HP移行原稿「漁業サミットを開こう」「伝統工芸品は日本の誇り」
★漁業サミットを開こう(5年)
水産業の学習のまとめとして「漁業サミット」を開いた。同時期に話題になっていた「九州・沖縄サミット」にひっかけたものです。その様子を学級通信3号の中から抜粋します。
■5年学級通信 夢工房・21 第66号より
社会では漁業の学習のまとめに入っています。
今回は、次のようにして、まとめをすることにしました。
宮古の漁業について提案しよう。そして、漁業サミットを開こう。
サミットという言葉を子供たちは「聞いたことがある」とのこと。やはり、「九州・沖縄サミット」という言葉がマスコミから流れてくるので、自然と耳に入るのでしょう。
さて、どんな内容の提案にするか。最初は子供たちと話し合って、次の5種類に絞りました。
・宮古の漁業で、働く人をどのように増やしたらよいか。
・宮古のいろいろな商品をどのようにして広めたらいいのか。
・宮古の港町をどのようにしたらいいのか。
・宮古の環境を守って、魚を育てるにはどのようにしたらいいのか。
・宮古のイワガキの養殖をどのようにして広めたらいいのか。
どれも興味のあるテーマです。それぞれのテーマで希望するものを選ばせて、アイデアの出し合いをさせました。
5年学級通信 夢工房・21 第69、70号 7月16、17日発行
漁業サミット実況中継
みなさん、こんばんは。こちらはサミットの会場になっている5年生教室です。
間もなくここでサミットが開催されます。今回のテーマは、「宮古の漁業をいかに盛んにするか」です。5グループが提案をいたします。今、どのグループも発表の練習をしています。どのグループも「自分たちの発表を強くアピールしよう」とがんばっているようです。
さあ、いよいよサミットの開催です。今回は、次のような次第です。
1 はじめのことば
2 基調提案
3 意見交流
4 議長から
5 サミット宣言採択
6 おわりのことば
では、基調報告の部分を簡単にレポートしましょう。今回の提案はメンバーが現実的にできそうなものを一生懸命に考えたものです。
■「こんな港町にしよう」
・人が来る港町にするために、イベントをもっと開催する。
・光を海底に送る施設を作ろう。
・海中ステーションを作ろう。
・・・・・このグループの目玉は、科学技術の粋を集めたものを宮古港に集中させようとするものです。確かに第一次産業も技術の力で大きく変わることでしょう。それに対応した発表でした。
■いろいろな商品を売れるようにしよう
・商品を本、ビデオにして売る。
・インターネットにして流す。
・魚クッキー、魚ジュース、魚型携帯電話など魚にちなんだ商品を開発する。
・・・・・すでにいろいろな水産商品がありますが、「本、ビデオで売る」というアイデアが出てきました。商品を広めるためには、戦略が必要ですから、これは効果が出るかもしれません。
■「働く人を増やすにはこんな方法で」
・宮古の漁業に関するホームページを開く
・アルバイトをどんどん募集する
・宣伝を増やす。
・・・・宮古でも水産業に携わっている人がどんどん減っています。ホームページで全国から募集すれば、志のある人が来て働くことも考えられますね。現実的なアイデアです。
■「増やそう!おいしいイワガキ」
・東京に行って売る。
・インターネットでイワガキの情報を流す
・他にもいろいろと宣伝をする
・・・・・いいものは高くても売れるということを考えると、東京で売るのは価値があると思います。岩手にはそういう生産物が多くありますね。イワガキもそうなればいいですね。
■「魚彩王国・宮古市の魚を救え」
・グリーンマーク集めの運動をしよう
・宮古市のみんなからポスターを募集する
・少ない魚を増やすようにする。
「森は海の恋人」の畠山さんに触発されて、山に苗木を植えることを提案していました。しかもグリーンマーク運動からスタートです。確かにこれならみんなでできそうです。
このサミットの手順は次の通りであった。
1 「サミット」という形の学習の目的(提案する)と方法について説明する。
2 提案すべき内容を出し合い、5つのテーマに絞る。
3 自分が行いたいテーマを決め、グループを決める。
4 提案内容を吟味する。(数多くアイデアを出し、3つに絞る)
5 提案内容を画用紙等に表現する。
6 途中で交流会を設けるものとして発表の練習をする。
7 漁業サミットを開く
→この中でお互いのよさを認め、「サミット宣言」をまとめる。
8 感想を書く。
提案を考え時に留意したのは単なる「夢物語」に終わらせてしまわないことである。あくまでも現実の宮古に即したものにすること。これがポイントである。
子供たちは現実の宮古の漁業について真剣に考えることができた。
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■ 伝統工芸品は日本の誇り
美しい日本の伝統工芸品。それらを改めて「日本のよさ」「日本の誇り」として実感させる授業。
単元の最後のまとめので行う。
★1 (教科書や資料集で全国の伝統工芸品一覧を用いて)日本にはみんな学習した伝統工芸品の他にどんな種類のものがありますか。書きなさい。
・たんす ・ふで ・すずり ・おわん ・せんす ・着物 ・仏だん
・刃物 ・人形 等 30種類以上出る。
特徴のあるもの、珍しいものは資料で確認をする。
★2 全国にある伝統工芸品を見て、思ったこと、感じたことを発表しなさい。
・こんなにたくさんあるとは思わなかった。
・全国にあるので驚いた。
・自分たちの生活の中でいろいろあるものだと思った。
★3 全国の伝統工芸品がそれぞれ続いている理由は何でしょうか。
・日本人が残したいと願っている。
・日常生活に必要だから。
・すばらしいものだから、受け継がれている。
・日本のシンボルとなるように皆思っているから。
・技術がきちんと受け継がれているから。
・材料がずっととれるから。
★4 伝統工芸品がある生活で、いい点は何ですか。
・日本のことや作った人のことがわかる。
・昔の日本に暮らしている気分になる。
・高いものなので使い心地がいい。
・安心して使うことができる。
・こわれにくい。
★5 外国の人に「日本の伝統工芸品をお土産にするとしたら何がいいですか。」と聞かれました。君たちだったら、どこの何をおすすめしますか。理由も入れて紹介文を書きなさい。
・(例)わたしは、福岡県の博多人形をおすすめします。博多人形は、昔からの日本のふくの着物を着ています。着物は日本のシンボルですし、とても落ち着いていて、作った人の心がとてもよく伝わってきます。その人がどんな願いをこめて作ったのか、日本人のことがとてもよくわかりますよ。
この授業のポイントは「日本全国に伝統工芸品が伝わっていること」「その理由」「伝統工芸品のある生活のよさ」を考えさせる点にある。最後の紹介文の課題を最初に提示して、その観点を考えて最後にまとめる展開も考えられる。
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