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2016.08.17

HP移行原稿「合成写真」

★NHK教育テレビ「体験メディアABC」を活用した
   メディア・リテラシーの授業「合成写真」 1・2時間目(2001年)


 この授業は「体験メディアのABC」というNHKの番組を使って行ったメディアリテラシーの記録である。本校が、実践協力校に選ばれたことが縁である。
 授業に関わっては千葉大学の藤川大祐氏から助言をいただいた。改めて感謝をする次第である。

■単元名 「作ろう!合成写真」(全4時間)
■単元の目標
・合成写真を作る体験を通して、合成写真は作成者の意図を反映したメディアであることを理解することができる。

★授業記録(1時間目)

1 「体験メディアABC」(合成写真)視聴と感想発表

 子供たちの反応に手応えがあった。興味をもって番組を見ていた。(笑いあり、感嘆の声あり)
 例示の写真が、「合成写真」とわかった時には「作るの?」「やってみたい」という声が続出であった。北条時宗の合成映像の例の時には驚きの声が出た。
 見終わった後、子供たちの感想を発表させる。

・合成写真を作っているなんて、すごいと思いました。思ったより簡単に作れるだなあ。ドラマで使っているなんて知りませんでした。
・合成はすばらしいと思いました。なぜかというと、困っている人も助けるからです。
・合成写真はおもしろいことがわかりました。でも、それをだますことに使っている人がいることもわかりました。
・家にある身近なものを使って、合成写真が作れるなんて初めて知りました。
・最初合成写真は、どうやって作っているのかと思ったら、意外と簡単に作れるのをはじめて知りました。作ってみたいです。
・一番驚いたのは、コンピュータで合成写真ができることです。あと、よくテレビでみるリアルなのは、合成のもあることがわかりました。私も合成写真を作ってみたいと思いました。

 「合成写真」に圧倒的に興味を抱く感想であった。

2 テレビの合成映像の発表

「みんがテレビや写真などで見たことがある合成のものを発表しなさい。」と聞く。

・マトリックス  ・タイタニック ・ドラマで車とまわりの景色が別 ・CMで一人の人が何人にもなってでてくる

といったものが出てきた。

3 合成写真のよさと困る点を発表

「よい点は何ですか」「困る点は何ですか」と聞く。
■よい点  ・楽しむことができる  ・できない写真もできる  ・リアルな写真になる
■困る点  ・悪いことに使われることがある(人をだます)

4 合成方法の確認と製作計画

・3種類を確認。このうちできそうなのは、ノリとはさみを使う方法と確認。そのあと、一人一人が合成写真を作る計画をたてる。

・クモの巣にひっかかっている自分
・海の上を自分が歩いている
・ゴジラの横に自分がいる
・モー娘のメンバーに自分がなっている
・口を開いたぼくから、炎が出ている
・東京タワーの上に立っている

といったように発想をしていた。

5 感想発表

 「おもしろい」「次の時間が楽しみ」といったものばかりであった。

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★授業を終えて
 まずもって子供たちの反応に、嬉しい手応えを感じた。しかも、こちらが準備をしたのは、録画ビデオとワークシートだけである。このような授業の場合、資料の準備で大変なのであるが、価値のある番組ということで、子供たちにとってもインパクトが強かった。
 ただ、実際に今度合成写真を作る時に、自分の写真はいいとしても、背景の写真をどうやって入手するかが課題と感じた。教師が準備するのはわりと簡単にできそうだが、子供たちの力で準備するのが難しい。(本校は図書館の本も少なく、インターネットの接続もしていないので。)

★授業記録(2時間目)

1 「体験メディアABC」の出演者(あかねちゃん)が作成した合成写真をもとに話し合う
  「合成写真のよさは何ですか。」
  ・楽しませることができる ・現実ではない世界が作れる ・簡単にとりたい写真ができる(例・海外に行った写真) ・夢をかなえる
  →合成写真はこのように作り手の意図が表されたものであることを確認

2 作成計画を立てる
  ・作り方の確認(はさみとのりの方法)
  ・テーマを決め絵コンテに表す
   →図書館の本や自分の持っている写真をもとに考える

3 自分の写真をとる
  「体験メディアABC」の出演者(あかねちゃん)と同様にコンテに基づいたポーズで写真をとる(一人3枚ずつ)

 □子供たちが作ろうとしている合成写真例
  ・ミニモニのメンバーになっている自分
  ・松井選手を球場で応援している自分
  ・危険な崖で落ちそうになっている自分
  ・モアイ像を見ている自分
  ・溶岩に飲み込まれそうになっている自分

★NHK教育テレビ「体験メディアABC」を活用した
   メディア・リテラシーの授業「合成写真」 3・4時間目

■3~4時間目 (2時間連続)
□本時のねらい
・ 自分の計画に沿って合成写真を作り、その写真をもとにした簡単な話を作り、発表することができる。
・ 合成写真のよさを感じ取ると共に、合成写真が作成者の意図を反映したメディアであることを理解することができる。

□本時の活動
 1 本時の学習活動の確認をする
   ・合成写真を作ること(「体験メディアABC」を再度部分的に視聴し、合成の構成を考えさせる)
   ・タイトルをつけること
   ・写真をもとに簡単な話を作ること(その場面に「なりきった」もの)
   ・最終的には発表会をすること

 2 計画に基づいて合成写真作りをする
   ・タイトル、話まで終わったら発表の練習をさせる。

 3 発表会をする
   ・全員行いたいが時間不足の場合には早い子にする。他は、朝の会等で行う。
   ・友だちの作品に対する簡単な感想も発表させる。

 4 合成写真のよさと製作意図について話し合う
   ・合成写真を作った感想を発表させる。→感想から「よさ」を束ねる。
   ・製作者の意図が合成写真には表現されていることを、子供の作品例から理解させる。(時間があれば、「体験メディアABC」の北条時宗のシーンを視聴させ、製作意図を考えさせる。)
   ・テレビ番組の合成写真はどうあればよいかについても考えさせる。

 5 授業の感想を発表する

★「合成映像CMの秘密をさぐろう!」

 この授業は、「合成写真」の続きとして、「合成映像」について考えさせるために行ったものである

★授業のねらい  CMの分析を通して、合成映像他の効果について考え、CMに対する見方を深めることができる。

★本時の展開

1 子供たちに人気CMについて発表を聞く
 ・CM人気アンケート結果を発表する。合わせて、合成映像が使われているCMについて確認をする。
 ・そのCMについて、CM観察日記を書いている子の日記を紹介する。

2 二つのCMについて、分析をする
 ・合成映像だけではなく、その他の工夫について考えさせる。

★1本目のCM
  人気NO.1のドリンク剤のCM。小さい人がいて、サラリーマンの人と会話をするもの。シリーズ物となっている。
「思ったこと、気付いたことは何ですか。」
・どうしてあんなに小さくなるのか      ・どうやったら小さくなるのか不思議 
・なんで普通の人と小さい人を組み合わせているのだろう ・人を小さくするのはいい工夫
・だれが見ても合成映像ということがわかる ・みんなが見たくなるように工夫している
・商品の「〇〇〇〇・ドリンク」というのがおもしろい。

★2本目のCM
 同じくドリンク剤のCM。独特の音楽で有名サッカー選手が炎がついているボールをけるもの。
「思ったこと、気付いたことは何ですか。」
・なぜボールが燃えているのか       ・曲がとてもおもしろい
・コマーシャルの商品と関係がない    ・おりみたいなものをボールで破るのがおもしろい
・サッカーをなぜしているのか       ・ける人がマッチョでかっこいい

3 CMで合成映像等の工夫を使う効果について考える
 ・その商品のイメージについても考えさせたい。
 「合成映像だからできることは何ですか」
 「それはどんな効果がありますか」
 「これらはどんな感じの商品だと思いましたか」といった発問で深める。
 ちなみに、どちらも同じ種類の商品。なのに、こんなにCMのイメージが違う。そのことを子供たちは興味を持って発言していた。


4 CM制作者の意図について考える
 ・何のためにそのような効果を狙っているのか考えさせる。
 ・自分たちもターゲットにされていることも理解させたい。
「何のためにこんなコマーシャルを作っているのでしょうか」
・おもしろくて、みんなに噂されてできるだけ、多くの商品を買ってもらうため。
・みんなに注目してもらうため
・商品を広めるため  ・流行をつくるため

5 授業の感想を発表する
・合成映像は、私たちがひきつけられつい注目してしまうものばかりだなあと思いました。それに私たちを楽しませてくれる事も分かりました。
・合成映像は、商品を買ってもらうために作っていることがわかった。そしておもしろい。
・合成映像は不可能を可能にする。(商品購買対象として)ぼくたちをねらっていることもわかった。
・合成映像は商品がうれるようにという願いが込められいるんだなあと思ったし、同じのみものでもかっこいいし、おもしろいしいろいろ個性があるんだなあと思いました。

★二つの同じ商品で、合成映像の違い、イメージの違いを追究させるのは価値があるということを感じた授業であった。

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