HP移行原稿「発見!わたし、ぼく流野菜クッキング」3
★ 知恵を身につけ見通しを持つ(4・5時間目)
この時間では基本的な野菜の調理に関わる内容を学習する。具体的には、「洗い方」「切り方」「ドレッシングの作り方」「ゆで方」「炒め方」である。
通常であれば、教師が教えて子供たちが実技をして・・・という感じであるが、今回は子供たちがあらかじめ調べ活動をしている。それらの発表を通して、子供たちの調理活動をより深いものにするわけである。
たとえば次のような形で行った。
■大根の切り方(A君の発表から)
「大根にはいろいろな切り方があります。今日はぼくが大根を持ってきました。こ れが【輪切り】です(実演)。おでんなどで見かけます。これがいちょう切りです(実演)。(以下略) 付け加えはありませんか。」
「たんざく切りというのもあります。」
■キャベツの炒め方(B君の発表から)
「キャベツの炒め方をお母さんから聞いて、試してみました。はじめにキャベツを2cmずつ切ります。次に炒めます。2分ぐらい炒めます。ぼくがやって大変だったのは、キャベツが焦げないようにすることです(以下略)。付け加え、ありませんか。」
「わたしが調べたことは、火が少し通るぐらいの時間で手際よく炒めるということです。あまり炒めると、野菜の栄養がなくなるからです。」
「質問です。混ぜる時になぜキャベツは最後なのですか。」
「キャベツは他のものより薄いからです。」
このような形で、子供たちの発表だけでも野菜に関わる知恵をある程度は身につけることができた。
むろん、それらの発表だけでは学習として不足である。授業のねらいに即して、教師が教える分は必要である。切り方、洗い方といった技能の他に、次の点を観察することにした。
炒めたり、ゆでたりすると野菜はどのように変化するのだろうか。
ここで大切なのは試し作りの実験活動である。
代表の子に炒めたり、ゆでたり、生のドレッシングを作らせる。
その他の子たちは、その変化の様子を観察するわけである。
生ドレッシング ゆでるコーナー 炒めるコーナー
コーナー
・フレンチドレッ ・ニンジンとほう ・キャベツの野菜
シング れんそうをゆ いため
・ごまドレッシング でる
この3つに分かれて合計5人の子が調理をする。それぞれ経験のある子供たちである。もちろん、教師も全面的に協力をする。たとえば炒め物をする子には、そばについて「強火にして」「塩を入れて」というようにである。いくら経験があるといってもまだきちんと教科書では学習をしていないので仕方のないところである。
さっそく観察をする子どもたち。見るだけではなく、においをかいだり、試食もしてみる。その中で、子供たちは次のような発見をしていった。
・ニンジンは好きではないけど、ゆでたら味が変わっておいしかった。
・ニンジンはゆでたら甘い感じがした。
・炒めたら、キャベツの量が減った。
・炒めているうちに、いいにおいがしてきて、食べたらコショウの味がきいていてお
いしかった。
炒める、ゆでる、ドレッシングにつけるといった活動は一言で言えば、何のためにすると言えますか。
と聞くと、「おいしくするため」「見た目をよくするため」「食べやすくするため」といった反応が返ってきた。
この「発表・実技・観察」の活動を通して、子供たちは調理することの意味を理解した。それは、「わたし、ぼく流の野菜の食べ方」への興味を大いに高めるものとなった。
事実、授業の最後に「『わたし、ぼく流』でしたい調理は何ですか」と聞くと、「ドレッシングを作ってきゅうりを食べたい」「キャベツの炒め物に挑戦したい」と明確な意思を発表していた。
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