(アンタック)が救ったカンボジア (国連の働き)」(小6・社会)

 6年生の国際連合の学習の一つとして、誰か人物を取り上げたいと考えた。真っ先に浮かんだのが、明石康氏である。
 現代史において、日本人が世界の中でリーダーシップをとって活躍をするということは数多くはない。その中で、1993年にカンボジアの正常化を果たした明石康氏をはじめとするUNTACの人々の働きは記憶に新しい。
 さっそく資料探し。「平和のかけ橋」(明石康著・講談社)という児童用図書とインターネットの資料で授業を構成する。授業の概略を示す。

★発問1 (地雷撤去の写真を示し)この人たちは何をしているのでしょう。
     ・地雷についての説明
★発問2 (写真を示し)この人は、明石康さんといいます。このカンボジアで大きな仕事をした人です。どんな仕事をした人だと思いますか。
     ・カンボジアの内戦の説明
★発問3 どんな解決策が考えられますか。
★発問4 この中で理想的な解決方法と思われるのはどれですか。
     ・国連がUNTACという組織を作ったこと、その活動の様子の資料を提示(明石氏はUNTAC代表だった。)
★発問5 UNTACの活動を見て、どんなことを思いましたか。
★発問6 カンボジアの人はどう思ったと思いますか。
★発問7 明石さんたちは、立て直しの選挙に向けて努力を続けていました。しかし、その直前に日本人が殺されてしまうという悲劇がありました。その時に明石さんは選挙をやりとおそうと思ったでしょうか。それともやめようと思ったでしょうか。
    ・明石氏は選挙をやり通し、新しい政府ができたことを説明。
★発問8 明石さんたちはどんな仕事をしたと言えるでしょうか。

 明石氏が「国連のUNTAC代表」という紹介をした時、子供たちから「オー」という声が自然に出てきた。人物を登場させるインパクトを感じた。
 発問8では、「新しいカンボジアを作った人」「平和を求めて働いた人」「一から国を作るような仕事」といった反応が出てきた。
 最後の授業の感想でも、「明石さんたちは、カンボジアに夢を与えた人だと思った。」「こういうすばらしい仕事があるんだと思いました。」といった共感が続いた。
 この授業の組み立てで留意したことは、次の通りである。
・その人を通して見える事実について考えさせる。
・その人の立場に立った発問を組み入れる。
・その人が行った仕事の価値づけを行う。

■ インターネットの出現で探しやすくなった

 インターネットの出現で、自分が未知の分野の人を探しやすくなった。
農業分野で国際貢献をした事例について授業をする機会があった。具体的にそのような日本人がいたら、なおよい。私が教師になった十数年前であれば図書館等で膨大な資料を当たって、そこからキーマンを探すところである。今は、インターネットで該当する人物が出てくることが多い。
 この時には今から30年前にフィリピンに一家で渡った古川外男氏の例を見つけることができた。今度は「古川外男」氏をキーワードに検索をする。古川氏の一生、彼を支えた団体、そして彼の意志を引き継いで行っている古川外男記念日本語学校(フィジー)の存在を知ることができた。
 自分に必要な資料がこのようにしてインターネットで集められる。
「人」を登場させる授業を行うには、現在はいい時代である。(むろん、その資料の価値は吟味する必要があるが。)

■グローバル化した世界だからこそ

 多くの先達の努力があってこそ、今の日本、今の地域がある。
 どの地域にも、今の子供たちに伝えたい先人がいる。
 また現在も、よりよい日本・よりよい地域を創るために努力している人々がいる。
 数多くの人々のその気概とその心。
 グローバル化の世界だからこそ、私達の先達の気概やよさを学び、誇りを子供たちが持ってくれればと願う。

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連載 私の教材開発物語 第12回

   新たな教材開発、学習ゲーム 
      

■ 「思考力を鍛える学習ゲーム」という提案

 昨年、7人のチームで一つのプロジェクトに取り組んだ。
 テーマは、「思考力を鍛える社会科学習ゲーム」である。

 社会科における学習ゲームは珍しいものではない。地名探し、地名しりとり、ビンゴゲーム等、いろいろと私も行ってきた。ただ、それらはあくまでも、授業の中ではおまけみたいものであった。導入で授業を盛り上げるため行ったり、暗記を効率的に行うために行ったりという具合であった。

 この「思考力を鍛える社会科学習ゲーム」は、そのような学習ゲームとはコンセプトが違う。
 メインは「思考力を鍛える」という点である。当然、授業のおまけではない。授業の中核に学習ゲームが位置づけられる。1時間を貫くものである。
 そして、このコンセプトは、1冊の本になった。
 「思考力を鍛える小学校社会科学習ゲーム」(上條晴夫・阿部隆幸編著 学事出版)という本である。

■ 学習ゲーム「ターミナルベース地を探せ!」

 この本で、私は4つの学習ゲームを担当した。
 何ごともそうであるが、新しいものを生み出すにはそれ相応の苦労が伴う。しかも、今回は新しい学習ゲームの提案である。教材開発が好きな私といえども、胸中は不安の方が大きかった。
 対象は5年生社会。ある程度、学習ゲームに関わる先行文献を読み、応用が可能かどうか考える。
 しかし、なかなかいい案が出てこない。

 案は考えつかないものの、「まずは地図を使った学習ゲームを創り出そう」ということは決めていた。私自身が地図を見ることが大好きで、謎解きのような面白さを地図帳に感じていたからだ。

 ある日、地図帳を見ていて、ふと2学期に行う運輸の学習で閃いたことがあった。
 宅急便のターミナルベース地のことである。岩手県は、宅急便のターミナルベース地が北上市にある。県庁所在地の盛岡市ではない。
 昨年、担任した子供たち(やはり5年生)のほとんどは、盛岡市にあると思い込んでいた。「北上は、秋田に高速道路が延びている。(盛岡は秋田には高速道路が走っていない)」「北上は花巻空港に盛岡に近い。」「渋滞が少ない」といったことを、昨年の子供たちは考え出していた。
 
 「各都道府県のターミナルベース地の立地条件を考えさせると面白いのではないか。」
 そう考えたのである。
 さっそく、ヤマト運輸のホームページで各都道府県のターミナルベース地を調べる。
すると、岩手県の例と同じように、子供たちに考えさせるような例がいくつか浮かび上がってきた。
 たとえば・・・
・福島県→やはり県庁所在地ではなく、郡山市にある。
・神奈川県→3つある。ベース地の数は人口に比例する。
・鳥取県→ベース地がない。岡山県の津山市のベース地がカバー。
・北海道→5つ全てが空港の近く。(これらのデータは2001年現在)

 「これらをクイズ形式に出して、その理由を考えさせることにより、『ターミナルベース地の立地条件』という社会的事象を追究できる!」
 そう考えた。
 ゲームのおおもとができれば、あとは細かな部分を考えるだけである。都道府県の順番、ワークシートの用意、説明の仕方の工夫。そしてゲーム自体がシンプルであればなおよい。

 最終的には次のような形にした。
1 教師が出した都道府県のターミナルベース地を地図帳で探す。
2 一つ当てるごとに1点を獲得する。
3 一問を終えるごとに、そのベース地設置の理由を考えていく。
4 全部で5問行い、合計得点を競い、数多く当たった子供の勝ち。

 実際に授業で行った時には大いに盛り上がった。その設置理由も地図帳をじっと見ながら子供たちは考えていた。「思考力を鍛える」という点でも合格であった。

■ プロジェクト・メーリングリスト

 この学習ゲームの教材開発が出来たのは、チームによるプロジェクト・メーリングリストのおかげである。7人のメンバーのみのメーリングリストである。
・初期の段階では、各自の文献による情報交換。
・アイデアの磨き合い。
・実践原稿のチェック・・・等
 全国各地にいるメンバーがこれらの活動をメーリングリスト上で行う。
 それまで、数人が執筆する本といえば、各自が書いた原稿を編著者が集めてチェックして終わりというものばかりであった。
 ところが、今回は本当にプロジェクトチームという形で、多くのことを学んだ。1冊の本を生み出すことと共に自分がネットサークルで学ばせていただいたという感じである。

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2016.06.25

私の教材開発物語第9回・第10回

【ホームページ移行のためのリバイバル掲載です】

連載 私の教材開発物語 第9回

「宮古の自慢CMを作ろうⅡ ~NHKロケ・壁を乗り越えて~」

                                                       
■ ひとまず完成、自慢CM

 子供たちが作った宮古自慢CM。
 街角インタビュー、ターゲット決め、取材、プラン作り、撮影リハーサルを経て、実際に撮影。全て子供たちの手で行った。
 3グループの選んだターゲットは次の通りである。

★1班……浄土ヶ浜(風光明媚な宮古を代表とする景勝地。観光客も多い。)
★2班……ウニ染め(ウニの殻を使った世界初の染物。優しい色が特徴。)
★3班……宮古の鮭(鮭の漁獲高が多い。「サーモンランド」と市も命名。)

 オーソドックスに有名なものを選んだ班。自分たちが興味を持ったものを選んだ班と様々であった。

■ 子供たちに欠けていたものは?

 さて、その試写会。子供たちは自信満々である。自分たちなりに工夫して行ったのであるから当然である。
 ところが、他の班からは、次々と厳しい批評が出てくる。
★1班(浄土ヶ浜)に対して
 ・浄土ヶ浜が中心なのにかんじんの浄土ヶ浜がよく見えない
 ・石碑も取材した人たちはわかるかもしれないが、見えにくい
★2班(ウニ染め)に対して
 ・開発した田川さんが主人公になっていない
 ・染めているときに解説やアドリブがほしい
★3班(鮭)に対して
 ・市場の中だったので、音声が聞き取りにくい
 ・試食の鮭が小さくてよく見えない
 むろん、お互いのよさを認め合った上ではあったが、子供たちにとってはある程度あった自信が打ち砕かれる出来事であった。
 子供たちに欠けていたのは、「初めて見る人の立場に立ったCM作り」という視点である。自分たちは取材をしている。あるいはよく知っている。でも、初めて見る人はどうだろうか。その点を深く考えていなかったわけである。

■ 子供たちの巻き返し作戦

 「初めて見る人の立場に立ったCM作り」。これをポイントとして、子供たちの再挑戦の開始である。
 でも、事は簡単に運ばない。壁にぶちあたった班もある。ここは教師の出番である。地元NHK宮古報道室の記者からプロとしてのアドバイスをいただいたり、私も「君たちのCMで一番訴えたいことは何?」と考えを焦点化させる支援を行ったりした。
 子供たちも粘り強く考えた。
 再度のプラン作り、再取材、さらに再々度のプラン作り。そして再撮影である。この過程で、印象に残るエピソードがいくつも出てきた。

★浄土ヶ浜グループ。ただ単に「美しい景色」を見せるのではなく、「生きているうちに極楽浄土に行ける」というコンセプトを設定。ならば「極楽」のシーンを増やそうというアイデアで、「絶景を見ながらウニラーメンを食べ『極楽、極楽』と言う」「うるさい教室から静かな海岸にワープする」といったものが出てきた。

★ウニ染めグループ。取材で学んだ「自然の恵み」「やさしい色」というキーワードを、CMの中に盛り込むことにした。そして「自然の恵み」という点でできた作品を、海岸で広げるというシーンを考えた。
 すばらしいアイデアであったが、大きな問題があった。主人公であるウニ染めの開発者田川さんも連れていきたいということである。田川さんには、多忙のおり、時間を割いていただいている。海岸に行くには時間がかかる。最初は困った様子であったが、子供たちも粘り強く交渉をする。最終的には協力をしてくれた。

★鮭グループ。おいしさを引き出すために、鮭汁を食べるシーンを入れようということになった。問題は誰が作るか。市場での撮影なので、市場内の食堂に頼み込む。メニューはないものの、子供たちの熱意で作ってもらうことになった。
 また、実際の市場の撮影では団体客で混雑しなかな撮影ができない。刻々を過ぎていく時間。一人の子が、「すみません!ちょっと止まってください」と「交通整理」をして撮影開始。その度胸たるやたいしたものである。

 ここでの子供たちの行動力はすばらしいものであった。壁があったからこそ、子供たちもさらに燃えたのに違いない。
 再挑戦してできた「自慢CM」は、本当の自信作となった。
 (実際のCMは、17日に放送されるNHK番組の中で紹介される。)

■ 子供たちが学んだことは

 ある子は、今回の学びをこう書いている。

 私は街角インタビューのときに、なかなかいいターゲットがなくて、CMをちゃんと作れるか心配でした。でも、さつえい本番のときは、太田さんや大つちさんのおかげもあって、最高のCMができたと思います。みんなも自分のやくわりをしっかり守って、行動できたのでよかったと思いました。
 それから学んだことがあります。一つめは、いろいろな人に積極的にインタビューできるようになったことです。二つめは、家でのCMの見方がかわりました。前とはちがって、「これは、~で工夫している」とか集中して考えるようになりました。

 「メディアリテラシーの視点が深まった」「スキルも高まる」「行動力もついた」……これらが子供たちの今回の学習で得たものであった。
 当然、一人一人の学びは違う。しかしながら、「密度の濃い学習をした」という点では共通をしている。子供たちにとっても、私にとっても思い出深い学習になったことは間違いない。

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連載 私の教材開発物語 第10回

   「番組放送後・エトセトラ」                 
 

■ 番組の反響

 11月17日にNHK教育で放送された「コマーシャル制作に挑戦」には、多くの反響があった。
 放送中から「今、見ています」というメールが入り、放送直後からメールと電話が次々と届いた。数日すると、今度は葉書や手紙が送られてきた。改めてその反響の大きさに驚いている。
 多くが教師からの反応であった。「何よりも子供たちの表情がすばらしい」「子供たちが練り上げていく姿が印象的だった」「この番組がきっかけとなってメディアリテラシーの授業に取り組む学校が増えればいい」といった好意的なものがほとんどであった。
 このような感想の他に、本格的な分析を送ってくださった方もいた。本マールマガジン11月27日掲載の水野恵氏(「佐藤正寿さんの番組に対する感想」)である。私が「地域のよさ」を日常の研究テーマとしていることに関わり、「追試するには同じような授業展開にならない可能性があり、そのあたりをフォローする必要がある。」とご批評いただいた。
 このような批評にはこれから真摯に応えていかなければと思う。

■ 特別の反応

 さて、何も反応は教師ばかりではない。
 当日は登校日だったが、この番組を見た子供たちからの反応もいくつかあった。
 まず本校の6年生。学校全員で番組を見たのであるが、放送直後に担任から6年生全員分の感想を頂いた。番組を見ながら書いたという。
 「宮古を知らない人にも宮古のいい点が伝わったと思う」「すばらしいCMを作っていてすごい」といった感想の他に、「CM作りはいろいろとすることがあって大変ということが分かった」「(関わる相手と)粘り強く交渉することが必要と思った」というように番組からの学びを書いていた。
 また、京都のある小学校でも授業時間に番組を見せ、子供たち全員分の感想を送ってくださった。興味を持って見てくれたことが伺える感想ばかりであった。他にも、市内の小学生から「同じ5年生でもすごいです」といったメールを何通かいただいた。
 番組自体は教師と保護者向けのものである。しかしながら、この反応から、子供たちにとっても十分にその内容を理解できる番組であったこと、そして番組をメディアリテラシーを学ぶ事例としても活用可能であることがわかった。
 一般の方からも、いくつかの声を頂いた。市内在住の74歳の女性。
 番組を見て子供たちの奮闘ぶりに、心から大拍手をしたと言う。そして「初めてテレビ番組を見て、手紙を出す気になった」とも言う。手紙には子供たちのがんばりぶりを応援する内容と共に、「お世話になった人に感謝してほしい」「自分は戦争があり、皆さんのように目を輝かせたことはなかった」といったことも書かれていた。
その手紙を子供たちに紹介をした。子供たちは真剣な面持ちで聞いていた。

 子供たちから70代までの反応。つくづく「テレビ」というメディアの大きさを感じる。

■ 「教材」の裏にある仕掛け

 「地域の自慢CMを作る」・・・この発想自体は珍しいものではないだろう。総合的学習で、実際に取り組んだ学校も多いのではないか。その点では、どこの学校でも実践可能な題材である。
 ただ、その単元での「ねらいの比重」は考えなければいけないと思う。
 今回の学習では、「CM作りを経験することを通して、メディアの仕組みを学ぶ」ということがねらいの中心である。
 そのねらいを達成するためには、一回のCM作りでは不十分と当初から考えていた。むしろ、一回目を作った点からが勝負と考えていた。
 二回目のCM作りのために私はいくつかの仕掛けを考えた。

・子供たち相互のCM批評会。ポイントは「初めて見る人にも伝わるか」
・メディアのプロ(この場合はNHK宮古報道室記者)を教室に招いてプロの視点から批評してもらう。
・反省の視点に沿った再取材
・各チームとも再取材から新しいキーワードを決める
・キーワードをもとにしての再計画
・撮影スキルを高めるポイントの確認

 これらの経緯を経ての再撮影であった。実際のテレビ番組では、時間的な制約があって視聴者にはこれらの点が十分に伝わっていない。これらの面は教師の視点として、何らかの形でフォローしていかなければいけないと考えている。

■ さて、我がクラス

 この番組放送後、私の学級では番組を教材とした特別授業をした。
 テーマは、「番組編集の秘密を探せ!」。
 我が学級での3週間ロケで撮影された映像が、番組でいかに効果的に編集されているか、その秘密を探すものである。
 改めて番組を見ながら、その工夫を発見させる。

・自分たちの気持ちに合わせた音楽を使っているので、雰囲気が伝わってくる
・ナレーションによって、自分たちの行動がよく伝わる
・下からのアングルで撮影をしているので、迫力がある
・プリントをズームでアップしている。これだとキーワードに自然に注目するようになる。

 ロケしたのは我が学級のみ。日本広しといえども、我が学級でしかできない特別授業である。
贅沢な気持ちで授業を楽しませてもらった。

 番組は終わったが、子供たちのメディアリテラシー学習は続く。これからさらに実践を積み重ねていこうと思っている。

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2016.06.24

ワークショップ型研究会

本校の授業研究会も6月になってから始まっている。
教職員が多いので、全体での研究会よりも、各部会(4教科+特別支援)の授業研究会の方が多く、そちらはいち早く始められている。

昨日は全体研究会。理論的な研究会はすでに行っていたが、全体研究会での授業は今年度初である。その研究会はワークショップ型。自分にとっては何とも懐かしかった。

自分が研究主任時代の9年前。教育センターとタイアップしてのワークショップ型研究会が始まった。当時のブログを見てみると、ワークショップ型研究会の記事がいくつもある。毎月毎月進歩していたことがよくわかる。
そして、ほぼ1年間続けて、「このようなスタイルが我が校のもの」というものが出来上がった。
自分はそこで転勤した。

そして、本校に再び勤務して初めてのワークショップ型研究会。当時の基本的なスタイルが継承されていた。先生方の発言も活発。グループまとめのプレゼンもいい。ホワイトボードに書く記録のまとめも行われていた。ワークショップ型研究会のよさが随所に出ていた。
同時に自分が当時悩んでいた部分も同じだな…というところも。

もちろん、当時と今では立場が違う。どういう貢献が自分にできるか考えた研究会でもあった。

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2016.06.23

今年も講師役が始まった

6月。例年、この月から講師役の仕事も始まる。
4月、5月は学校にとって重要な時なので、講師役も可能な限り控えているが、6月は軌道に乗っている頃なので、依頼があれば、有難く行かせていただいている。

今年も同様であった。
今週はその講師役が2つ。
一つは愛知での授業深堀りセミナー。自分は模擬授業者役。今まで行ったものではなく、当然「新作」。
ヒントを探るためにあれこれ本を読んでいるうちに野生生物と森林の問題に目が行った。あれこれ資料を集め、さらに授業スタイルも新しいものに。
授業自体は反省も多々あったが、「自分の挑戦」が次のエネルギーになることを知った。もちろん、深堀された他の先生からの意見は自分の宝物である。

今日は教育センターでのユニバーサルデザインの講義。昨年度に続いての依頼。今年度は2回あるが、その1回目。校種が小中学校だけではなく、高校や高校の支援学校の先生方もいらっしゃり、自分にとってはよき学びになった。ユニバーサルデザインでは自分の中での「定番スライド」があるが、それについては手応えを改めて感じた講師役だった。
ただ、これも反省点があり、新しいものを組み入れる時には吟味する必要があること。これも一つの学びである。

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2016.06.22

「授業づくりネットワーク」22号

「授業づくりネットワーク」22号が発刊されました。
4月に本県山田町の対談が「被災地の子どもの心の復興を考える」として巻頭に掲載されています。
ビジュアルな誌面に驚いています。
目次等はこちらです。
アマゾンはこちらです。(予約段階です。)

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2016.06.21

転勤から見えてきた学校のよさ

 新聞掲載のエッセーです。

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 今春、隣の小学校へ人事異動となった。転勤すると、その学校のよさがすぐに見えてくる。

 まず感じたのは、子どもたちの「時間を守ること」のすばらしさだ。休み時間、元気よく子どもたちは校庭や中庭で遊ぶ。終わりのチャイムと同時に一気に校舎内に入り、すぐに次の授業の準備をする。これはスムーズな授業のスタートを切るためには不可欠なことである。

 また、挨拶のすばらしさにも感心した。特に4月は児童会活動で挨拶運動に取り組んだので、朝廊下ですれ違った時にも次々と子どもたちから「おはようございます!」の挨拶が出てきた。教師に対してだけではなく、子ども同士で明るい挨拶を交わしていた。このようにさわやかな朝の雰囲気を子どもたちが作るのはすてきなことと感じたものだった。

 先生方も意欲的かつ責任感あふれている。限られた時間で他の先生と打ち合わせをしたり、放課後も時間をかけて教材作りをしたりと子どもたちのためにエネルギーを注いでいる。また、欠席した子どもたちに「具合はいかがですか」と温かく電話をしている。このような熱意は教育に不可欠のものであり、本校のすばらしさだ。

 保護者や地域の方々にもすでに多くの点でお世話になっている。役員の皆さんが積極的に運営するPTA。600名を越す地区のスクールガードの皆さんが子どもたちの下校を見守ってくださる…まさに地域と共に歩く学校である。

 転勤した時には、子ども、教師、地域の3つに惚れることが大事と考えている。転勤2ケ月で、この3つにすでに「惚れた」状態である。この学校での仕事が、これからも楽しみである。

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2016.06.20

「社会科教育」誌連載

今年は社会科教育誌で、「スペシャリスト直伝!アクティブな社会科授業づくりの基礎基本 」を連載しています。社会科におけるアクティブ・ラーニングを自分なりに考え、発信していく年です。

7月号では、「実社会との関わりを見通しているか」というテーマで書かせていただきました。
アマゾンはこちらです。

2ページの連載ですが、毎回様々な文献を読む機会を結果的にいただいており、よき学びの機会になっています。
原稿自体は9月号まで書いて送っています。
ちょうど折り返し。残りの半分も学びながら書き続けていきます。

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2016.06.19

私の教材開発物語第7回・第8回

【ホームページ移行のためのリバイバル掲載です。】

連載 私の教材開発物語 第7回

 「地域さがしを『八景』で」
 
■ふるさと教育

 総合的な学習について、私が住む宮古地区は全国各地の状況と違うのではないかと思われる。というのも、地域を題材とした学習を中核に据えている学校がほとんどだからである。
 確かに、学区それぞれで地域に豊かな素材がある。海という自然。鮭のまち。そこで働くふるさとの人々。海にまつわる歴史。代々伝承されてきた伝統芸能。次々と地域に関わる題材は、見つかっていく。
 ところが子供たちの文化状況はまた別だ。テレビ番組、カードゲーム、テレビゲームのことはよく知っていても、地域のことについてはよく知らないのが実情である。だからこそ、よけいに地域を対象とした学習が必要なのであろう。
 本校も総合的な学習の時間の半分を、「ふるさとから学び、ふるさとに働きかけ、ふるさとに愛着を持つ子」の育成を目指した地域学習としている。

■ 切り口を何にするか

 昨年度、その地域学習の一つとして、「地域に残る貴重なもの」を題材にしようと考えた。
 よくある実践は「地域の宝さがしをしよう」というものである。悪くはない。しかし、何かしらのインパクトに欠けると思われた。
 そこで、地域素材に関わる資料を見たり、実際に地域を歩いてみたりした。
 資料の中で目に飛び込んできたのが、市の広報誌の小さな募集記事。タイトルは「新宮古八景募集」というものである。
 「八景」と聞いて、有名なものでは「近江八景」「金沢八景」がすぐに思い浮かぶ。インターネットですぐに調べる。次のようなことがわかった。

・何々八景という嗜好は中国の洞庭湖を描いた瀟湘(しょうしょう) 八景図を見立てることから始まっていること。
・室町時代にはその瀟湘八景をもとに、さまざまな日本の風景が漢詩に読まれていたこと
・江戸時代には、屏風絵や版画の題材として流行したこと
 
 「この『八景』を『宝さがし』のかわりに、子供たちの手法として導入したらおもしろいのではないか」と直感した。学区を対象とするので、名称は「高浜八景」である。

■ 構想しているうちに気付く「八景のよさ」

 具体的に「高浜八景」を作らせる。その意味づけとよさを構想段階で考える。

 まず、子供たちにとっては、「景色」というのは実際にふだん見ているだけにイメージしやすいということがあげられる。
 地域にある神社、海、公共施設、川等、ウォッチングしながらたくさんの八景候補地を選ぶことができるであろう。たくさんの選択地があっても、それを八つに絞り込む必要がある。当然、その選択基準が問題になってくる。子供によって価値観が違うからおもしろい話し合いができそうである。

 また、それぞれ選んだものについては発展性のあるものが多いと予想される。
 たとえば、学校のそばの宮古湾には多くの鳥が飛来をする。それを八景に選んだ場合、「どんな種類の鳥がとぶのか」「その鳥の保護のために、地域の人々はどんな活動をしているのか」といった疑問が出てくるであろう。そのような調べ学習が八景選びから発展することが期待できるのである。

 そして八景の「八」という数字。子供たちが、八景を選んだ後、一つ一つについて調べるとき、学級としてはちょうどいいテーマ数である。この時の学級は22人。八景の一つ一つのテーマについて調べる場合、各チーム3~4人であった。これは調べ学習にちょうどいい人数であった。

■ 「高浜八景作り」を活性化させるために

 構想が固まれば、あとは実践あるのみ。
 「八景のよさ」を実践の中で生かすために、特に次の3点に留意をした。

・導入の写真クイズで追究に火をつける
・「21世紀に伝えたいもの」という視点で活動を深化させる
・リスト作りで学習スキルの力のアップを図る

 具体的な実践は省略をするが、子供たちの地域に対する愛着は確実に深まった。「お寺のおしょうさんの話を聞いて、このような歴史をちゃんと伝えていかなければいけないと思いました」「ふだん何げなく見ている海だけど、こんなにいろいろな鳥がいてすばらしいんだなあとうれしくなりました」という感想からもその様子がうかがえる。
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連載 私の教材開発物語 第8回

 「宮古の自慢CMを作ろう ~NHKロケスタート~」                       

■ NHKロケがスタート

 今月3日からNHK教育テレビのスタッフが、私の学級にロケに入っている。
 「特集!メディアのABC」という特別番組制作のためである。放送日は11月17日(土)。NHK教育テレビである。
 きっかけは、私の勤務する高浜小学校がNHK教育テレビ「体験!メディアのABC」の実践協力校となった。これは、小学校5~6年生向けのメディアリテラシー教育のための番組である。
 その関わりで今回の特番のロケとなったわけである。

■ 教材「宮古の自慢CMを作ろう」

 この番組では一つの単元での子供たちの姿を追う。
 内容はもちろんメディアリテラシー学習である。
 今回扱うのは、「宮古の自慢CMを作ろう」というものである。
 私自身が昨年まで行ってきたメディアリテラシー学習は、「メディアを分析する」ということが中心であった。たとえば、「プロ野球番組を楽しく見る方法」「発見!CMの秘密」といったように、実際に子供たちが興味を持ちそうな番組やCMを細かく分析して、その見方を深めるといったものである。いわば「メディアの受け手としての学習」である。これはこれで意義があった。子供たちのメディアの見方が確実に深まった。

 それが、今年度から始まった番組「体験!メディアのABC」の活用で授業スタイルが変わった。「メディアの送り手としての学習」になったのである。たとえば、「合成写真を作る」「組写真から物語を作る」「キャッチコピーを作る」といったようにである。番組の中で具体的にその手法が例示されているので、学習しやすいのである。
 今回の「宮古の自慢CMを作ろう」は、その「メディアの送り手としての学習」の延長線上のものである。

 ただ、実際に「送り手の学習」といっても、結果的には「受け手」としての視点も深めることになると考えている。CMを作る段階でキャッチコピーを作る。作るという立場になって、改めてテレビに入るCMのキャッチコピーにも注目するようになる。CMの画面構成を考える時に、アップにするかルーズにするか迷う。日頃何げなく見ているテレビニュースでは、それらが効果的に使われていることを知る。
 そういう意味では、「CM作り」という送り手になる学習は、大変効果的な手法と言える。

 しかも今回は対象が「宮古の自慢」である。自分たちの地域の自慢を調べることの意義は改めて言うまでもない。実に多くのメリットがある。

 ・自分たちの住む地域に何度も取材することができる。
 ・その過程で、地域に対する愛着を深めることができる。
 ・調べる過程で地域のことや特色に関わるキーマンを見つけることができる。
 ・その人に密着することによって、取材のイロハを学ぶことができる…等

 この予想通り、今子供たちは街角で「宮古の自慢」のインタビューを行い、自分たちでキーマンを見つけ、魚市場や海岸に出掛けてCM作りに励んでいる。
 そして、その様子をNHKロケチームが追っているのである。
 授業のくわしい様子は次回で紹介をしたい。

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2016.06.18

私の教材開発物語第5回・第6回

【ホームページ移行のためのリバイバル掲載です】

連載 私の教材開発物語 第5回

 「ちょっとした教材開発 『5分間話』」
                       
■5分間というのはちょっとした一まとまりの話が可能な時間である。
  昨年度から、この5分間にこだわった話の教材開発を始めている。朝の会が早くおわった時や授業が早く終わった時に行う。場合によっては、「その日」にしかできない話もある。そんな時には、意図的に5分間を作り、子供たちに話す。
  内容は、雑多である。ただ、テーマは一貫している。「日本のよさ」や「伝統行事」といったものである。

■そのような話は、以前から子供たちにしたいと考えていた。
  しかし、悲しいかな、自分には子供たちに語ることができるネタをそれほど持ち合わせていなかった。
  たとえば、「明日は七夕です」とテレビのニュースでやっているのを見ても、子供たちが知っている程度の話しか知らなかった。
 これでは、子供たちにとっては新鮮味がない。
  市立図書館等に行って本を借り、それをもとに話を考えるというのなら可能であるが、「わずか5分間程度のために」と考えたら、その労力はずいぶん無駄に思われた。

■しかし、インターネットの出現で事情は変わった。
  明日、子供たちに何か話をしたい。季節物がいいな・・・・。
 検索用サイトにキーワードを入れると、いくつも興味をそそるサイトが出てくる。
  たとえば、「中秋の名月」。これは、基本的な説明にいいサイトだ。
  こちらはクイズにしたら面白そうだ。そんなふうに、どんどん頭が働く。5分間話といえども、ちょっとした教材開発である。
  以前なら市立図書館(車で10分ほど)を往復する時間で、必要な情報が手に入る。
  もちろん、信頼した情報を得るためには、いくつかのサイトをあたることは当然であるが・・・。

■ そのような教材研究で、昨年(2000年)の9月、子供たちに「中秋の名月」で話をした。以下、その記録である。

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★今日は、何の日ですか。

  知らない子の方が多いが、何人かの子は、「十五夜」というように知っていた。朝のニュ―スで見たという答えが多い。

★ そうです。今日は十五夜です。「中秋の名月」とも言われています。
  この行事は、中国で始まり、今から1000年ぐらい前に日本に伝わってきました。
  実は、この中秋の名月には、別の名前がついています。
  □名月(板書)と言われています。□には食べ物の名前が入ります。
  何だと思いますか。 

  「栗」「団子」「りんご」「なし」といったように、十五夜に関係のある食べ物や秋の味覚が出てくる。

★ 答えは「芋名月」です。秋は食べ物が実る季節です。その食べ物を誰よりも早く、偉大なる月にささげるためにお供えをするのがこの十五夜なのです。
  では、芋の他にどんなものをお供えしますか。

  経験のある子の方が今は少ないかもしれない。しかし、知識として絵を見ているためか、子供たちからは、「団子」「柿」「栗」「枝豆」「ススキ」「お酒」とすぐに出てきた。

★ そうですね。実はススキと団子の数は決まっています。いくつですか。

  これは十五とすぐに出てきた。十五夜からの連想である。「正解」と大きな声で言う。

★ 日本では昔からこのようにお供えをして、お月見をすることが行われ てきました。今から200~300年ぐらい前の江戸時代は、一回だけではなく、3回もしていたそうです。
  俳句にこのお月様のことを詠む人もいました。
 「名月や池をめぐりて夜もすがら」(松尾芭蕉) というようにです。

 ちなみに15日ではないのになぜ十五夜と疑問を持っている子もいるかも知れない。そう言う子には、旧暦の8月15日ということを教え、太陰暦と太陽暦の話をしてもよいであろう。

★ 使い終わったススキは捨てない地方もあるそうです。庭や門や田んぼに刺すそうです。何のためにそうすると思いますか。
 
 「どろぼうを防ぐ」「縁起をかつぐ」「もったいない」「魔よけ」といった答えが出てきた。

★ 答えは魔よけです。イネがススキのように丈夫に育つようにと願いを込めたのです。
  私たちの祖先は、実りの秋に感謝をして、食べ物をお供えしてお月見を楽しんできました。今日は昔の人のようにお月見をしてみませんか。

  ちなみに、この反応は5年生のものである。
 今、お供えをして月見をする家は本当に少ないようである。今回話した内容は、「初めて知ったことばかりだった」という反応が多かった。

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■ このような5分間話のネタをいかに自分のものにするか。
  今年度は、月に2~3本のペースでホームページに掲載を始めた。
  「お花見の由来とその歴史」「異国の孤児に捧げる愛」「小学校時代の思い出はランドセルと共に」といったテーマで今まで書いている。
  月に2~3本でも、1年間継続をすれば30本程度の「5分間話」が自分の財産となる。自分の知識も増える。
  知の世界が広がることは、自分にとっても 大きな楽しみである。
  「5分間話」のための「ちょっとした教材開発」は、子供たちのためになると共に、私個人のためにもなるものなのである。

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連載 私の教材開発物語 第6回

     「メディアリテラシーの視点を深める」


■NHKテレビ教育番組「体験!メディアのABC」(2001年の原稿)

 「体験!メディアのABC」というテレビ番組をご存知だろうか。小学校5・6年生向けの、初めての本格的なメディアリテラシー教育番組である。メディアリテラシー教育となると、教材の準備が大変であった。しかし、この番組の登場により、その大変さは大幅に解消される。それぐらい画期的な番組と私は思っている。
 今年度、この番組の実践協力員になった。番組を活用して、実際に授業を実践し、その報告を行うのである。
 私は一回目の「映像の合成」を担当した。4時間で合成写真を体験するというものであった。
 この学習での子供たちの意欲は相当のものであった。授業後でも合成写真を家庭学習ノートに貼りつけてくるほどであった。

■ テレビの合成映像で教材開発できないか?

 先の合成写真の授業というのは、合成写真を作成するだけではない。作成した上でメディアリテラシー的な視点を育てることをねらいとしている。
 子供たちの意欲ぶりを見て、ふと頭にひらめいたことがあった。「合成写真」だけではなく、「テレビの合成映像」も活用して、さらにメディアリテラシー的な視点を深めることができないかと。
 一つの小単元は終わっているが、それにプラスアルファとして、追加の授業を行ってみたいと考えたわけである。
 テレビの合成映像は子供たちにとってはおなじみである。しかしながら、ふだんは何げなく見ているに過ぎない。そこにスポットを当てるわけである。

■ 二つのコマーシャルを比較させる

 テレビの合成映像として目をつけたのはテレビコマーシャルである。子供たちが実際に見ている可能性が高い。しかも、おもしろい内容のものが多い。さらには一本が短く15秒のものが多い。教材としてうってつけである。
 「子供たちに人気のある合成映像のコマーシャルを見せ、それを分析させ、その効果を考える」……そんな授業を最初は考えた。
 しかし、それではどうも深まりがない。子供たちの食いつきもそれほどではないと予想できた。どうしたらいいか。

 そこで考えたのが、「2つの商品(同種類)の合成映像コマーシャルを比較する」ということである。
 商品はドリンク剤。一つのドリンク剤のコマーシャルは、合成映像で小さくなった外国人が、サラリーマンとコミカルな会話をするというもの。もう一つのドリンク剤のコマーシャルは、元日本代表のサッカー選手が燃えているボールを蹴る(合成映像)というもの。暗い映像と独特の歌が特徴的である。

「同じドリンク剤なのに、どうしてこんなに雰囲気が違うのか」
「合成映像を活用して、それぞれどんなイメージを出そうとしているのか。」
「何のために、このような合成映像を使ったコマーシャルを作ったのか。」

 こんな視点から、子供達のメディアリテラシー的な視野を深めることができるのではないか。そう考えた。

■ 授業の様子

 実際の授業は次のような流れであった。

★単元名「合成映像CMの秘密をさぐろう!」
★授業のねらい  CMの分析を通して、合成映像他の効果について考え、CMに対する見方を深めることができる。

★本時の流れ
1 子供たちに人気CMについて発表を聞く
・ CM人気アンケート結果を発表する。合わせて、合成映像が使われているCMについて確認をする。
・ そのCMについて、CM観察日記を書いている子の日記を紹介する。

2 二つのCMについて、分析をする
 ・合成映像だけではなく、その他の工夫について考えさせる。
★1本目のCM
 人気NO.1のドリンク剤のCM。小さい人がいて、サラリーマンの人と会話をするもの。シリーズ物となっている。
「思ったこと、気付いたことは何ですか。」
・ どうしてあんなに小さくなるのか 
・ どうやったら小さくなるのか不思議 
・ なんで普通の人と小さい人を組み合わせているのだろう
・ 人を小さくするのはいい工夫
・ だれが見ても合成映像ということがわかる
・ みんなが見たくなるように工夫している
★2本目のCM
 同じくドリンク剤のCM。独特の音楽で有名サッカー選手が炎のついているボールをけるもの。
「思ったこと、気付いたことは何ですか。」
・ なぜボールが燃えているのか
・ 曲がとてもおもしろい
・ コマーシャルの商品と関係がない 
・ おりみたいなものをボールで破るのがおもしろい(合成)

3 CMで合成映像等の工夫を使う効果について考える
 「合成映像だからできることは何ですか」
 「それはどんな効果がありますか」
 「これらはどんな感じの商品だと思いましたか」
といった発問で深めた。
 ちなみに、どちらも同じ種類の商品。なのに、こんなにCMのイメージが違う。そのことを子供たちは興味を持って発言していた。

4 CM制作者の意図について考える
 「何のためにこんなコマーシャルを作っているのでしょうか」
・ おもしろくて、みんなに噂されてできるだけ、多くの商品を買ってもらうため。
・みんなに注目してもらうため
・ 商品を広めるため 
・ 流行をつくるため

5 授業の感想を発表して授業を終える。

■ 今度は発信型でメディアリテラシー授業を

 この授業で子供たちは、次のような感想を持った。
「合成映像は、私たちがひきつけられつい注目してしまうものばかりだなあと思いました。それに私たちを楽しませてくれる事も分かりました。」
「合成映像は、商品を買ってもらうために作っていることがわかった。そしておもしろい。」
「合成映像は商品がうれるようにという願いが込められいるんだなあと思ったし、同じのみものでもかっこいいし、おもしろいし、いろいろ個性があるんだなあと思いました。」

 子供たちの合成映像の見方が深まったことがわかる。
 現在は、分析するだけではない「発信型」のメディアリテラシーの教材開発を構想中である。実際に自分が発信する立場に立つことによって、メディアリテラシーの見方がより深まると思われるからである。

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2016.06.17

第2回 0から学べる社会科授業セミナー

この3月の1回目に続いて、2回目が開催されます。
今までのメンバーに加えて、吉水先生、河原先生も講師をされます。
来年の3月ですが、予定に入れておいてください。
申込みはこちらです。

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第2回 0から学べる社会科授業セミナー

テーマ・・・小学校と中学校をつなぐ「楽しい」社会科授業づくり

2017年3月19日(日)
場所 同志社大学今出川キャンパス
主催:楽しい社会科授業づくり研究会

(予定)
9:30受付 10:00スタート
16:30終了予定

講師 吉水裕也(兵庫教育大学)
   河原和之(立命館大学)
   佐藤正寿(岩手県公立小学校副校長)

実践提案
   丸岡慎弥(大阪市立小学校) 他

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今年度も第2回0から学べる社会科授業セミナーを行います。
「0から学べる小学校社会科授業」の監修者である吉水裕也先生と、社会科授業で大変著名な河原和之先生、そして、楽しい社会科授業づくり研究会のメンバーでもある佐藤正寿先生をメイン講師に研修会を予定しています。詳しい内容は11月以降にお知らせいたしますが、講座あり、実践提案あり、模擬授業ありの盛りだくさんな研究会になろうかと思います。どうぞご参加ください。

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2016.06.16

第5回有田和正継承セミナー 8/20

第5回有田和正継承セミナーが8月20日に東京で開催されます。
今年も古川先生とご一緒させていただきます。
有田先生のことをあれこれお話をしたいと思います。
お近くの方、ぜひどうぞ。
申込みはこくちーずです。

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「授業の名人」の一人であり、「教育界の巨星」と言われた有田和正先生が2014年5月にお亡くなりになりました。多くの教師が有田先生に学び、その背中を追ってきたことと思います。
今回は、有田実践・有田哲学の継承を目的とし、有田先生に長年学び続けてきた古川先生、佐藤先生からご講演をいただきます。有田先生と親交の深かった2名の先生からお話を聞ける貴重な機会です。有田先生との秘話なども聞けるかもしれません。
有田先生について大いに語り、先生の遺志を皆様で継承していきましょう。たくさんのご参加、お待ちしております。

【日時】 平成28年8月20日(土)11:00〜16:30

【会場】 教育同人社

【参加費】 一般3000円/学生2000円

【参加人数】 先着30名
【日程】
10:45〜11:00 受付
11:00〜11:15 開会行事
11:15〜12:00 第1講座 古川光弘先生「自由じゃないと教育は進化しない!有田社会科は 自由である」
12:00〜13:00 休憩
13:00~13:45 第2講座 佐藤正寿先生「有田先生の楽しい教室づくり」
13:55〜14:40 第3講座 古川光弘先生「有田検定~有田和正語録から学ぶ教師修業」
14:50〜15:35 第4講座 佐藤正寿先生「教師力を高める~有田先生の教材開発から学ぶ~」

15:35〜15:40 休憩&シェアタイム
15:40~16:25 対談型Q&A
16:25~16:30  閉会行事

【懇親会】
17:30より
会場近くにて
会費4000円程度

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2016.06.15

偶然が重なる

3週間ほど前にこんな記事を書いた。

教師を目指しているという教え子と偶然に会った話である。
その教え子が実習終了も間近なはず…と思い、自分の著書を届けようと自宅を夜に訪問した。
予約なしだったので、その教え子はおらず、保護者と久しぶりにお会いしあれこれ雑談。
その中で、「実は兄(この子も担任した)が今日だけ帰ってきているのです」とのこと。
翌日の資格試験のために帰省しているとのこと。しかも、その試験を終えたら明日は帰ってしまうとのこと。これも偶然である。こちらも久しぶりにお会いし、逞しくなっていることを嬉しく思った。

「小学校の時に、キーボード操作を学校で学び、それがあとで役立ちました」と言われて、「そうそう、『キーボー島』を熱心にしていたなー」と懐かしく思い出した。情報教育の世界に遅れまいと学び続けていたころだ。13年前に取り組んだプラスの結果も知ることになった。

実は、その子と同じ学級の子たちと会う偶然がこのごろは続いた。
・小学校に5年生の環境学習で市役所のスタッフとして訪れた一人
・新幹線駅で教え子と会う。母親とも。学年PTAでも大変お世話になった
隣接校にいた3年間でこのような偶然は少なかったが、現任校に赴任して短い期間に何人もの担任した教え子と会っている。やはりかつて勤務した学校だから…と思わずにいられない。

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2016.06.14

昼の放送プレゼン

本校のテレビ校内放送で「先生方へのインタビュー」が行われている。
先週トップバッターグループとして、私自身も放送委員会から「インタビュー」を依頼された。
その時に考えていたのは、次のようなこと。

・単なるインタビューにしないで、「モノ」を準備する。
・クイズを組み入れて、インタビュアーとやりとりする。
・ちょっとしたPRを入れる。

インタビュー内容は「1 この学校でがんばりたいこと」「2 好きな給食メニュー」「3 小学校時代の思い出」である。
上の内容に照らし合わせて、次のような紙プレゼン(これがモノの代わり)をした。
それぞれのインタビューに対する答えを記録のために掲載。

〇1 この学校でがんばりたいこと
→子どもたちを勉強好き(特に社会)にすること。社会はおもしろい。おもしろ地名クイズで子どもとやりとり

〇2 好きな給食メニュー
→地元奥州のはっと汁。給食の先生方ががんばって作っている。これらの写真は学校ブログに掲載というPR

〇3 小学校時代の思い出
→札幌オリンピック、ミュンヘンオリンピックでの日本選手の活躍。今年もオリンピックイヤー。そして2020年は東京オリンピックというPR

この放送に対して、その日のうちに何人も先生方から「おもしろかったです」と声をかけられた。これは今までの経験でもあまりない。取り組めば取り組んだ分の価値があるのだ。

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2016.06.13

今年もブログで速報

先週の木曜日、金曜日は本校の修学旅行だった。
自分は行かないが、学校ブログ担当として、修学旅行の様子を速報しようと思っていた。
前任校でも行っていたことであるし、近隣校でも行っている。
ただ、自校では今まで行っていないので、初ということになる。

現地から画像を送ってもらい、それに簡単なコメントをつけてアップするというもの。
2日間で9回更新をした。1回について画像は4~5枚ほど。保護者にはメール配信システムでお知らせをする。

すると、ふだんよりも3~4倍ものアクセスがあった。
おもしろいのは初日よりも2日目の夕方以降のアクセスが多いこと。
これは子どもたちが帰ってから、保護者と一緒にブログを見て、あれこれ話をしているのではないか…と推測する。
お土産話の役にも立っているのなら嬉しいことである。

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2016.06.12

私の教材開発物語第3回・第4回

【ホームページ移行のためのリバイバル掲載です】

連載 私の教材開発物語 第3回(2001・5)

 「地域の『元気』を探す ~イワガキ養殖の教材化~」  
                       
■大いなる楽しみ・教材開発のスタート
 
 5年生社会の水産業の単元。
 我が町宮古を素材にできる単元である。
 「港の様子」「働いている人々の様子」「宮古の水産業の現状」といったように、素材は一通りある。

 「きっといろいろなおもしろい事実と出会うであろう」と期待をこめて単元に入る3週間ほど前から、下調べを始める。これが、私にとって大いなる楽しみである。
 調べることによって、新しい発見がある。自分の知識も広がる。実際にいろいろな人と出会って、その人から感動を分けてもらうことができる・・・・今までの教材研究でそのような経験を繰り返してきた。
 その感動が次回の教材開発への意欲につながる。
 この水産業の時の教材開発もそんなことを期待して、行動を始めた。
 まずは、入手できる資料で調べる。漁協のパンフレット、宮古市の資料、インターネット資料と簡単に入手できるものから始める。以前からとっておいたものもある。市の広報紙である。「その日」に備えていろいろとストックはしている。とにかく、いろいろと目を通してみた。

 しかし、調べれば調べるほど、宮古の水産業の現状は厳しいということがわかった。
 漁獲高の減少、そして働く人の減少。あまり景気のいい話はない。
そもそも市全体も元気がない。進む一方の過疎、水産関連の工場の倒産も耳にしている。
 初めて宮古に来て2年あまりの時のことであったが、水産業業界の厳しさを資料から改めて感じた。

「この現状は現状である程度、教えなければいけないであろう。」と思いつつ、「でも、それだけで終わってしまっては、子供たちは『宮古の未来は暗い』と思うだろう」と考えた。

 地元宮古の水産業で誇れるものはないか。
 宮古の水産業のために、工夫して働いている人はいないか。

 今度は、その視点から教材探しを始めた。
 
■飛び込んできた新聞のタイトル

 宮古の水産業で有名なのは、サケである。市でも宮古を「サーモン・ランド」と呼び、いろいろなイベントを展開している。
 最初は、宮古の誇りをこのサケにしようと考えた。サケの漁獲高を高めるための努力も行われているし、いろいろな商品化もさかんだ。
「サケの中骨」という缶詰やサケの皮の財布も作られている。実物を示せば子供たちは、食いついてくるであろう。
 また、サケ博士で有名な方を教室に呼ぶこともできる。
 そんな授業展開が構想できてきた。

 ところが、あと1週間ぐらいで単元に入ろうとしていた時、何げなく職場で見ていた地元新聞の記事が目に入ってきた。「イワガキ養殖へ推進協」(岩手日報・2000年5月19日朝刊)というタイトルの小さな記事である。
 ふだんだったら見逃すかもしれない記事なのに、水産業の教材開発をしていたからだろうか。タイトルが目に飛び込んできた。
 教材開発をしている時はそんなものである。ふだんは見逃すものでも、見えてくることがある。だから、より多くの教材開発テーマを教師自身が常に持っていることが大切なのであろう。

 さて、イワガキの記事である。
 日本海が主産地のイワガキを、太平洋で4年前から養殖試験を始めており、ある程度出荷できるようになってきた。イワガキの養殖技術の確立と普及を図るために推進協議会を設立するというものである。
 宮古にとっては、間違いなく明るい話題である。
 読んだと同時に、「これは教材になる!」と直感した。

■教師の「驚き・感動」が出発点

 サケの構想はひとまず置いて、さっそくイワガキについて、インターネットで調べ始める。私自身がよくわからないからだ。
 次々とイワガキ出てくるイワガキの通信販売。
 そこを読むと、いろいろな事実がわかってくる。

・イワガキは主に夏場で獲れること
・冬のマガキに比べ粒が大きく、高価格で取引されること
・日本海側が主産地であること(通信販売業者さんは日本海側の地方ばかり)

 太平洋側では、ほとんど獲れないイワガキ。きっといろいろな条件あってそうなったのだろうと予想する。
 それでいながら、我が宮古ではイワガキを養殖しようとしている。いくら高価格で取引できると言っても、成功しなければ意味がない。でも、その困難なことにチャレンジしようとしている人がいるのだ。
 そう思うと、取り組んでいる人の話が聞きたくなった。
 すぐに宮古漁協に電話する。翌日、担当している水産研究所に授業を終えてからすぐに取材に伺った。
 担当は芳賀さんという30代の方である。
 こちらが質問をする事に、自信を持って語ってくれる。
 次のようなことがわかった。

・イワガキ養殖に取り組むきっかけは、利潤をあげたい、名産にしたい、新しい活動に取り組みたいという理由だった。
・日本海にしかいないと思っていたイワガキが、岩手県沿岸にも分布していることが県の調査でわかり、本格的に取り組めると思った。
・養殖を始めての4年間は試行錯誤の連続だった。太平洋側で取り組むことの困難さを感じた。
・しかしながら、ようやく試験出荷できる段階になり、自分も期待している。

 これらの話は驚きと感動の連続であった。
「身近なところ(水産所は学区にあった)に、このようなパイオニアがいる」という感動である。
 どんな時代、どんな場所にも、新しい道を開く先人がいる。芳賀さんは、その人だと感じた。
 「このイワガキは元気の出る教材になりうる」ーそう考えて、教材化することにした。

■「元気の出る事実」を教材化する

 「元気の出る事実」をどう教材化するか。
 ここからは教師の腕である。
 ポイントと具体的な取り組み方法は次のようにしようと考えた。

☆日本海が主産地のイワガキを太平洋で養殖しようとしている価値→主産地の地図と宮古での養殖に関わる新聞記事を資料として追究させる。
☆イワガキ養殖の試行錯誤の物語→芳賀さんから借りた写真や資料から追究させる
☆実際にイワガキ養殖に取り組んでいる人々の誇りと願い→芳賀さんにゲスティーチャ―として、教室に来ていただき、話をしていただく。

 結局、私自身の取材した過程そのものの再現が授業となった。
 2時間の授業で、子供たちは、宮古でイワガキを養殖して育てることに共感したようであった。「宮古でもこういうことに取り組んでいると思わなかった」「イワガキの養殖が、これからの宮古に大切なことがわかった」「この養殖のことを、もっと全国に伝えればいいのにと思った」といった感想を書いていた。
 
 ちょっとした新聞記事からスタートしたこのイワガキ養殖の教材化。この例から、私は「地域の元気な事例」を探し出す意義と楽しみを学んだ。この教材開発から1年が過ぎた今も、「地域の元気さがし」は続いている。

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私の教材開発物語 第4回 (2001・6)

 「家庭科情報リテラシーを高める」  
                       
■消費者教育における家庭科情報リテラシーの必要性

 消費活動に関する情報は、子供たちにとって身近なものである。
 事実、子供たちは日常生活の中で、お菓子、衣料品、玩具類等、様々な消費活動を行っている。また、そのような消費活動を促進するテレビコマーシャル、雑誌等での宣伝も盛んである。
 そんな状況の中で、子供たちに「情報リテラシー(情報を読み解く力)」が必要と考えた。情報を、自分なりの見方で適切に生活の中に取り入れ、判断をし、消費活動の意志決定をするようにさせたいのである。

■何を教材化するか

 方向性が決まれば、次は何を教材にするかである。
 子供と同じ視点を持つために、スーパーに入り、お菓子コーナーやおもちゃコーナーをのぞく。ふだんはあまり行かないところである。実際にスナック菓子をとってみる。パッケージには実に多くの情報が書かれている。
 その時にふと思った。「子供たち自身は、このようなパッケージの情報を見ているのかな・・・」と。もし、情報を見ている子が少ないのであれば子供たちの視野を広めることができるのではないか。
 さっそく、実態調査である。(5年生)
 子供たちに、「あなたは、パッケージをよく見てから商品を買いますか」と聞く。3割ほどの子が「そうだ」という反応。残りは、「あまり見ない」ということであった。
 むろん商品にもよるであろう。高価なおもちゃなどは一生懸命に読むに違いない。でも、日常の中ではパッケージにはそれほど注目をしていないということは事実のようである。
 そこで、商品のパッケージに着目させ、情報リテラシーを高めさせようと考えた。

■ 実践例「発見!パッケージの秘密」

 実際に行った1時間の授業を紹介する。

 教室にズラリと並んだ商品のパッケージ。お菓子の袋、カレー粉の箱、空き缶等々。子供たちが家庭から持ってきたものである。
 それらを最初に紹介をする。「あっ、それ食べたことがある」「へえ~、そんな物もあるんだ」と子供たちは興味深そうにパッケージを見つめる。
 そこで、子供たちに言う。

 いろいろな商品のパッケージを見て、わかったこと、思ったことを書き、発表しなさい。

 さっそく、実際にパッケージを手にして分析する子供たち。次のようなことに気付いた。

★わかったこと、気付いたこと
・中に入っているものが書いてある  ・保存方法がある  
・注意書き(してはいけないこと)が書いてある 
・作り方がくわしく書いてある  ・一口メモもある  
・メーカーがわかる ・栄養やカロリーがわかる 
・賞味期限が書かれている  ・量がわかる  ・原料がわかる 
・どこの国から来たものかわかる 
・おまけのプレゼントを書いている  
・お客さま相談室の番号が書いてある  
・ホームページや会社の住所が書かれている  
・調理例がある・・・・等

★思ったこと
・栄養のことが書かれているのは、食べる人のことを考えているんだと思った。
・消費期限が書かれているのは大事なことと思った。
・実際にものの写真があると、その中身がよくわかる。
・いいことをたくさん書くと買ってもらえる可能性が高いのでは。

 たくさん出たところで、子供たちに「これらの情報がもしパッケージになかったら、どんなことが困りますか」と聞く。
 「商品の苦情が言えない」「作り方がわからなくて困る」「いつまで大丈夫な食べ物か分からない」等、これまた多くの反応が出てくる。
 パッケージの有用性について、少しずつ子供たちは感じとってきた。

 では、それらのパッケージの工夫には、どんなよさがあると言えますか。

 改めてパッケージの情報を得ることのよさを問う発問である。子供たちからは、次のような反応が出てきた。

・作り方が書かれていると初めて買う人にとっても大丈夫だ。
・注意点があると危険がない。
・買うときに安心する。(賞味期限等)
・自分が商品を買うときの目安になる。
・会社名や電話番号があれば、品質を保証していることになる等

 このように子供たちの視野は広がった。
 しかし、パッケージの情報にも「買わせるため」の誇大宣伝の例もある。そこで、子供たちに「パッケージを見て買ったけど、失敗
した点はありませんでしたか。」と聞き、例を出させた。
 よさと同時にこのような視点も必要である。
 最後に、「あなただったらパッケージを見て、これからどんなことに気をつけて商品を購入しますか」と問い、自分なりにまとめさせて授業を終えた。
 子供たちは、この授業で次のような感想を持った。

・はじめてよくパッケージを見ました。いろいろな事がわかりました。栄養もわかるし、どこで作ら れたかもわかるから、パッケージはいろいろと便利だと思いました。
・パッケージがあるといろんなことが分かって、役に立つことがわかりました。今度から、カロリーや作り方をちゃんと見て、おいしく食べたいと思います。
・いつもあまり気にかけていなかったパッケージも意外にとても大切だったと改めて思いました。これからはよく読みます。
・パッケージというのは、私が考えているよりも重要な役割があることがわかった。特に、保存方法や会社名などの意味がわかった。

 感想からわかるように、子供たちのパッケージに対する視野が広がる授業となった。

■ 今年はラベル作りにチャレンジ!

 先の授業は昨年度のものである。
 今年、連続して5年生を担任している。現在、家庭科の授業でフレンチソース作りをしている。そして、作るだけではなく実際にビンに入れ、ラベル作りをさせようと考えている。
 実際にラベルを作るには、当然分析が必要である。実際のドレッシング商品のラベルを見て、次のようなものを書くことに決めている。

・引きつけられる商品名 ・楽しいデザイン ・注意事項
・原材料名 ・重さ ・バーコード ・その他の自分なりの工夫

 どんなラベルになるか、今から楽しみである。

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2016.06.11

私の教材開発物語第1回・第2回

【ホームページ移行のためのリバイバル掲載です】

連載 「私の教材開発物語」第1回
     「やはり、有田先生から始めます」(2001・3)
    
1 出合い
  「先達に学ぶ」ということは、どのような場合でも大切と言われる。こ れは、教師の世界でも同様である。
  有田和正氏。筑波大学附属小学校教諭、愛知教育大学教授を歴任 されて平成11月の3月にご退職された。私にとっては、教材開発その ものについて目を開かさせてくださった大恩人である。今もご講演や飛び込み授業で全国を行脚され、有田ファンも全国に多い。私もその一人である。

  教師になって2年目。初めて講演を聞く。それは衝撃的な出会いであった。
  子どもを見る目の大切さ、子どもの意欲をどう育てるかについて熱弁をふるってくださった。それもユーモアたっぷりにである。まさに名講演。「自分も何かをしたい」という気持ちにさせられるようなすばらしい講演だった。特に、「新たな教材開発を」という言葉が鮮明に記憶に残った。 

  教師になって3年目。多くの著書を読んでいくうちに、「やはり氏の授業をみなければならない。氏が鍛えた子どもたちを見なければならない。」と感じ、東京の有田学級(当時:筑波大学附属小学校)に参観に出かける。
  授業が始まってからは、子どもたちの熱気ある発表ぶりに圧倒されっぱなしであった。3年生の社会科。教師が問いを発するたびに、次々と自説を主張する。「教師に対しても論争を挑んでいる・・・」そんな感じに映った。
 「どうしたら、あれほど表現力のある子たちが育つのだろう」
 「どうしたら、あれほど調べてくる子たちが育つのだろう」
  その疑問のカギはやはり教材開発にある気がした。
  ここから、本格的な私の教材開発が始まった。

2 ポイントは「視点のユニークさ」と「楽しさ」
  それまでにも、身近に教材開発をしている先生はいたし、公開授業でも教科書にはない教材に取り組んだ授業を見たこともあった。しかし、正直言って魅力がなかった。
  ではなぜ有田先生に惹かれたのか。それはやはり教材開発の視点のユニークさにある。講演では、一つの教材についてのおもしろ話が次々と出てくる。「よくこんな視点で考えることができるなあ」「この目のつけどころはすごいなあ」・・・今も年に数回、有田先生の講演を聞くたびに思う。
  そして、その語る様子はいかにも楽しそうである。まるで教材開発する過程そのものが人生での道楽であるかの如くだ。事実、個人的な旅行の最中でも、おもしろい教材があるとつい「取材」をされるというお話を伺ったこともあった。
  
  そのような有田先生から学んで十数年。いつの間にか私も、教材開発をすることが「楽しみ」になってしまった。次号から具体的な教材を紹介する。

連載 私の教材開発物語 第2回(2001・4)

 「『もの・こと・ひと』で考える ~チリ地震津波の教材化~」 
                        
■「もの・こと・ひと」という視点

  「これはおもしろいネタだ。」
  いろいろな場面でそう思うことがある。しかし、そのままではそのネタはあくまでも素材にすぎない。その素材をどう教材化す るか。それが教材開発の楽しみである。
  その教材化の視点として私が基本的に設定しているのが、「もの・こと・ひと」である。

  □どのような「もの」(子供たちが追究できる実物や資料)があるか。
  □どんな「こと」(学習内容)があるか。
  □関わりのあるどのような「ひと」がいるか。

  私が勤務する宮古市立高浜小学校は海の見える小学校である。
  教室から眺めるその景色はまさに絶景である。その海では、古くから牡蠣漁、潮干狩り等が行われており、海の恵みを受けている。
  一方、その海は過去の歴史では、「恐怖の海」でもあった。津波が襲ってくるからである。学区では、昭和35年のチリ地震津波で壊滅的な被害を受けている。
  この津波を総合的な学習の対象にしたいと考えた。そして、先の「もの・こと・ひと」の視点で教材化しようとした。

■どのような「もの」があるか

  どんなにおもしろいネタでも、子供たちが興味を示し、追究するに値するような実物や資料がなければ授業では扱うことができない。
  それがこの場合の「もの」である。

  昭和35年のチリ地震津波やいろいろな津波に関わる資料は、数多くあった。特に、地元自治会が編集した冊子の中にあったチリ津波地震の被害の様子を写した写真は、子供たちに津波について考えさせるのにインパクトがあるものであった。
  また、現在取り組んでいる防潮堤作りの見学や市の消防署の津波対策の資料といったように、子供たちが追究できるものもある。これによって、子供たちなりの「津波防災プラン」もできそうだ。

  しかし、写真や資料よりも、より強烈なのは直接体験であろう。
 むろん津波を直接体験をすることは不可能である。ただ、その威力を擬似的に想像できる「もの」はないだろうか。そう考えた。
  そこで思いついたのが、簡単な実験である。
  大きめの水槽、土、砂、水等が使う「もの」である。水槽の中に、津波の被害を受けた宮古湾と似た地形を土と砂で作る。そこに水を入れる。そして、水槽を持ち、地震と同じような揺れを起こす。
  これで、ミニチュアの津波シーンが再現できるのはないかと考えた。

 ■どんな「こと」があるか

  津波や地震のような防災教育の場合、多くの例は「その怖さを伝えていくこと」に主眼が置かれている。
  これは当然である。それがメインの「こと」(学習内容)になる。
  このチリ地震津波の場合もそうだった。

  しかし、学習を進めていくうちに、Aさんという津波体験者が書かれたある文章が目に飛び込んできた。
  それは、「津波の恐ろしさ」だけではなく、津波の後に奉仕活動に取り組んだ中学生・高校生のこと、助けてくれた神父さんのこと等、「大変な事態の中での助け合い」「人間のすばらしさ」について書いたものであった。
  チリ地震津波は、昭和35年である。今とは違って情報量も少なく、ボランティアもシステム化していない時代である。そのような人々の励ましによって、高浜は復興する。
  それらはまさに「人間の誇り」「地域の誇り」である。
  「津波の怖さを伝える」という「こと」の他にも、「助け合った人々」というもう一つの「こと」が、この総合的な学習での中心となったのである。

 ■どんな「ひと」がいるか

  この教材に関わる人はいろいろと思われた。
  「津波体験者」「津波についての専門家」「津波対策の仕事に取り組んでいる人」等である。
  事実、資料を調べると、数多くの人が宮古市内にいることがわかった。単元に入る前に、津波体験者、防潮堤作成に関わっている人、消防署の方等から、電話で話を伺ったり、資料をいただいたりした。

  この中で、一番子供たちの学習に強い印象を与えそうなのが、やはり津波の体験者と思われた。子供たちも、単元の1時間目にチリ地震津波の写真を見せた時に、「津波にあった人の話を聞きたい」と言っていたことも、その理由である。
  子供たちの家族で体験者がいないかどうか聞く。祖父母を含め半分近くの家で体験者がいることがわかった。
  同僚にも聞く。地元の老人クラブの皆さんがお勧めだということであった。(今までも学校でお呼びしたことがあった。)
  このように体験者はいたものの、「決定的」という方はいなかった。

  再度、津波関連の「もの」にあたった。
  市立図書館に出向き、チリ地震津波関係の冊子を幅広く探す。
  すると、地元のミニコミ誌のバックナンバーに、先の「こと」で述べたAさんの文章が目に入ってきたのである。
  「津波の怖さ」だけではなく、極限の中での 「人間の誇り」「地域の誇り」といった「プラス・アルファ」の世界に、子供たちの視野を広げ ることができる・・・そう考えた。

  事実、Aさんをゲスト・ティーチャ―として招いた時には、事前に子供たちに、「津波の怖さだけではなく、大変な中での助け合いの話を聞いてください。」と言っていたので、その面でも多くの質問が出た。

 Q「中学生や高校生はどんなふうに助けてくれたのですか。」
 A「5~6人で1軒の家をそうじしてくれました。かべをふいたり、衣類を洗ったりしてくれました。子供たちが、がんばるのを 見て私たちもがんばらなければと思いました。」
 Q「神父さんに助けてもらったと作文に書いていましたが、どんな感じだったのですか。」
 A「神父さんは、スイスから多くの衣類を送ってくれました。その時代に外国の物が届いたことに驚きました。その中に、ブルーのガウンがあり、ずっと大切に使わせてもらいました。ガウンと同じ色の目をした神父さんの笑顔も忘れられません。」
 Q「助けてもらった時の気持ちはどのようなものでしたか。」
 A「本当にありがたいという気持ちでした。いつか恩返しをしようと思いました。」

  このような話を聞いて、「こんなにいっぱいの人に助けられたのを知ってびっくりした」「いい話をぼくたちも伝えたい」とい った率直な感想を子供たちはもった。
  「ひと」から学ぶメリットは、「リアリティの凄さ」に触れることである。
  そのよさが出たゲスト・ティーチャ―との授業になった。

 ■最終的にはこのような総合的な学習に

  「もの」「こと」「ひと」の観点で教材開発で、最終的には、次のような単元構成となった。

  □単元名「伝えよう!津波のことを」(全13時間)
  □主な学習活動
   ・津波被害の写真からの話し合い
   ・津波のメカニズムの実験
   ・過去の津波の歴史や被害についての資料収集
   ・津波体験者からの聞き取り
   ・津波を防ぐしくみの調査と自分たちの防災プランの作成
   ・津波のことを伝える発信活動

  「もの」をフルに使い、「ひと」から直接大事な「こと」を子供たちは学んだ・・・そんな総合的な学習になったと思っている。

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2016.06.10

第2回授業UDカレッジ

第2回目の授業のユニバーサルデザインの申込みが始まっています。
学会員やメーリングリスト会員の先行申込みが始まり、本日からは一般の方も申込みができます。
詳細および申込みはこちらからです。
以下、概略です。

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第2回授業UDカレッジ申し込み

〇日時・会場

2016年9月17日(土)・18日(日)
筑波大学附属小学校(東京都文京区大塚3-29-1)

〇会費

1日参加  6,000円(正会員)     
      7,000円(正会員以外の方)
2日参加 12,000円(正会員)     
     14,000円(正会員以外の方)
*当日、受付にて、現金にてお支払いください。

受付終了は、ホームページよりご確認ください。
*必ず、お一人ずつお申し込みください。
*当日の参加申込はできません。
*各日、コースでの受講となります。講座毎の選択はできません。
*1日目、2日目と別のコースを受講できます。
*両日行われる講座の内容は同一です。

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2016.06.09

地域の誇りが伝わってくる

先週から地区懇談会を行っている。
前任校はなかったので、3年ぶり。
6月中の平日の夜に全部で12ケ所で行うが、6ケ所に自分は参加。
PTA会員のみならず、自治会役員といった地域の方々からもお話を伺える貴重な機会である。

1回目は、学区で昔から日高火防祭を続けている地域。
自治会の皆さんから地域の誇りや伝統を守りたいという皆さんの思いを強く感じた。
これは本校学区の特徴であろう。

担任時代、自分も伝統あるこの地域を子どもたちが誇りに思ってほしいと感じ、総合的な学習の時間であれこれ取り組んだことを思い出した。
4年生の時には先のように地元の祭り「日高火防祭」を、5年生の時には「水沢自慢CMを作ろう」ということで、武家屋敷、地元の神社、老舗の御菓子屋、有名な松の木のある家等々、ビデオCMにしたことを思い出した。(これは助成をいただいた取り組みだった。)

子どもたちもそういう学習をしたことは、きっと覚えているだろう。
あれこれチャレンジできた時代の幸せを思い出した。

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2016.06.08

6年生で社会科授業

担任時代だったなら、全く記事にならないタイトルである。
しかし、今の自分の立場でこのようなことができるのは、有難いことである。
担任が一日出張、補欠授業の人員も限られているということで、教務さんに申し出をして6年生の学級に入らせていただいた。

・授業に入ることで子どもたちとの距離が縮まる(日常で子どもたちと接する機会は限られている)
・学級の雰囲気を知ることができる(担任のよさも)
・今回は復習で木簡のレプリカを提示。大人以上の反応がやはりあり、楽しかった。
・デジタル教科書活用も進んだ
・授業の腕を鈍らせないためには定期的な授業実施が必要…等々

わずか45分だったが、実に多くのことを感じた。
本校の先生方は様々な事業の委員になっていたり、積極的に研究会の公開参加を希望されている。
それは学級を空けていくということ。自分が補欠授業をするチャンスも増えそうである。

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2016.06.07

つぶやきより

フェイスブックでのつぶやきです。

・家にいながら、断続的に地元の社会科研究会の連絡。事務局を昨年度から後輩にやってもらっている。昨年度は前年度踏襲だったが、今年は新たな企画を打ち出してきた。いくつかのアドバイスをしながら、メドをつける。「事務局の仕事は楽しいです。ワクワクします」というメールも受けた。頼もしい後輩は刺激になる。

・8年間続いた新聞地方版のエッセー。「新聞の紙面編成で6月が最後の原稿になります」と連絡を受けた。年間4~5回だけの執筆なので、負担感なく気楽に書かせていただいた。新聞だけに「読みました」と直接言われる機会も多かった。そのようなことがなくなるのは少しさびしいが、いつかは区切りと思っていたので、よい機会とも言える。

・転勤してやってみたかったことの一つ、自転車出勤。天気があまりにもよかったので、本日ようやく試してみる気になった。以前本校に勤務していた時以来。今日はまさに「薫風」。自転車だと季節を実感する。

・他校で会議。帰りに何げなく、その学校の靴箱を見ると、「実習生〇〇〇〇」という名札が。9年前に担任した子の名前。慌てて会議室に戻って副校長に確認すると、教育実習で来ているという。職員室で呼び出してもらい、久しぶりの再会。中学校の数学教師を目指しているとのこと。がっちりと握手をして別れた。プール掃除で疲れた体が一気に軽くなった。

・秋田育ちの自分にとって、大学4年生の日本海中部地震が津波の怖さを初めて知った日だった。あの日から33年。津波にのまれた県内の小学生のことを知り、教師になることの責任の大きさを感じた日でもあった。自分にとっては、3.11と同じくらい5.26も大事な日である。

・今日の移動は走りまくりだった。地元新幹線駅は駐車場が満車。有料のところも同じ(GWでもないのに…)。待機して運よく入れた。仙台でも真剣に走ってセーフ。仙台でよき学びをしたあと、次の学びのためにまた移動である。

・実りのある会議のあと、新幹線まで1時間近くあったので久しぶりに本屋。昨年度までは学区に本屋があり、帰りに寄ることができたが、転勤してからはそれもできなくなっていた。気になる本をぱらぱらと眺める。もっといたかったが時間切れ。やはり時々リアル本屋にも出かけないといけないと実感。

・本当にいろいろな縁がある。今日は5年生の環境学習のゲストとして来校した市役所の担当の一人が、14年前に4年生で担任した子だった。地元ならわかるが、小学校を卒業して盛岡に引っ越していたが、わざわざ小学校時代にいた本市役所に入ったとのこと。当時から環境学習に興味を示していたエピソードを伝えると、「よく覚えていますね!」と言われた。まあ、記憶にあることを伝えているだけだけど…。

・「14年前にみんなと同じ4年1組を担任していたよー」と昨日、子どもたちに話した。そうしたら、その時の子どもとお母さんに、新幹線駅でバッタリ。5分程度だったが、当時の思い出をあれこれ。通信制大学院ゼミの宿題を何とか深夜に終わらせ(仕上げまでいかず…)かなり寝不足だった頭もスッキリ。今日はいいことがありそうだ。

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2016.06.06

6/18 授業深掘りセミナー

第4回の授業深堀セミナーが以下の予定で開催されます。
私も模擬授業(小学校社会)を行います。
お近くの方、ぜひ足をお運びください。
申込みはこちらです。

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授業と学び研究所主催のセミナー案内です。

 定評のある講師陣の「模擬授業」から学ぶ「教材研究のあり方」と「授業技術」。
さらに教師として知っておきたい教育情報を学ぶセミナーです。

※レギュラー講師=伊藤彰敏、佐藤正寿、野木森広、和田裕枝、神戸和敏、玉置崇

期日  6月18日(土) 午後1時から午後5時

場所  EDUCOM愛知本社 研修棟
    (愛知県春日井市如意申町7-7-5 電話:(0568)35-7601

参加費  3000円

セミナー内容

1 セミナー趣旨説明(10分間) 研究所所長 小西克哉

2 模擬授業+授業の深掘り(その1)
 ・模擬授業30分(佐藤正寿、小学校社会)30分 
 ・授業の深掘り(教材研究+授業技術)40分
 進行:玉置崇
 パネリスト:大西貞憲、神戸和敏、和田裕枝、野木森広、伊藤彰敏

3 模擬授業+授業の深掘り(その2)
・模擬授業30分(玉置崇、中学校数学)30分
・授業の深掘り(教材研究+授業技術)40分
 進行:大西貞憲
 パネリスト:神戸和敏、和田裕枝、伊藤彰敏、佐藤正寿、野木森広

4 教育情報知っ得!コーナー 30分間開催
   提案 後藤真一 10分間プレゼン+参加者による意見交流

5 (終了後)フリー相談コーナー
・参加の方からの相談に応じたり、さらに声をお聞きする時間を20分間ほど設けます。授業者とパネリストで応じます。

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2016.06.05

アメリカ研修記12

【ホームページ移行のためのリバイバル掲載です】

3 個性的な社会科授業

 私自身の今回の研修の目的の一つに、「アメリカの社会科教育は、どのように行われているか」ということがあった。ここでは、二つの社会科の授業例を紹介する。

(1) 具体的な作業学習を通して地形的な特徴をつかむ

 5年生の社会科。アメリカ合衆国の地形についての学習である。
 通常の授業であれば、印刷した白地図に山脈の名前を書き込んだり、どこに平野が広がっているか考えたりといったような、いわば頭の中での作業が多いであろう。ところが、私が見た授業は具体的な作業を通して地図作りであった。
 作り方は次の通りである。

① 各自、4つ切り画用紙より少し大きめの板やダンボール箱を用意する。教師はそれにアメリカ合衆国の大まかな地図を書く。
② 各自が持ってきた小麦粉を水にとかし粘土のようなものを作る。子供たちは、地図帳を見て山脈・川・平野を意識しながら立体的に小麦粉をつけていく。
③ 小麦粉が固まったら、その白地図にペイントしていく。平野の部分は緑、川は青、山脈は茶色というようにである。隣国のカナダ・メキシコには別の色をぬって、自分だけのアメリカ合衆国の立体地図の完成である。

 このような具体的な作業の過程で、子供たちは「この山脈は〇州と〇州にまたがっている」というようなことを自分で発見する。教師から与えられた知識と違って、そのようにして得た知識は、次の地理的な学習に応用されていくものであろう。

(2) 子供たちの追究意欲を喚起し、単元の学習中その意欲を持続させる

 4~5年のクラスの社会科。世界各国のことについて、一人が一国ずつ調べるという学習である。
 この学習は1ヶ月半にわたる長期的なものである。私が見たのは単元の最後の部分である。子供達が今まで学習したことをもとにして、自分と等身大の紙の人形を作るというものである。その人形は、その国を表す衣装や動作を取り入れる。どの子も自分が調べたノートをもとにして、人形作りに取り組んでいた。
 この単元の大まかな流れは、次の通りである。

① 自分の名前や家にある物、家族の趣味などから、自分の調べる国を決める。
② その国の本を図書館で探し、自分なりに調べる。
③ 学級で話し合いをして、自分たちでまとめる視点を方向づける。
④ 各自、その方向づけに沿って、ミニレポートにまとめる。
⑤ 学習のまとめとして、等身大人形にその国を表現する。

 私が感心したのは、どの子も意欲的に学習活動をしている点である。ノートを見ても、自分が家族から聞き取り調査をしたこと、本で調べたことがぎっしりと書かれていた。
 1ヶ月半に及ぶ学習で、なぜこんなに意欲が持続するのだろうか。次の二つの理由が考えられる。
 一つは、単元の導入に、身近な存在である家族を対象としているからということである。身近なものであれば、興味が増し、聞き取り調査もしやすい。家族も進んで外国に行った時の写真や資料を出してくれたという。
 もう一つは、教師が4枚にわたる単元の学習の手引きを出しているからである。その手引きには、この単元でどんな学習をどのような方法でするかが書かれている。しかも、何月何日まで聞き取り調査をするように期日が明示されている。だから、子供達は見通しを持って、自力で学習することが可能となるのである。もちろん、このような手引きを作るためには、しっかりとした単元構想が教師に必要である。改めて教材研究の重要性を自覚した
次第である。

4  まとめ  ~私が学んだこと~

 最後に、私がアインソワーズ小学校から学び、今後に生かしていきたいことを記す。

(1) 自分の授業をもっと創造的に
 社会科の授業例でもわかるように、アインソワーズ小学校では、一人一人の授業が個性的・創造的であった。先の例の他にも、2年生では月ごとに一つのテーマを決めて総合学習を行っていた。たとえば、10月にはハローウィーンがあるので、それについてアウトドア学習もするし、絵や工作もするし、日誌作りもするという具合である。このような授業は、教師自身の深い教材研究と旺盛なチャレンジ精神があって可能となるのだろう。その姿勢に学びたい。

(2) 子供たちにもっと励ましを
 アメリカの教師と子供との関係はドライだろうと予想をしていた。ところが、実際にはそうではなかった。朝、教室に入ってくる子一人一人に声をかける先生。子供の質問に納得いくまで答える先生。ちょっとした注意を促す場面はたびたびあったが、怒る場面は一度も見ることはなかった。
 逆に、どのクラスも人数が20~24人ということで、教師が一人一人の子を深く見つめ、励ましているように思われた。生徒指導面な面でも学ぶことが大きかったわけである。

(3) 研修を続けることの大切さ
 研修を続け、自己を高めていくことは、教師である限り不可欠なことである。アインソワーズ小学校の教師たちは常に研修を続けていた。長期のバカンスといえども、新学年の教材研究のためにかなりの時間をさいている。
 私の研修中に、州の教育関係者が学校に来て、州の目指す教育の在り方を説明した時があった。その時に、教師たちから質問や意見が続々と出されるのを見て、感心したものである。学びつづけることがいかに大切か痛感させられた。

 この2ヶ月間の研修は、私にとってかけがえのないものとなった。この体験を、今後の教育現場に還元するように努力していきたい。この研修にご尽力いただいた関係諸機関をはじめ、ホストファミリー、アインソワーズ小学校の皆さんに、心から感謝したい。

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2016.06.04

アメリカ研修記11

【ホームページ移行のためのリバイバル掲載です】

私の見たアメリカの教育  -アインソワーズ小学校に学ぶー
(1993年の海外視察研修の報告書より)

1 TEACHER

Talented       (才能ある)
Efficient       (技量ある)
Accomplished   (熟達した)
Creative       (創造的な)
Helpful        (有用な)
Effective       (効果的な)
Respected      (尊敬された)

 上の表は、私が研修を行ったアインソワーズ小学校のある先生のTシャツにプリントされていたものである。この言葉通り、アインソワーズの教師たちはすばらしかった。
 授業では技量のあるところを見せ、創造的な教育を示してくれた。そして、教師たちは子供たちに信頼され、尊敬されていた。私が学んだことは数多い。
 このアインソワーズ小学校は、ポートランド市のダウンタウンから車で10分ほどの南西部に位置している。児童数は450名、教職員数は46名で、幼稚園から5年生までの児童が在籍している。児童の家庭は比較的裕福であり、保護者の教育への関心も高い。また、市内で唯一のスペイン語のクラスがあり、それがこの小学校の特色の一つにもなっている。
 ここでは、アインソワーズ小学校の特色、そして、そこから私が学んだことを中心に述べていきたい。

2 アインソワーズ小学校の特色

(1) 教師たちの意欲的な仕事ぶり
 教師たちの仕事ぶりは意欲的である。勤務時間はご前8時から午後4時までであるが、ほとんどの教師たちは7時30分ごろまでには教室に入り、授業の準備をしている。始業が8時45分であるから、1時間以上もその日の準備に費やすわけである。午後も5時ごろまで残る教師が多い。
 自分なりの授業をするために、納得がいくまで教材研究をするーそのように私には思われた。
 それに何も学校のある日ばかりではない。5年生担任のマーチン先生は、土・日も教材研究に費やすという。そのほかにも、夏のバカンスの時には、新しく担当する学年の単元の構想をねり、進んで講習会に参加するという。また、理科の実験道具を豊富に持っているので聞いてみると、半分以上は自費で購入したとのことである。「それが自分の人生を豊かにするからです」と彼女は言った。このような教育に対する積極的な姿勢は、私にとって刺激的であった。

(2) 弾力的な時間割
 アインソワーズ小学校における時間割は、各学級によって大幅に異なる。それぞれの教科の時間の取りかたも、各担任の裁量に任せられている。ただし、体育・音楽・図書館の授業は専科の教師が行うので、時間が固定化している。
 教師自身が学習時間を決めるので、子供たちの学習活動に応じた弾力的な授業運営が可能となる。たとえば、午後に2時間算数と理科の授業がある場合、「今日は理科の実験を長くしたいから、算数は20分、残りは理科をしよう」ということができるわけである。ちなみに、休み時間のとり方も担任に一任されているので、学習活動が途切れるということはない。

(3) スペシャリストの存在
 この小学校には、日本の小学校にはないスペシャリストが存在していた。スクールカウンセラー、E・R・Cの教師、D・A・R・Eの警察官等である。スクールカウンセラーは、カウンセリングを通して子供たちの心の悩みを解決しようとしていた。また、E・R・C(Educational  ResourceCenter)の教師は、読み・書き・算数等の学力が低い子供達に対して個別的な指導を行っていた。
 私が一番興味を持ったのは、D・A・R・E(Drug Abuse Resistence Education)である。これは、アメリカの社会問題になっている麻薬使用を防ぐために、市が小学校段階から教育しようとするものである。市の教育計画に沿ったテキストがあり、警察官が直接授業をする。その授業も、ロールプレーイングを取り入れた実践的なものである。無いようは麻薬だけに限らず、飲酒や誘拐の防止なども含まれている。アメリカの国情を表した教育ということが言える。

(4) 市内で唯一のスペイン語の授業
 先に述べたように、アインソワーズ小学校では、スペイン語の授業が行われている。といっても、各学年2クラスずつである。特別の授業であるため、スペイン語の教師にはヘルパーが一人ずつついている。
 私が驚いたのは、高学年ともなるとスペイン語そのものの授業はわずかで、スペイン語を使って算数・理科・図工などを学習をしている点である。教師はスペイン語を使って授業を進め、子供たちもスペイン語で答える。スペイン語を理解するだけでなく、実際に表現できるところまで高めるという語学教育だと感じた。

(5) 親の積極的援助 -ビジター・ボランティア制度ー
 小学校には日常的に親たちが出入りしていた。参観のためではない。学校教育の援助をするためである。彼らのことをビジター、あるいはボランテイアと称していた。
 たとえば5年生の社会科で小麦粉で立体的なアメリカ合衆国の地図を作る学習。小麦粉と水を混ぜて、ほどよい固さはしなければいけない。親が二人来てその作業の援助をする。子供たちは、製作に専念できるというわけである。また、作業の手伝いだけではなく、時には自分の得意分野で子供たちに授業をすることもある。2年生では、建築物に詳しい親が、模型や写真などを活用して、家の立体的な書き方を説明していた。子供達も、何も抵抗を感じることなく自然に話を聞いている。
 派は親だけではなく、多くの父親もビジターとしてきているので、「彼らは仕事を休んで来るのですか」と聞くと幼稚園の先生は、「そうです。彼らは、学校で何かトラブルがあるより、1時間仕事を休んで学校に来る方がベターだと考えているのです。」と答えた。親たちの教育への関心の高さを示す話である。
 このビジター・ボランテイア制度の利点は次のようなものであろう。

 ■子供たちの学習が効率的に行われる。
 ■親が、我が子の授業での様子を気軽に見ることができる
 ■親は我が子の友達を知り、子ども達も友達の親を知ることができる

 特に3番目のメリットが大きい。幼稚園で、父親がコンピュータの学習の時、どの子たちにもやさしく励ましながら教えているのが印象的だった。

(付記)1993年のときには、「日本の普通の小学校がこんなふうになるのは、いつのことだろう」と思っていたが、それから10年もしないうちに当たり前の風景となったものもある。(ゲストテイーチャー) これからも日本の小学校はどんどん変わっていくことであろう。

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2016.06.03

研究のために

自校の授業研究会が今日からスタートした。
来年度学校公開を控えている本校。
かつて自分も自校で研究主任をしていただけに、様々な面で支援ができればよいと思っている。

本市では「学びの共同体」の考えを取り入れている。
タイミングよく、先週こちらの資料が掲載されていた。

〇教師の役割は学びのデザイナーと進行役に変化している。

全ての授業で…というわけではないだろうが、このことは大切なことと感じている。
ここに書かれている視点でも授業を参観していきたいと思っている。

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2016.06.02

学級通信

こちらの記事に共感をした。

担任時代、頻繁に学級通信を発行した。
22年間の担任歴で日刊だった学級も3分の1ほどある。それ以外も初任時代を除いては、100号ぐらいは発刊していた。
その経験を「学級通信のアイデア40」という書籍にまとめた。

そんな自分であるが、学級通信を発行しなければいけないと思ったことはない。
「発行した方が、発行しないよりは保護者や子どものためにはなる」といった程度だ。
むろんこれば授業最優先、学級経営最優先で、それらの仕事をやったうえである。それらが疎かになったうえでの通信なら周囲の信頼も得られないだろう。

先の記事の中で保護者の信頼を失うような学級通信の例が紹介されている。同感である。
保護者は「我が子」に注目している。私もそれを意識して書いた。
それができるのなら、やはり学級通信は発行した方がよいであろう。
発行時に出てくる保護者の励ましの声は、自分の実践を推進させる大きな力になった。

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2016.06.01

こんなサイト

先日、とあることを調べていたら、こちらのサイトに辿りついた。
「ご当地の噂」というものである。

あくまでも噂である。
しかし、実際に読んでみると私が住んでいる「岩手」も「奥州」も、「あるある」と思うようなことばかりである。
ここから、ちょっとした地元ネタのヒントが探せるのではないか…と思った。

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