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2016.09.30

9月終了

〇年度の折り返しである9月が本日で終了。平成28年度も半分が終わった。毎年思うことだが、本当にあっという間である。特にも今年は転勤があったので強く感じる。

〇8月があちこちで講師を行った「動」の月とするのなら、今月は「静」の月。ただ出かけて学んだ授業のユニバーサルデザインカレッジからは今年も大きな学び。今後の自分によき方向性を与えてくれそうである。

〇公的な仕事の方は事務局仕事が多かった。PTA交流球技大会、文化祭のバザーや食堂に向けての仕事等々。また、授業研究会も増えてきたので、そのアドバイス。それぞれが意義あるものであった。

〇原稿や修士論文については一休止した状態。前進はほんのわずかという状態。こちらはこれからしっかりと取り組まなければいけない。

〇明日から10月。講師役がこれからまた多くなる。すでにアナウンスがいくつも出ていて、どんどん参加者も入ってきている。自分に求められていることは何か。今まで内容を土台に新たなものを作りだすことである。夏とはまた違った内容を多く生み出していきたいと思っている。

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2016.09.28

「ゼロから学べる小学校社会科授業づくり」電子書籍版

「ゼロから学べる小学校社会科授業づくり」(明治図書)が今年の3月に発刊されました。
すでに2刷となっています。
本日「電子書籍」として発刊されました。
こちらからアクセスできます。

私の書籍としては、4冊目の電子書籍です。
活用していただければ有難いです。


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2016.09.27

PTA図書

今の職では、どの学校でもPTAの事務局を担う。
本校でも同様である。
PTAといっても各学校でその活動に特色がある。本校も盛んな活動が継続的に行われている。

その特色の一つとして「PTA図書」がある。毎年十数冊ずつ一定の費用でPTA向けの図書を購入している。格納している特別教室には数百冊の大人向け図書がずらり。
かつて担任時代もその存在は知っていたが、借りるということはなかった。ところが、今事務局を担当していて、「これだけの本が揃っているのなら…」と借りたい本もいくつかあり、4月から数冊読んだところだった。

そこで、今年度の購入本が入ってきた。PTA文化委員の皆さんが選んだものである。
読みたいと思うような話題作も入っている。

〇「終わった人
「天才
〇「下町ロケット2 ガウディ計画

さっそく借りて読んで、読書のおもしろさを感じている。有難いPTA図書である。

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2016.09.26

改めて「不定期更新」のお知らせ

8月16日のブログに「不定期更新」のことを記しました。

とは言え、それ以降も本体HPがプロバイダーの都合により閉鎖されるということで、掲載原稿を本ブログに移していましたから、ほぼ毎日今日まで更新してきました。
その原稿も一通り移し終わりました。

改めて、今後このブログは不定期更新となります。
よろしくお願いいたします。

今後は、

〇登壇するイベント情報
〇執筆した雑誌や書籍情報
〇読んだ本の情報
〇月末の振り返り
〇時々のエッセー

などがメインとなります。週に1~2回ほどの更新となると思います。
よろしくお願いいたします。

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2016.09.25

【HP移行原稿】ふるさとの人から学ぼう2

★ 岩田さんから話を聞く計画を立てよう

 4時間目。調べてわかったことを発表する。それぞれの発表から、子供たちの津波に関する情報が蓄積されていく。
 一番子供たちが興味を示したのが、「エピソードについて」である。数多くのドラマに子供たちは共感したのである。
 A男が、「助け合った様子を想像すると『すごいな』と思う。実際に話を聞いてみたい。」と感想で言った。
 『みんなもそう思う?』「うん、聞きたい、聞きたい!」
 自然に「ゲストティーチャーを呼びたい」という要望が出てきた。
 ゲストティーチャーには、子供たちが参考にした冊子にエピソードを書かれていた岩田アイさんを招くことにした。

 招くのはいいが、問題はゲストティーチャーからどうお話を引き出すかである。次のように投げかけた。

  テレビでトーク番組というのがあります。ゲストから、司会者がいろいろなお話を聞くというものです(「ああ、わかる」という声)。今回は班ごとにトーク番組形式でやってみましょう。

 事前にすべきことがいくつもある。次のように子供たちと確認をする。
・役割分担(司会、質問者、カメラマン、記録等)をする
・話題の中心テーマと質問を考える
・ゲストを迎える机配置を考える
・リハーサルをする……等
 この方法は効果的であった。テレビ番組にあるのでイメージ化できている。また、一回調べ学習をしているので班の中心テーマや質問がすぐに浮かぶ。だから、リハーサルも活発なものとなった。

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★岩田さんから学ぼう
 
■当日の形

 1 岩田さんの紹介・代表あいさつ・授業についての説明(5分)
 2 Aグループ・トークタイム「岩田さんと津波」(10分)
 3 Bグループ・トークタイム「チリ地震津波の様子」(10分)
 4 Cグループ・トークタイム「津波後のエピソード」(10分)
 5 自分たちの「学び」の発表(8分)
 6 感謝の言葉(2分)

■各グループの様子

 Aグループは「岩田さんと津波」がメインテーマである。出会ったばかりで子供たちも緊張気味である。岩田さんを中心に5人の子が囲む形でトークタイムがスタート。他の子供たちは「会場視聴者」という形で、自分の席でメモをとる。 さっそく子供たちは次々と質問して行く。

・岩田さんの出身は?
・小さいころ、どんな子供だったか?
・小さいころ、津波についてどんな話をされてきたか?
・大人になってから、どんな仕事についたか?

 このグループは「岩田さんはどんな方なのか」ということも知りたいという希望もあった。津波とは関係のない質問も多く出てくる。「みなさんと同じで、小さいころは元気に遊ぶ子でした。今とちがってお手玉や竹馬といったものですが…。」
 ゲストティーチャーの小さい頃のエピソードを聞くうちに、子供たちの親近感もわいてくる。アドリブの質問や笑いも出てくる。
 トーク番組形式のよさで、リラックスをした出会いとなった。

■B・Cグループの様子

 B、Cグループのテーマは、「チリ地震津波の様子」「津波後のエピソード」である。子供たちが調べ学習を行い、まとめている内容である。さらに、子供たちは質問事項をグループで吟味をしている。『自分たちが調べたことをもとにした質問をしなさい。それがわかるような聞き方にしなさい。』と私も事前に指示をした。

Q「本(地元自治会発行記念誌)に、信じられないような奇跡もおこり、流されていた人も助かったということが書かれていました。どんなことだったのですか。」
A『学校のわきに家が流されていきました。家の屋根にいた4人が、学校の2階の窓ガラスめがけて飛び移ったのですよ。その後、すぐに家は崩れて流れていきました。4人は助かりました。見ていた私たちも大歓声です。人間というのはいざという時に大きな力を出すんですね。』
Q「地域の中学生・高校生に修理を手伝ってもらったり、全国の人から配給されたりして、どんなことを思ったのですか。」
A『本当に助かりました。今の高浜があるのは、この皆さんのおかげだと思っています。そして、いつか自分たちも恩返しをしなければという気持ちでいっぱいでした。』

 調べたことをさらに詳しく引き出す質問、冊子には書かれていない気持ちを引き出す質問、知らなかった事実を引き出す質問等、価値のある質問が続いた。
 岩田さんも子供の質問に触発され、「そうね……」「そう、そう……」とたくさんの内容を話してくださった。「皆さんから、たくさんのことを思い出させてもらいました」と最後に述べたほどである。

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2016.09.24

【HP移行原稿】ふるさとの人から学ぼう1

「ふるさとの人から学ぼう」・・・平成13年度に担任をしている5年生の総合のテーマである。ふるさと高浜、ふるさと宮古には学ぶべきたくさんの人がいる。その実践の記録である。

1 チリ地震津波の体験者・岩田アイさんから学ぶ

■1時間目・・・・・・チリ地震津波で知っていることは?

 単元の第一時間目である。津波に関わっての興味関心を高めること、自分たちが
津波について知らないことも多いこと、今後の学習に見通しを持つことがねらいであ
る。

★授業の概略

■ 津波のことで「学習したこと」や「知っていること」は何ですか。
 ・前の高浜小学校の校舎が津波で流された  
 ・津波は大きな波だ
 ・津波の体験者を訪問した 
 ・チリ地震津波の記念碑がある
 ・学校だけではなく、ほかの建物もこわれた  
 ・日本と遠く離れたチリから津波が来たこと
 ・津波は人々の命を簡単にうばってしまうおそろしい大きな波
 ・津波のあといろいろなものが配給された 
 ・津波で道路もぐちゃぐちゃになった
 ・自然のものだから誰にもとめられない
 ※子供たちは4年生の総合で「地域のことを調べよう」という学習を行っている。その中で、
   数名の子は津波の聞き取りを体験者に一度行っている。

■ 津波について「思うこと」を発表しなさい。
 ・津波はこわい   
 ・津波はおそろしい
 ・来てほしくない
 ・記念碑があるからよほどすごい津波だったのだろう
 ・津波にあった人はかわいそうだ
 ・学校がボロボロになるぐらい津波の力はこわい・・・等
 ※ここでは「チリ地震津波30周年記念誌」を合わせて紹介した。津波後の写真が掲載されていて
  改めて津波の恐ろしさを子供たちは感じた。

■ みんなが津波についてはわかることもあるけど、まだまだわからないことが多いです。
  では、これから「津波」の学習をするときに、「知りたいこと」を書きましょう。
 ・なんで津波はおこるのか  
 ・津波のあと、どんなふうになったのか
 ・津波の今までの歴史について
 ・チリ地震津波についてくわしく知りたい
 ・どれくらい波が高かったか
 ・津波にあった人の話を聞いてみたい
 ・津波は時速何キロメートルくらいか
 ・今までに何回ぐらい津波は起きているのか
 ・津波を体験した人の気持ち・・・・等
 ※これからの学習につながる部分である。津波について、「知っていること」「思ったこと」を確認して
  から発問をしたので、多くの「知りたいこと」が出てきた。

 ★調べたいことを次の4つにまとめる
   1 津波の歴史について
   2 チリ地震津波そのものについて
   3 チリ地震津波のあとのエピソードについて
   4 津波そのものについて
  4つのグループを編成する。

■ どんな方法で調べたらいいですか。
 ・人から聞き取りをする
 ・インタ―ネットで調べる
 ・本や資料で調べる
 ・ビデオがあるはずなので、それを使う
  ※それぞれのグループに一番適したのは何か考えさせて、次の時間に調べることと方法を
   確認する。

■ 「人に聞く」ということですが、チリ地震体験者を教室に招いてお話をしていただきたいと思っています。(誰を呼ぶの?)本に津波のことを書いていた人を呼びたいなと考えています。

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2016.09.23

復刻「楽しい社会科授業づくり入門」

私が教員になった年に発刊された有田和正先生の名著が復刻されます。
「楽しい社会科授業づくり入門」(原題「社会科の活性化」)です。
光栄なことに「まえがき」を執筆させていただきました。
有田先生のことを何度も思い出しながら書きました。

明治図書HPはこちらです。
(下にスクロールすると執筆した「まえがき」があります。)

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2016.09.22

【HP移行原稿】研究通信3

研究通信 第24号 H11/2/8

指導案から拾う研究の視点

 あさって、今年度最後の研究授業が行われます。これは、実質的には来年度の研究のスタートと言えます。「新しい年度の研究の方向性を確認する」という意味では大切な授業です。
 そこで、改めて研究研究授業の視点を考えていきたいと思います。

1 12月の研究会から
 昨年の研究会では、次の5点を次年度の研究の方向性として確認しました。
① 基本的には今年度の研究の方向で推進していく
② 学年(学団)ごとの系統性をより吟味し、指導に役立てる。
③ 基本的な指導過程を弾力的に運用し、工夫された授業を目指す。
④ 1時間だけではなく、単元レベルで授業構想を組み立てることを重視する。
⑤ 子ども自身の力を高めるための日常的な実践の交流を図る。
 このうち⑤については、実際に来年度の校内研の中に組み入れられることです。
 また、②については、出された年間指導計画をもとに3学期中に大まかな系統性を吟味しようと考えています。
 すぐに指導案に反映できるものは、①③④ということになります。

2 指導案から拾う視点
 今回の研究授業の指導案から、先の項目が表現されているところを見てみます。

★見通し・一人学びの重視【①に対応】
 本校の研究テーマで重視しているのは、「見通し」と「一人学び」の部分です。本時の展開でここの部分を詳しく書いています。特に一人学びについては、重要語句だけではなく、「子どもたちにこのような一人学びをしてほしい」という教師の願いを具体的に記しています。読み手にとってもイメージ化がしやすいです。

★時間の弾力的運用【③に対応】
 子どもたちの力が高まれば、削れる部分が出てきます。今回は「見通す」が3分です。今までの指導案に比べたら短いです。その分、他の活動に時間を割くことができます。これは時間の弾力的運用であり、工夫の一つと言えます。

★表現を見通した単元指導計画【④に対応】
 1時間目に表現との関わりが書かれています。単元全体を見通した指導計画になっていることがわかります。また、重要語句を含めた新しい様式になっています。

これらは今後も留意する点と思われます。

★この通信の一言コメント
 2学期末の反省会で出たものを、3学期の研究授業の指導案に反映させました。その「解説」も兼ねた通信です。この研究授業が2年次の研究の実質的なスタートであり、新たな研究の方向性を示している。

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研究通信 第27号  H11/4/26

   今すべきこと

 先週の木曜日、〇〇研修会に行ってきました。この研修会で私は指定校研究主任ということで、公開に関わる具体的な話を中心に聞いてきました。
 その中で本校に関わる部分を紹介します。

1 新しい学力観のまとめを
 2002年の新学習指導要領への動きが目立っています。
 たとえば、教育雑誌は目玉である「総合的な学習」の特集が多くなりましたし、校内研究で取り組む学校も管内で多いようです。
 しかし、今回の研修会で大事なことを教わりました。それは、

  新しい学習指導要領への準備は当然行う。それとともに、今までの学習指導要領のまとめもきちんとしなければならない。

ということです。
 ご存知のように、平成元年の学習指導要領から「新しい学力観」というキャッチフレーズで新たなる教育活動が展開されています。意欲・関心・態度が重視された教育活動です。その10年間の成果をまずはっきり把握することが必要だということです。
 考えてみれば、本校の公開はこの「新しい学力観のまとめの公開」と言えるかもしれません。研究主題の冒頭の文言が「学ぶ意欲を大切にしながら」です。子どもたちの意欲面を重視した授業構成をすることが第一と感じました。

2 検証方法の工夫を
 印象に残ったお話の二つ目として、「検証方法について」ということがあげられます。客観的なデータ、情報の処理ということです。
 もちろん、それで終わらせるのではなく、それをどう生かすかが大事です。
 本校でも2回、子どもたちへのアンケートが行われました。そのデータ処理も行われています。問題はそれをどう生かすかということです。
 たとえば、「視写活動」の意義を感じていない子に、どのような視写活動を工夫していけばいいか。交流会でアイデアを出し合うことが大事と感じました。

3 授業研でのお願いです
 ① 授業は子どもたちの意欲ぶりが観察できる横から見てほしい。
 ② 参観メモの様式に、意欲部分の項目も入れました。また、気付かれたこと、エピソード的なものもお書きください。(研究紀要執筆のヒントとなると思われるので。)
 よろしくお願いします。

★この研究通信一言コメント
 2年次の研究のスタート号です。研修会で学んだことを、本校の研究の必要性と共に書いたものです。改めて移行措置前の本校の研究の意義を感じました。

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2016.09.21

【HP移行原稿】研究通信2

研究通信  第15号  H10/10/26

今後の研究について

 先週の金曜日に研究推進委員会を開きました。
 その時に今後の研究活動のあり方について、次のような方向にまとまりました。お知らせいたします。

1 研究の方向性について

 ① 常に研究主題・研究仮説に基づいた授業研究を行う。
 ② 今までの研究成果を十分に活用する。そのために「学習の手引き」「学習の ヒント集」を研究会では用意しておく。

★①について
 授業研究会でともすれば忘れがちになるのは「研究主題」と「仮説」です。たとえば、「研究主題」は「学ぶ喜びを大切にしながら・・・」から始まっています。
 それが、単元の学習の中でどの点に位置づけられているのか明確にすることが大切です。
 また、「仮説」では今年度は「見通す力」「一人学びの力」がメインです。2学期になり「練り上げ」も視野に入れてきましたが、それは先の「見通す力」「一人学びの力」がそだっていることが前提です。
 このような原点に常に立ち返るようにしたいと考えています。
★②について
 ①とかかわって、原点となるものが今までの研究資料です。研究会の時に、「研究の手引き」に立ち返る。あるいは、事前研の時に、新たな着想を「ヒント集」から得る。それが、「今までの研究成果の活用」だと考えます。そのためにも研究会では常に準備をしてくださるようお願いします。
(注:「研究の手引き」「ヒント集」とも研究部発行の冊子です。)

2 新たな研究活動について
 
 ① 「平成10年度 研究のまとめ」の冊子を発行する
 ② 「年間指導計画」を作成する。
 ③ 3学期に一人研究授業を行う。(実質11年度の研究のスタート)

★①について
 来年度につなげるためにも成果と課題を明確にしたものを作りたいと考えています。
 執筆は冬休み中、3学期中の発行です。
★②について
 「研究にそった内容」「役に立つ」点に配慮して作成します。これは年度内発行です。
★③について
 3学期が次年度のスタートと位置付けます。授業者は研究部からと考えています。

3 その他

① 公開予定日は10月上旬として申請する。
② 学力テストに向けて基礎・基本の徹底を
③ 残りの期間、各学年相応の力をつけて次年度に送り込むようにお願いします。それを前提として次年度の研究が始まります。

★この研究通信の一言コメント
 研究推進委員会で決まったことを報告したものです。研究推進のために焦点をもう一度
定めようと提案したものです。このような修正軌道も必要と感じました。

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研究通信 第19号 H10/11/6

「視点」を学ぶ

 他校の研究の紹介も5校目となりました。
 それぞれの学校に特色があり、よさがあります。それを本校の研究に生かすという立場からの紹介です。
 今回はH小学校です。紀要はすでに回覧した通りですが、学ぶ点の多いものとなっています。

1 読みの視点の確かさ
 まず学ぶ点は、読みの視点の方法を体系化していることです。たとえば、「教材文から」「重要語句から」「文末表現や強調の表現から」というようにです。
 本校でも今までの研究授業では、似たように読みの視点を確認しています。
 しかし、改めてこのように体系化はしていません。このような基準があれば、指導者側での指導意図がより明確になってきます。それは子どもたちが、はっきりと見通すことにもつながります。
 そして参考になるのは、それらの読みの視点を「学習する学年」と「定着、活用する学年」に区分けをしていることです。
 「学習即定着」ではないことは、誰しも実感しています。それは積み重ねが必要なことを物語っています。その部分も学年ごとに体系化することにより、「読みの視点・〇学年でおさえるべきこと」が明確化してくると思われます。

2 学び合いの視点
 学び合いについてもある程度の視点がかかれています。
 「正しい読みに修正する」「学び方の違いに目を向けさせる」「違う視点で考えさせる」といったようにです。
 本校でも具体的な方法として、「発問」「動作化」「絵による確かめ」等で行っています。ただ、先のような視点があると、「何を練り上げるか」が明確になると感じました。

3 年間指導計画と指導案のセット化を
 H小の説明文の年間指導計画は、本校の指導案の「4 指導計画」の様式に似ていました。つまり、年間指導計画がそのまま指導案の指導計画に活用できるのではないかと思いました。
 この部分も「役に立つ」年間指導計画を作成しようとしている本校にとって参考になります。

★この研究通信の一言コメント
 2学期は公開参観号が多かったです。この号は資料を取り寄せた小学校の研究紀要か
ら学んだことを記しています。本校の研究に生かせる点を明確にしようとしています。

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2016.09.20

【HP移行原稿】研究通信1

研究通信 第6号 (H10/6/5)

新たな試みが研究を広げる

 先週の木曜日にR先生の研究授業が行われました。
 3種類のワークシートに象徴されるように、新たな試みをしていただきました。何を行うにしても、新しいことを始めるには困難が伴います。R先生の場合にも、今回のワークシートに至るまでいろいろと考えられたと思います。そのご労苦に改めて感謝いたします。

 さて、授業の中では子どもたちのよさがたくさん出ていました。たとえば、次のような点です。

■ワークシートの作業や練り上げの場面によく集中して行っていた点
■ワークシートへの書き込みがその子なりによくできていた点
■個別的な支援が必要と思われる子が、進んで発表していた点
■子どもたちが語句に着目していた発言をしていた点

 もちろん、子どもたちのよさを生かすためには細かな指導があったと思います。
 たとえば、小見出しで一人一人に指導をして倒置法といった技法を教えているなど、指導すべきところは指導をしています。とても大切な点だと感じました。
 さて、研究会で話題になった事を記します。

1 ワークシートの工夫に向けて
 たとえば小見出しであれば、どの段落を書かせるか吟味することが必要。(指導者のねらいに応じて)
 また、構成の仕方の工夫も吟味が必要。今回は「キーワードと段落の頭、文末」「小見出しと文数、つなぎ言葉」といった構成だが、教師が指導意図を持って行うことが大切。

2 語句の指導の積み重ねを
 「しかし」は逆接の意味を持つ。このような発言は積み重ねていってこそ、どんどん出てくる。

3 練り上げの組織化に向けて
 指名方法の工夫、教具の活用、発問の工夫、他教科での話し合い等、これからの課題。

4 1単位時間の弾力化
 場合によっては60分授業といった形式があってもよい。

 いずれ参観した私たちは、たくさんのことを学びました。ありがとうございました。
 また、今回は事前研究会で実際に模擬授業を行いました。それが研究授業の参観の時に役立ちました。事前研究会が充実したものになると、研究授業を見る視点も深まるということです。
 そういう点で事前研究会の重要性を改めて感じました。

★この通信の一言コメント
 実験的な授業のことを書いた号です。新たな実践によって、研究も深まりました。この時の模擬授業では、教師も子どもたちの立場を理解しました。

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研究通信 第8号  H10/7/8

入門期の授業の見本

 今月2日、K先生の研究授業が行われました。
 4月下旬から始まった研究授業のラストバッターということになります。最後の授業者ということで、「今までの研究したことを授業の中に取り入れなければいけない」といったプレッシャーもあったことと思います。
 しかし、そのような重圧も入念な準備の前にどこかに飛んでいった感じでした。入学して3ヶ月の子どもたちも、生き生きと学習に取り組んでいました。
 当日の皆さんの参観メモにも、次のように書かれてありました。

■計画的な板書であり、字の大きさもよい。
■つかむ→見通し→一人学びへ、スムーズに流れたと思う。前時からの積み重ねがあることを感じました。
■最後まで子どもたちが授業に集中していた。
■1年生の子どもに理解させるための細かい所までの補助発問がなされていた。
■動作化の先生の熱演がとてもすばらしいと思いました。

 このような参観者の声が「授業のよさ」を表していると思います。

 さて、研究会ではいくつかの確認事項が出ました。記しておきます。

◎想起は前時のものだけとは限らない。本時間につながるのであれば、「前時まで」と範囲を広げて考える。
◎ワークシートは実態に合わせて変えていく。(今回は最後のまとめの部分が変わっていました。)
◎「それは」「~も」といった重要語句は低学年で押さえていく。ただし、子どもに問いを発してもわからない場合には、教えていく形で構わない。
◎ふき出しに書かれたことをどう練り上げるか、今後の課題である。

 助言をしていただいた先生からは、「低学年の動作化が先生が意図した点からはずれていなかった」「子どもがずれていた答えを言っても、また発問して修正をしていっていた」「時間配分がよく、内容が豊富でも45分で終わった」「つい立等、あるものを上手に使う工夫がされていた」といった点を話していただきました。
 どれもこれも、事前の細かな準備や配慮が功を奏した形です。
 その成果を、2学期の他学年の授業でも生かしていくことができればいいと考えます。

 1学期の6回の研究授業が終わりました。ご協力、本当にありがとうございました。
 2学期の授業は、来年の公開に向けての布石となります。どうぞよろしくお願いします。

★この研究通信の一言コメント
 1学期6人目の研究授業です。入学して3ヶ月あまりの子どもたちも、一生懸命に学習
しました。子どもたちの実態を見極めた指導が功を奏しました。

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2016.09.19

第2回日本授業UD学会

第2回日本授業UD学会の申込みが始まりました。
こちらからです。

第1回では飛び込み授業をさせていただいたが、今回は初日が地区学校保健会大会、2日目が日曜参観と公務とすっかり重なってしまいました。
充実した内容ばかりなので無念です。
おススメです。(正会員は別ルートの申込み)

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2016.09.18

【HP移行原稿】学校公開研究推進Q&A3

★ Q6「研究会の成果をどのようにまとめていますか」

★Aのポイント       1 まとめの必要性を共通理解する
                2 事例を仮説に基づき一般化する
                3 記録化して残す

1 まとめの必要性

 一回ごとの研究会の歩みはわずかです。しかし、そのつど「まとめ」をすることによって、確実に研究は進みます。本校でも次のような視点から「まとめ」の意義をとらえています。

・「まとめ」は、研究授業の成果を意識化するものである。
・「まとめ」は、研究活動の成果を日常化するための基礎となるものである。
・「まとめ」は、次回の研究授業の方向や課題解決の手がかりとなるものである。

 これらの意義を共通理解することによって、一つの研究授業が全体のものになります。
 成果には、話し合いを通じて得られるものもあれば、助言者によって光を当てられたものもあります。いずれにしても、一回ごとの「まとめ」の蓄積がその年度の研究全体の「まとめ」につながっていきます。

2 事例を仮説に基づき一般化する

 まとめの意義はわかっても、その事例を一般化しなければ応用できないものです。
 たとえば、1年生の「とりとなかよし」の導入で、前時よりさらに前の学習から想起をさせて子供たちの意欲を高めた授業がありました。これにより全員で確認したことは、「導入の想起は前時だけとは限らない」「本時につながる内容を想起させることが大切である」ということです。
 このように、具体的な事例から一般化することが「まとめ」には必要なことです。

3 研究通信で記録化して、共有財産に

 2の例のように一般化した「まとめ」も、研究会の時に確認されてもその場限りのものとなってしまう場合があります。
 そこに、「まとめ」の記録化・発信化の必要が生じます。
 本校では、一回の授業終了後の研究通信がその役割を果たしました。その研究通信については、次の質問でお答えします。

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★ Q7「研究通信発行のよさは何ですか」

★Aのポイント     1 研究授業の成果・課題を記録化・発信できる
              2 研究情報を発信できる
              3 他校の成果を本校の研究に生かすことができる
              4 研究の方向性を提示できる

 本校では研究通信を月に2~3号のペースで発行をしています。研究部の発行です。発行当初は「自由に何でも」という考えて行うつもりでしたが、結果的に4つの方向性で発信していきます。
 
1 研究授業の成果・課題を記録化・発信できる

 Q6で示したとおり、1時間の研究授業後には研究通信を発行しました。これにより、一人一人の授業の成果、今後の課題点を確認できました。研究会の場でも確認はしますが、改めて記録化することによって、成果が一般化されました。

2 研究に関わる情報を提示できる

 研究課題に関わるヒントを研究通信で提示する場合もあります。たとえば、ノ―ト指導をどうすべきかという課題に対して、いくつかの例を研究通信で示した時がありでました。また、研究主任研で得た最新の情報を、本校に応用できる形を示したこともありました。

3 他校の成果を本校の研究に生かす

 他校の研究紀要は回覧をしています。しかし、それだけでは本校の研究にどう役立つのか不明のままです。そこで、参観した先生に様子を伺ったり、研究紀要から学ぶ点を具体化して研究通信で示しました。
 他校の研究の成果についても、必ず研究通信で発行することにしていましたので、逆にその学校のよさ、本校に役立つ点を真剣に考えることができました。

4 研究の方向性を提示する

 研究推進委員会で今後の研究の方向性を話し合う場があります。その話し合いの内容を具体的に伝える時にも研究通信を活用しました。

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2016.09.17

【HP移行原稿】学校公開研究推進Q&A2

★ Q3 「研究授業ではどんな視点で参観しているのですか」

★Aのポイント     1 研究主題がそのまま視点に
               2 参観カードに記録化を
               3 子供を追う
               4 参観者の座席は子供たちの横に

1 研究主題がそのまま授業の視点に
 何も視点なしに漠然と授業を見るのと、視点を持って授業を見るのではおのずと深さが違ってきます。基本的には、その学校の研究主題が大きな視点になります。たとえば、本校の場合には次のようにです。
〇視点
・子供たちの意欲ぶりはどうでしたか?
・見通しについてはどうでしたか。
・一人学びについてはどうでしたか。
・深め方はどうでしたか。
・その他気付かれた点はありませんか。
 まずはこの大視点が基本です。この視点をもとに、「学習課題は子供たちの意欲を喚起するものでしたか?」「一人学びの教師の支援は適切でしたか?」といった下位の視点が出てきます。

2 参観カードの記録化を
 視点から気付いたことを、各自がメモをして研究会の時に発言することが一般的です。しかし、本校では研究会で参観者の気付きを有効に生かすために、参観カードに記録化しています。
 これについては、Q4をご参照ください。

3 子供を追う
 指導案の中に座席表があります。その中に教師の支援が具体的に記されている子がいます。「抽出児」というわけではありませんが、教師が「何とかしよう」と考えている子たちです。
 参観者も自然に注目して、その変容ぶりが研究会の時の話題になります。このことにより、座席表が参観者にとっても大切と言えます。

4 子供たちの横から参観することが鉄則
 子供たちの意欲ぶりを見るために、本校では後ろからではなく横から参観をしています。

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★ Q4「研究会で参観カードをどのように活用しているのですか」

★Aのポイント      1 司会者がカードから研究会のポイントを構成する
               2 展開の代案を引き出す
               3 エピソードから子供理解を深める

1 司会者がカードから研究会のポイントを構成する
 司会者があらかじめ参観者の考えを知っていることは大切なことです。授業の時に、机間指導をして、話し合いの場面の構成を考えることはないでしょうか。
 それと参観カードを使った研究会を似たようなものと考えます。つまり、次のようなことが言えるのです。

  参観者の情報を事前に司会者が知ることにより、研究会を効率的に組み立てることができる。

 「ここのポイントはT先生に」「E先生がここで貴重な提案をしている」・・・このようなことがわかり、意図的に指名するだけで研究会はぐっと深まります。

2 授業展開の代案の手がかりに
 「この課題だと子供たちは考えにくかった。別の課題の方がよかったのでは。」・・・・面と向かっていいにくいことも、カードだと書くことができる場合もあります。そのような時には、研究内容を深めるチャンスです。
 「では、どのような課題がよかったのでしょうか。」というように参観者全員で代案を考える方向に研究会を進めることによって、会が意義あるものになります。特に、疑問を提示した人は何からの代案を曖昧にでも考えているはずです。それを引き出すことが、参観カードに書いてくださったことに対する礼儀と考えます。

3 エピソードで浮かぶ子供の姿
 授業の中で子供たちは様々な姿を表します。それが授業者一人の目で全て網羅するのは不可能です。
 ならば、参観者にぜひ子供たちのいろいろな面をカードに書いてもらいましょう。
「A君がこの発問の時に表情が変わり、一生懸命に教科書に文を追っていた。」
「Bさんが〇〇とつぶやいていた」・・・・こんなことでいいのです。
 研究会で子供たちの理解を深めることになります。しかも、エピソードなら参観者も気軽に書くことができる点もメリットです。

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★ Q5「他校の研究成果をどのように取り入れているのでしょうか」

★Aのポイント      1 本校の研究に生かせる部分を明らかにする
               2 似たテーマの複数の公開校を参観する

1 報告だけではなく、生かせる部分を明らかに
 他校の公開に参加する。自分なりの視点で参観する。
 育てられた子供たち。
 工夫した学習指導過程。
 学んだことはたくさん。
 さあ、自校に帰って自分が得たものを生かそう・・・そんな思いで出張したものの、いつの間にか忘れさられてしまう。そんなことはありませんか。
 「報告をしています」「参観資料を回覧しています」・・・それはそれで必要なことです。
 しかし、あえて言いましょう。

 他校を参観した時に、報告だけでは不充分である。自校の研究に生かせる部分を具体的に明らかにして、すぐに取り入れることが大切である。

 昨年度の本校の課題の一つとして、「一人学びの発表後にどのように練り上げを図るか」ということがありました。説明文の研究をしていた他校を参観した先生から、「練り上げが自然ですばらしかった」という報告がありました。
 改めてその学校の研究紀要や学習指導案を検討しました。すると、練り上げにおける吟味された発問にそのよさがあると思われました。その時から、さっそく本校の指導案にも練り上げでの具体的な発問と、期待される反応を盛り込むようにしました。これは、他校の研究を生かすことができた部分です。

2 公開前年度は県内説明文公開校5校を参観 
 公開前年度である昨年は、他校の参観も「公開につながるものを」という意図のもとに行いました。北は久慈から、南は東和町まで、県内の説明文公開校を5校参観しました。他に紀要を2校分取り寄せました。
 それぞれが力を入れた研究校だったので、本校で生かせる部分は具体的に研究通信に掲載し、研究推進の一助としました。多くの情報が集まることは、選択の幅が広がることで本校にとっては有り難いことでした。
 むろん、どんな資料を添付しているかといったことや公開運営上の工夫等、直接指導に関わらない部分も参考になったことは言うまでもありません。

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2016.09.16

【HP移行原稿】学校公開研究推進Q&A1

 平成10年度~13年度まで在任した宮古市立高浜小学校では、ずっと研究主任を担当していた。一番の大きな行
事は平成11年度の市指定の学校公開であった。
 国語の説明文を対象としたものであった。その時に、研究紀要、指導案の他に学校公開用の資料集を発行した。これは「Q&A」形式で研究紀要で書ききれなかった部分をまとめたものである。
 その中に「研究推進」について書いたものがいくつかあった。当時のままここに掲載をする。

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★Q1  研究推進のために心がけたことは何ですか

★Aのポイント   1 まずは実践ありきという姿勢       
            2 研究目的と研究方法の明確化
            3 充実した授業研究会

1  まずは実践ーここから研究は進んでいく

 「まずは授業実践」-これが本校研究推進の中心的な姿勢です。お互いの授業を磨き合うことによって、授業の指導技能が高まります。それによって子供たちもよりよい方向に変わります。そして、それが結果的に研究を推進することになります。
 そのことが共通理解できたら、実践交流のためのシステム作りが必要です。本校では研究指定を受けた平成10年度から、「研究授業の回数を増やす」「音読交流会・視写交流会・ノート交流会を設定する」というように、具体的に実践交流をシステム化してきました。
 実践は何も成功ばかりではありませんでした。いや、むしろ最初の段階では、指導案とずれた失敗の方が多かった気がします。しかし、そのような予想外の展開も「なぜ失敗したか」を追究することにより、研究の深まりを促しました。
 「まずは実践」という共通姿勢があれば、研究は深まるものだと感じました。

2 研究目的と研究方法を明確化する

 研究目的と研究方法の明確化も研究推進に不可欠です。
 現在の研究主題で始めた頃は、「見通しと一人学びが研究の柱なのだが、具体的に何をどうすべきかわからない」という点がありました。
 それらの解明として、子供たちに力をつけることが研究の主たる目的になりました。そして、平成11年度に公開授業研究会を行うことは、研究への意識を強くする役割を果たしました。
 そして、この間に次のような研究サイクルが作られていきました。研究方法の確立です。

   ①指導案立案(必要に応じて研究部が援助)
  →②事前研究会
  →③研究授業
  →④全体研究会
  →⑤研究通信等によるまとめ
  →⑥研究成果の日常化(随時、研究部から情報提示)

3 充実した研究会にするために
 「今日の研究会は勉強になった」・・・そんな授業研究会にするためにささやかながら工夫をしました。
 授業記録の即時印刷(事実に基づいた授業研究)、参観カードの導入(話し合いを深めるために)等です。充実した研究会は、教師の研究意欲の高揚につながります。

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★ Q2「学校の研究システムの特徴は何ですか?」

★Aのポイント        1 公開まで一人2回の研究授業
                2 事前研で説明文の全教材文の理解を深める
                3 ミニ冊子を手がかりに共通理解

1  今年度、公開まで一人2回の研究授業

 「実践をくぐりぬけた理論を」という点を大切にしている本校にとって、研究授業はその象徴みたいなものです。平成11年度は公開までの半年の間に一人2回の研究授業を行いました。
 といっても、現実的に研究日を短期間にひんぱんに設けるわけにはいきません。そこで、次のようなシステムで一人2回の研究授業を行いました。

A  全体研(一人一回)   B 部分研(一人一回)
・事前研究会を全員で行う     ・事前研究会はなし
・指導案は本校の様式に基づいて ・指導案は「本時の指導」のみ
・全員参観              ・参観は自由(部分参観も可)
・講師を招聘            ・講師はなし
・放課後に研究会        ・研究会はなし(参観カードで代用)
・教材は教科書1学期単元   ・教材は自由

 全体研はどの学校でも行われているものと思われます。事前に指導案検討会を行い、講師を招いての研究会です。となると、本当の特徴といえるのはBの部分研でしょう。ご覧の通り、「ゆるやかな研究授業」です。
 しかし、実際に部分研を行ってみると、ゆるやかであるがゆえに弾力的な運営ができました。たとえば、次のような形で行うことができました。

■例1  全体研の次時を行う。ただし、助言者から課題として出た部分を指導案に意図的に挿入して行う。これにより、全体研の課題点の検証をすぐに行うことができる。
■例2  2時間1サイクルの授業といったように、チャレンジ的な研究授業もできる。
■例3  他社の教科書教材を意図的に選択して活用することにより、教師のねらいに沿った授業を行うことが可能である。

 部分研の参観は自由ということでしたが、結果的に大部分の先生方は(部分的にでも)参観しました。
 この部分研というシステムは、他教科での授業でも応用ができます。身軽な研究授業としておすすめです。

2 事前研究会のメリットあれこれ

 昨年度の高浜小学校も一人、2~3回の説明文の研究授業をしました。そして、その研究授業のための事前研究会も行いました。合計12回です。時間は1時間以内、研究授業の前の週に行うことがほとんどでした。正直な話、全体研究会の他に事前研究会を行うことは、日程的に大変でした。
 しかし、その大変さ以上にメリットの方が多かったのです。
 事前研究会の目的の第一は、指導案検討です。その検討の過程で次のようなメリットを得ることができます。
(1) 教材分析力の向上
 指導案は教材分析の反映といえます。学習課題、重要語句の扱い、学習内容の軽重のつけ方等教材分析の深さによって変わってきます。それを学び合うことによって、個々の教材分析力が向上しました。
(2) 学年ごとの系統性の理解
 全学年の1・2学期の全説明文を扱うので、指導内容、語句の扱いといった学年ごとの系統性を理解することができました。
(3) 次年度への蓄積
 全学年の説明文を検討することは、翌年にどの学年になっても前年度の知識を生かすことができます。また、他学年の検討についても同様です。検討会の成果が蓄積されるわけです。このようなメリットを考えれば、日程的に大変だった事前研究会も大きな成果をもたらしたと言えます。

3 ミニ冊子発行で研究の共通理解

 研究冊子といえば、公開時に発行する研究紀要や年度末に発行する「研究のまとめ」が一般的です。
 本校では研究指定を受けた平成10年の6月と9月にミニ冊子を発行しました。
 6月発行のものは「研究の手引き」(A判24ページ)、9月発行のものは「説明文学習ヒント集」(A4判20ページ)です。
 どちらも研究部が校内研究をよりよく充実したものにできるようにと作成したものです。これらのミニ冊子は、研究会の時に「共通理解しておくこと」として度々活用されました。
 そして年度末には、これらの冊子に授業記録、成果と課題等を加えた「研究のまとめ」(A4判111ページ)を発行しました。この冊子は今年度の研究会で常に持参して、活用されています。
 これらのことから、実際の研究会で活用される冊子が重要だと考えます。本校の研究にとって年度途中に発行したミニ冊子は、そういう点で意義ありました。

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2016.09.15

【HP移行原稿】明日の学級活動2

「ハッピーカード」のすすめ

 友達のよさを認め、そのよさを本人に伝え、よさを広めていこうという実践。
 準備するもの。B5版の紙を4分の1に切ったカードを学級人数の10倍程度用意をしておく。例は3年生での実践。

1 今日は友達のいいところについて勉強します。同じクラスの友達のいいところや「ありがとう」と言うような行いを発表しましょう。
 ・数人挙手。指名。
 ・「〇〇くんが一緒に遊ぼうといつも誘ってくれるのでいいと思いました。」

2 一緒に遊ぼうと言う〇〇君もすばらしいし、〇〇君のいいところに気付いた△△君もすばらしいね。
・なるほどといった感じで次々と発表が続く。
・「〇〇さんがいつもやさしく本を貸してくれます。」
・「〇〇くんが音読の時に、大きな声でしてくれます。」

3 いいですね。友達のよいところは、今のように自然に見つかるのではなく、「みつけるもの」です。
  これからカードを〇枚ずつ配ります。このカードを友達のよいところをたくさん見つけてください。最初はとなりの人、次は同じ班の人です。
 自由に書かせると、数のアンバランスが生じる。まずは隣、そして班が基本と考える。
 だいたい書き終わったところで、班の中で発表させる。

4 お互いに書いた相手にカードをプレゼントしましょう。カードをもらってどう思いましたか。
・うれしかった
・私も「ありがとう」といいたい気分になった
・これからも(いいことを)続けていこうと思った

5 みな嬉しかったようですね。幸せにすることから、私はこのカードを「ハッピーカード」と言っています。これからも続けたいですか。(みんな、はいと答える)

6 ではカードを教室において置きます。休み時間等に友達のいいところがあったら、カードに書いて、模造紙に貼ってください。期間はとりあえず1週間とします。

 6については授業時間で可能であれば、その時に行っても構わない。
 書いたことについて何かの機会に発表すると、子供たちは意欲的にハッピーカードを続ける。

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★期間限定・特別係

 係活動をその学期内、ずっと行うものと考えていませんか。
 もっと弾力的に考えていいと思います。一時係活動を中止して別のプロジェクトを行ったり、学期途中で係を変えたり、はたまた希望者だけが係活動を行ったり・・・というようにです。
 目的は子どもたちに自主性を身につけることです。その力をつけるのであれば方法は多様であっていいわけです。
 この実践は教育実習生が学級に来ることになって、日常の係活動を一時休止して、取り組んだものである。
 その様子を学級通信で紹介をする。

学級通信 カルチェ・ラタン 第32号 5月26日より
 教育実習生を迎えるにあたって、私は一つ考えました。「この機会に子供たちに何かしらの力をつけたい」と。
 そこで、H先生(実習生)の教育実習生の期間に、ふだんの係活動とは別に、「特別係活動」を企画しました。
 話し合いをしたのは、先週の火曜日です。そして、子供たちの希望から次のような特別の係が生まれました。

 ■教え係・・・H先生に学校のことは何でも教える。
 ■集会係・・・歓迎の会、お別れ会等の企画・運営をする。
 ■遊び係・・・H先生を交えてみんなで遊ぶ。
 ■新聞係・・・H先生のことを記事にして新聞を作る。
 ■写真係・・・そのものズバリ、写真をとる。

 写真係では、最初に「みんなから少しずつ集金する」という案も出ましたが、私の負担としました(インスタントカメラ)。子供たちにカメラ・・・というのはなじまないと考えられる方もおられるかもしれません。しかし、低学年の生活科では積極的に活用している学校もあります。(注:佐藤、23年前の話です。今とは隔世の感があります。)
 さて、昨日、これらの係活動が実質的にスタートです。まずは、改めてH先生を歓迎する
会が持たれました。

  ようこそ5年1組へいらっしゃいました。  
  みんな、先生がくるのを楽しみにしていました。
  私たちのクラスは、明るく楽しい元気なクラスです。
  1ヶ月間、いっしょに勉強したり、遊んだりして、いい思い出をつくりたいです。

 このようなSさんの歓迎の言葉から始まりました。(中略)

 動き出したのは集会係だけではありません。
 写真係はさっそく歓迎会の様子をパチリと写真にとりました。
 教え係も、給食の時のこと、そうじ区域のこと、学校の案内と大忙しです。新聞係は、すでに記事を書き始めましたし、遊び係も遊びの計画を立てています。
 子供たちの特別係、楽しみです。

★期間限定特別係のよさ
 1 短期間の活動なので集中してできる(マンネリはあり得ない)
 2 テーマや目的が同じなので、他の係とタイアップした活動ができる(この場合、新聞係が他の係によく取材をしていた)
 3 何かしらの特別な活動の時に設定をするので、その活動への取り組みがいっそう意義あるものになる。(たとえば、学習発表会)

 例として教育実習を出したが、特別係はいろいろな場面で活用できる。「学習発表会」「6年生を送る会」といった大きな行事での特別係、学級内での集会活動でもできる。この場合には、「実行委員会」「プロジェクトチー
ム」といった名称になるかもしれない。
 ただ、この係には前提がある。それは学級内の生活を維持させるための最低限の仕組みができていることである。それらは特別係の場合にでも行うものである。

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2016.09.14

【HP移行原稿】明日の学級活動1

レストラン給食をしよう(第3学年対象・全学年可)

 給食時間を今より楽しくする、いい雰囲気で食べたいと子供たちが考える授業です。

■主な流れ

★発問1  ふだんの給食時間で楽しいことは何ですか。
  ・友だちとおしゃべりをする  ・おいしい給食を食べること  ・いろいろと情報交換すること  ・笑うこと

★発問2 では、給食時間に困ることやいやなことは何ですか。
  ・とてもうるさい時がある  ・食べる時間が短い  ・下品なことを言う人がいる  ・立ち歩く人がいる

★発問3 どうして、そのようになってしまうのでしょう。
 ・話が盛り上がってしまって、つい大声になってしまう  ・おしゃべりに夢中になって食べるのが遅くなってしまう  ・準備や片付けの時についふざけてしまう

★発問4 楽しい給食時間にするためには、どうしたらいいでしょうか。
       ・「準備の時」「食べている時」と今までの約束事を確認する。

★発問5 もっと楽しくするために、先生にアイデアがあります。この教室を給食時間にレストランにしてしまうのです。どんなアイデアが考えられますか。
 ・テーブルに花をかざる  ・テーブルクロースをしく  ・BGMを流す  ・かべの模様を変える ・好きな人と一緒に食べる

★発問6 では、それぞれ係を決めてやってみましょう。係が決まったら、お世話することを話し合います。
 ・子供たちから出た提案に基づいて、係を決める。全員が希望している一つの係に入る。
  係が決まったら、名前を決めてお世話することを話し合う。

★発問7  係で決まったことを発表しましょう。
 ・食べ方係・・・・班の中だったら席は自由にしていいです。
 ・かべ係・・・・・・休み時間、折り紙で壁に模様をはります。
 ・テーブル係・・・各班でそれぞれクロースと花を持ってきてください。花瓶はコーヒーのビンなどを使ってください。
 ・音楽係・・・・・・希望のBGMをかけます。リクエストがあったら言ってください。

★楽しいレストラン給食になりそうですね。実行の日は〇月〇日としましょう。

  実際のレストラン給食の日。教室の雰囲気はがらりと変わった。机にはお花。壁には「3の1レストランにようこそ」という看板に、輪飾り。テーブルクロースを持ってくるのができなかった班はナプキンで代用した。BGMは子供たちに人気のアニメソング。ただし、音は小さめである。
  「ふだんより楽しい」「落ち着いて食べられる」と子供たちも感想を述べていた。
 最初は1日だけのお楽しみということだったが、子供たちの希望により1週間することとなった。なお、ずっと継続するのはマンネリ化につながるので、回数は限定した方がよい。

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★学級内クラブを楽しもう

 「学級の文化を創る」方法の一つとして、学級内クラブを作る方法がある。
 クラブのない3年生以下でも、その活動を十分に楽しむことができる。
 といっても、ただ「クラブをしましょう」といっても、子供たちの反応は乏しいであろう。
 そこで、私は次のような方法で行った。(3年生)

1 したい活動を発信させる仕組みを作る

 まずは、子供たちから「〇〇をしたい」という情報を発信させる仕組みを作ることである。
 たとえば、「★提案ポスト」「★書き込み黒板」といったものである。
 このようなものを設けた場合、最初は提案が多いであろうが、そのうちマンネリになって提案もほとんど入らなくなる場合がある。そのような時には、「学級でしたいことをどうぞ。ない人は書かなくても構いません」といった形で、朝の会で書いてもらってもよい。
 いずれ大切なのは、「子供たちからの発信する」仕組みを作ることである。
 提案ポストを設けると次のような希望が出てきた。

■休み時間に自由に工作をしたい。ぼくは工作が上手だから。
■毎日、お楽しみ会をしたい。
■虫とりをしたい。
■ゲーム大会をしたい。クイズ大会をしたい・・・・等。

2 クラブを作る

 子供たちからのアイデアがそのままクラブになるわけではない。
 出てきた中で、「係でした方がよいもの」「学級みんなでした方がいいもの」は別にした。
それ以外の中でクラブとしてできそうなものを決めた。

 ■工作クラブ(手作りペットボトルロケットを作る)
 ■研究クラブ(虫などを研究する)
 ■イラストクラブ(イラストをかく)
 ■おしばなクラブ(いろいろなおしばなを作る)
 ■アンケートクラブ(いろいろなアンケートをとる)
 ■4コママンガクラブ(4コママンガを作る)

 さて、クラブ活動で問題になるのはその時間である。教科の授業時間を充てるわけにはいかない。休み時間は外で元気に遊びたいだろうし、放課後といってもそれぞれに都合がある。
 でも週に1回は活動したいと、楽しみにしていた子供たちに期待を裏切ることにもなる。
そこで、朝活動で行ったり、ゆとりの時間を利用したこともあった。雨の日にはその昼休みを利用した。
 ただ、このような活動はあくまでも期間限定にする必要がある。活動にメリハリをつけるるためである。多くの場合、1ヶ月のみの活動にしていた。

3 学級内クラブ活動、その後

 その後のクラブの活動の様子(1時間行った時)を記す。(当時の学級通信より)

■工作クラブ
 クラブをすることが決まった次の日に、ペットボトルロケットが教室に現れました。聞くとT君が家からもってきたとのこと。さっそくそれを真似てロケットを作り始めました。ペットボトルを切って、テープでつなげてと、けっこう大変な作業ですが、「みんなで作る」を合言葉にしてがんばっていました。まだ未完成ですが、完成したら見事なものでしょう。

■研究クラブ
 当初は虫の研究をするはずだったのですが、今回はリサイクルに関しての研究をしていました。図書館の本を参考に、模造紙にプラスチックのリサイクルについてまとめていました。
それも一枚では物足りず、2枚目にいきました。今学校で、紙とビニールを分別収集しています。アルミ缶の回収もしています。そのようなことも、関係あったのかもしれません。

■イラストクラブ
 イラストですから、私などはてっきり今はやりのアニメを書くのかな?と思っていました。たとえば「ポケモン」です。ところが、実際はなかなか風流な絵を製作していました。その題も「十五夜」です。絵の具で画用紙2枚に書いた風景をさっそく掲示しました。1時間で書いたものとは、思われないような傑作ができあがりました。

■おしばなクラブ
 どのようにして押し花を作るのか興味を持って見ていました。そうしたら、Mさんがまず和紙を用意しました。なるほど、押し花には和風のものが合います。休み時間に、3学年の花壇からとってきたコスモス、マリーゴールドの花を、和紙にセロハンテープで貼り付けていました。見ていたら、なかなかすてきなデザインになっていました。

■アンケートクラブ
 学級のみんなにアンケートをとって、それを新聞にまとめるものです。アンケートをとる時間は、他の子たちもクラブをしている時間です。だから、まさに突撃インタビューという感じです。「好きなアイドル歌手はだれですか」「もしも100万円あったらどうしますか」となかなかいいアンケートです。集計し、新聞にまとめてさっそく掲示していました。

■4コママンガクラブ
 4コママンガというのは、けっこう3年生には難しいと思います。4つのコマの中だけでお話を完結しなければいけないからです。ところが、6人とも、黙々と作品作りに取り組んでいました。本当のマンガ作家並でした。「ゆうれい」「だめなたんてい」「男子、女子のせいべつ」といったタイトルがありました。掲示して、他の人の注目を集めていました。

 このクラブは好評で、1ヶ月だけではなく2ヶ月間行った。さらに、翌3学期も企画実行をした。教師にとっても楽しいひとときであった。

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2016.09.13

社会科教育連載

今年は社会科教育誌で、「スペシャリスト直伝!アクティブな社会科授業づくりの基礎基本 」を連載しています。社会科におけるアクティブ・ラーニングを自分なりに考え、発信していく年です。

10月号では、「プラス・アルファの教材研究」というテーマで書かせていただきました。教科書内容にプラスして一つのミニ教材開発が授業を深めるというものです。
アマゾンはこちらです。

なお、今月号の特集は「アクティブ・ラーニングで評価はこうかわる」です。評価は自分にとってあまり深めていない分野だけに大きな学びとなります。

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2016.09.12

【HP移行原稿】佐藤学級4年目

■4年目(昭和63年度・26歳) 江刺市立愛宕小学校6年B組

■ 初めて卒業生を送り出す立場に
 6年生担任は小学校教師にとってやはり格別である。この年、初めて6年生を担任した。しかも今まで3年間受け持った子どもたち。「この1年間、最高の卒業生にしよう」と学級開きの日に決意したものである。同時に校内では6年生は全ての活動のリーダー。担任はその点でいろいろな指導が必要とされた。その分、「やりがいのあるポジションにさせてもらった」と自覚と自戒をしたものだった。
 
■ 子どもたちの活躍ぶり
 子どもたちはあらゆる場面で活躍をした。運動面では、市内水泳記録会でほとんどの子が入賞。1位はとれなかったものの、人数を考えたら十分な出来であった。陸上でも高跳びの優勝をはじめ入賞続々。市内図工展では全員が入賞、そして市内音楽会にも出場(6年生が出ることは非常に珍しかった。当時の校長が「ベストの学年を出すべき」という方針で出ることとなった。)、ミニバスも奮闘というように対外的なものは満足のいくものであった。もちろん、同学年のR先生や他の同僚の先生方の指導によることが大きかったことは言うまでもない。また、児童会活動も活発であった。この年、文化的な活動として全校生活カルタ集会を行う。これは生活標語を4ツ切りのカルタにして、実際にとりあうという集会である。企画段階から子どもたちの自主性を鍛えての取り組みであった。時数減の今ではなかなかできない取り組みであった。

■ 初の雑誌依頼の原稿
 この年、初めて教育雑誌から依頼原稿が来た。あゆみ出版の「子どもと教育」誌である。きっかけは読者感想カードを出したところ、返信が来て「実践をお寄せください」と書かれていたことであった。夏休みに今までのレポート、学級通信をリングファイル1冊にまとめて送ったら、依頼原稿が来たのである。サークル活動もしていない自分。しかし、雑誌に執筆をしたいという希望はあった。あこがれみたいなものである。テーマは「教師の生きがい」で2ページ。4年生の学級通信の失敗談を執筆した。昭和の終わりの暮れに掲載された雑誌が送られてきた時の喜びは格別であった。これ以降、実践を書いて明治図書の編集部や有田先生に送り、次の年からは定期的に依頼原稿が来るようになり、現在に至っている。

■ 市教研・社会の授業
 この年の6月、市教研の社会科部会で研究授業。一昨年も行っているのであるが、有田先生の実践を追試したく立候補。「いざ鎌倉」の一枚の絵から授業を構成しようとしたものである。子どもたちからはたくさんの発見が出た。さらにこの時に20ページぐらいの補助資料を自主的に作成。書くことが自分の勉強になっていった。

■ 卒業
 4年間を受け持った子どもたちを平成元年3月20日に卒業させることになった。万感の思い出と言いたいところであるが、正直なところ卒業までの指導に精一杯で思いに浸る余裕はなかった。卒業式でも「うまくやってくれ・・・」という思いであった。ただ、子どもたちにできることはないかと前日に考えた。一人一人の思い出を学級通信4枚に綴った。それを真っ白い紙に印刷、そして真っ白い封筒に入れた。卒業式が終わってから、学級でその封筒を配る。食い入るように見つめる子どもたち。この時から、学級通信の「思い出シリーズ」はずっと続けることになる。
 
■ 教え子たちの披露宴
 この子たちの担任時代。教師になりたてということで、今考えれば授業は未熟。学級経営もそれなりであった。もっともこれは今言えることで、当時の自分の中では精一杯。自分なりにがんばったつもりではいたが、やはり経験は重要である。しかし、それでも若さは貴重だ。教え子たちが次々と披露宴に招いてくれる。そしてスピーチ。その
度に当時にタイムスリップしている。教師冥利につきる瞬間である。

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2016.09.11

【HP移行原稿】佐藤学級3年目

■3年目(昭和62年度・25歳) 江刺市立愛宕小学校5年B組

■ 希望かなってまた持ち上がり
 初任から2年連続で担任をしたのであるが、5年生に担任を希望した。他に希望者がなかったからか3年連続持ち上がり。学級替えで新たな気持ちでスタートである。「5年担任はそのまま6年担任になる」という暗黙の了解がその学校にはあったので「この子どもたちと卒業できる」という嬉しさを感じた。同時に連続からくるマンネリや気のゆるみがないようにしなければと感じた。

■ まとまった実践「岩谷堂タンス」
 前年度からレポートは少しずつ書くようになっていた。この年11月の県教研に支部代表として参加をした。社会科教育分科会である。5年「岩谷堂タンス」の実践である。偶然にも伝統工芸「岩谷堂タンス」の工場が学区にあり、それを教材化したものである。本格的な「教材開発」で、一単元の実践はこれが初めてであった。以後、教研の社会の分科会には4回支部代表として参加することになる。教材開発もここからスタートということで、この「岩谷堂タンス」は自分にとって忘れられない実践となった。

■ パリへ
 この年、新婚旅行でフランスへ。それもパリのみの滞在。パックツアーではなく、自分たちで自由に行動ができるものを選んだ。私も家内も初めての海外であった。
 パリは何もかも美しかった。ベルサイユ宮殿、ルーブル美術館、凱旋門。歴史の重みがずっしり。そして何ともすてきなアンバサダーホテル。
 私自身が楽しみにしていたのはモンマルトルの丘である。名も無き画家たちが明日のピカソを夢見て路上で描くパリの風景。その志。「教師修業」を意識していた自分を画家たちに重ねていた。
 もちろん料理も堪能。機内食はもちろん、ムーラン・ルージュ見学の前にいただいたエスカルゴとワインは最高だった。休日は市街地をブラブラ。何気なく入るお店で英語で会話をするとそれだけで国際人になった気分であった。(フランス語は全くダメなのでもっぱら英語を使ったのである。挨拶は別だけど。)

■ 同僚から学ぶ
 この年に一緒に学年を組んだのは40代のベテランの女の先生。本物の実践家であった。まず、その学級の子どもたちが変わっていった。それも温かい雰囲気の中で。もちろん子どもたちに確かな力をつける。どの教科もだ。私の苦手とする音楽がその先生は専門であった。私の音楽の指導力のなさに同情されたのか、「合同音楽をしましょう」と言ってくださった。ありがたいチャンス!合同音楽と言っても私はほとんど参観しているだけ。その先生の技を盗むのに専念できたのである。この合同音楽は次の年も続いた。実に幸せな合同音楽であった。

■ 衝撃!有田学級
 2月、念願の有田学級の参観ができることとなった。筑波大学附属小学校3年生。教室には参観者が入りきらないということで、歩いて5分ほどの全林野会館のホールを借りて行われた。少しでもいい場所で見たいということで、授業開始2時間近く前に会場に到着。それでも十数名の方がすでに待たれていた。授業開始前には、数百人
の参観者に膨れ上がっていた。
 そのような中で授業をするのだから、子どもたちも緊張するだろうと思ったが、全然お構いなし。有田先生が発問をすると、次々と子供たちの発言が続く。内容もいいが、ユーモアもたくさん。まさに「鍛えられた学級」であった。数年後、有田先生は大学教授になられたので、この時に憧れの有田学級を観ることができたのは本当に僥倖であった。その衝撃は、帰校後に10枚のレポート(しかもタイトルが「全て刺激なり」というものであった)に書いたほど(正確には書かずにはいられなかった)である。

■ 自分なりに工夫した修業
 教師生活も3年目に入り、「この仕事は自分に向いている。一生涯をかける仕事」と思うようになった。一つ一つの実践を励まされたり、目標になるような人がいたりという幸せが自分にはあった。「3年目までで教師人生は決まる」と大学時代の恩師に言われたものであったが、自分の環境もそして時代も本当に有り難かった。法則化運動が盛んになるにつれ、本を読むだけだった自分も修業しなければと感じ、学級通信に細かな授業記録を書いたり、通勤の車で自分の授業を録音したテープを聞いたりした。授業の腕を磨くためである。我流だったためなかなか上達はしなかったが、本による知識は増えていった。
 10月の研究授業。指導主事来校の国語の説明文。指導主事の先生が講評で、「6つのすばらしさ」をわざわざプリント化してご助言くださったことは、実に嬉しいことであった。これが縁かどうかは分からないが、この先生には6年後、アメリカ修業の縁をいただくことになる。

■ 子どもたちと親御さん
 子どもたちも親御さんも3年目の付き合いということで、安定した関係だったと思う。ただ、まだまだ子どもたちを見る目は今考えると若かった。いわばゆとりがなかった。それでも、本当に前向きでよい子どもたちだった。「卒業まで責任を持って受け持とう」という気持ちがより強くなった。

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2016.09.10

第1回あすの社会科を考えるセミナーin仙台

宮城・石巻の佐々木潤先生と一緒に社会科のセミナーを仙台で開催します。
こちらから参加申し込みができます。
以下、案内です。

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 「社会科の授業がうまくいかなくて…。」「自分は社会が好きなんだけど,子どもたちがなかなか乗ってこなくて…。」「どうやったら,楽しくなるんだろう。」「子どもたちがよく考えるような知的な社会科の授業にならなくて…。」
 子どものために頑張ろうとしているあなた。社会科の授業に真剣に向き合おうとしているあなた。実にすばらしいです。そんなあなたのために,社会科授業の達人が,社会科授業の「いろは」について教えます!もちろん,社会科授業を創る力をさら高めたいあなたにも十分満足いただけるような,ディープな話題もあります。あすの社会科の授業をともにつくっていきましょう。


日時 平成28年11月12日(土)13:00~17:00
会場 仙台市民会館 第5会議室
定員 20名

プログラム

13:00 開会 セミナーの趣旨説明
13:10 講座1(佐々木潤)
      「教師も子どもも楽しくなる社会科授業の作り方」
14:00 講座2(佐藤正寿)
      「『あすの社会科』に役立つアイディアあれこれ」
14:50 休憩
15:00 社会科授業に関するQ&A
      ・日頃社会科授業で悩んでいることについて質問を受けたことについて講師二人が答えます。
       素朴な質問,大歓迎です!
15:40 あすの社会科授業を作るワークショップ
      ・学年ごとにグループを作って,授業プランを作ります。
      ・講師の二人からもアドバイスをもらいながら,明日から使える授業を考えます。
      ※担当学年の社会科教科書をご持参ください。
16:50 閉会行事

※ 懇親会も企画しております。仙台駅周辺を予定しています。


☆ 講師紹介
佐藤正寿:1962年秋田県生まれ。1985年から岩手県公立小学校に勤務。現在は、岩手県公立小学校副校長。「地域と日本のよさを伝える授業」をメインテーマに、社会科を中心とした教材開発・授業づくりに取り組んでいる。主な著書に「スペシャリスト直伝! 社会科授業成功の極意」(明治図書・2011年)、「ゼロから学べる小学校社会科授業づくり」(編著・明治図書・2016年)、「これだけははずせない! 小学校社会科単元別「キー発問」アイディア」(明治図書・2010年)がある。月刊「社会科教育」(明治図書)に連載中。

佐々木潤:1962年宮城県生まれ。現在,宮城県公立小学校勤務。授業づくりネットワーク・東北青年塾スタッフ。お笑い教師同盟・東北支部長。楽しく,笑えて,知的な社会科授業を目指して日々研究と実践に尽力している。「一番受けたい授業」(朝日新聞社編)で全国76人の「はなまる先生」の一人に選ばれる。主な著書に「社会科授業がどんどん楽しくなる仕掛け術~どの子も社会科好きになる授業ネタ&アイデア~」(明治図書・2016年「学級開き入門」(明治図書・2015年),「一日一笑!教室に信頼・安心が生まれる魔法のネタ」(学事出版・2011年)がある。月刊社会科教育(明治図書)に多数原稿執筆。昨年度,月刊「授業力・学級経営力」(明治図書)に連載。

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2016.09.09

【HP移行原稿】佐藤学級2年目

■2年目(昭和61年度・24歳) 江刺市立愛宕小学校4年A組

■やる気満々のスタート
 2年目。希望通りの持ち上がり。無我夢中の1年目が終わってやる気満々であった。「頼まれた仕事は何でもするぞ」「チャンスがあったら立候補」という気持ちであった。
 さっそくミニバススポ少の事務局を担当。愛宕小のミニバスはその頃は県のトップクラスのチームであっただけに、責任の大きさを感じながらの仕事をした。前年度は男子が県2位、この年も3位になって共に東北大会まで進むことができた。民間コーチが本当に熱心に指導をしてくれた。
 本業の授業も、続々と研究授業を引き受けた。5月の校内研の図工、6月の市教研の社会、7月の教育課程レポートのための研究授業というように1学期は3ヶ月連続の研究授業であった。それを聞いた同僚の先生が「若いということは凄いわー」と言ったことを覚えている。(今の初任者はこれくらいのことをしているが、当時は珍しかった。) とにかく何でもやってやろうという気持ちであった。

■高熱の中での研究授業
 ところが1回目の研究授業のの朝、起きてみると頭が痛い。熱を測ると38度。休むことは考えられない。気力でやるしかない。どんどん熱が高くなっていき、体調が悪くなるのがわかった張り詰めた気持ちで何とか1時間の授業を終えた。その後、すぐに病院に行く。注射を打ってもらい研究会もがんばって出た。授業の出来、不出来はもう覚えていないが、健康管理の重要性を改めて感じた出来事であった。
 ところで図工の研究授業は珍しい経験であった。この年、図工の絵画領域の学校公開が行われた。子どもたちの技能も高かった。意図的な指導、前提となる基礎的な技能の重要性を学んだ。これは音楽、体育にも共通するものである。今は国語や算数の校内研究が多い。当時はこのように図工や体育、社会の研究校も珍しくなかった。いい時代であった。

■私の教師人生を決定づけた有田先生の講演
 昭和61年8月2日。県の社会科教育大会が宮古市であった。市教研の日であったが、当時から有名だった有田先生が岩手に来られるということで、大会の方に参加をすることにした。
 夏休み中であったが、子どもたちが登校して授業を公開した。午後、いよいよ有田先生のご講演が始まった。このご講演は衝撃的であった。今まで「つまらない講演・講義」に慣れてしまっていた。ところが有田先生のお話はまずおもしろい。笑い話を聞いているようである。それでいて教育実践の中身は深い。「自分も真似たい」と思うものばかりであった。一番なのは「教材開発が生き甲斐で楽しい教師人生」と言われた点である。会社から教員生活に入り、その刺激の少なさや職場(40代以上が大多数)ののんびりムードに、「教師は一生の仕事?」と疑問に思った時期もあったからであった自分。これで一気に有田先生のファンになった。次々に本を購読。実践も真似た。同時に向山洋一氏、野口芳宏氏の本もどんどん読む。雑誌も十数冊購入するようになっていた。手取りの2割は本代に費やした(それも教育書・教育雑誌)が、もったいなくなかった。

■組合でのレポート
 読むだけではなく、自分で何か発信したいと思ったのもこのころである。身近にあったのが、組合の教研であった。支部の生活指導に係活動のレポートを発表。「県教研にぜひ」と言われたがミニバスがあり断念。もっともこれは内容が優れていたからではなく、若手実践者が少なく「勉強になるから」という意味であるが。
 青年部の教研にも熱心に参加した。平和教育のレポートを作成。社会の沖縄の学習でのレポートである。県内の実践者の影響を受けて、「はだしのゲン」を教室に置いたり、朝の会で「今日のニュース」で平和教育に関わる出来事を伝えたものであった。このレポートには後日談がある。半年後の夏休み、岩手日報のコラム欄にレポートの一部が引用されていた。同僚の先生に「何か言われなかった?」と心配された。管理職によっては、「戦争」「平和」という言葉だけで、猛烈な指導を受ける場合があるというのである。むろん、そのようなことは心配無用であったが。

■学級通信と大失敗
 発信はレポートだけではない。学級通信も有田先生の講演会後の2学期から発行しはじめた。
 授業や子どもの様子はもちろん、自分の研修記、本の話等、何でも詰め込んだという形の学級通信であった。一日2枚発行したり、冬休み号(20枚ぐらい)も出したりしたので、最終的には2学期からの発行にもかかわらず178号まで出した。
 今だったら絶対出さないようなものでも平気で出していた。たとえば「頭を悩ます研究紀要」「先生が授業をしない」といったものである。親御さんはよく文句を言わなかったものだと思う。確かに毎日通信を発行する教師は当時の愛宕小ではおらず珍しかったからであろう。面談の時に励ましを頂いたこともあって、自分もやり続けることができたのだと思う。「学級通信」は自分の学級経営の武器の一つとなった。

■ あれこれ
 10月に引っ越し。分けあり引っ越しで新しい住まいは間借り。しかも玄関には大家さんの犬がいて帰るたびに吼えられていた。おかげで飲み会の帰りなどは近所に大迷惑をかけることとなった。隣にはゲートボール場があり、ゆっくり寝ていたい休日に限り「はい!2番ゲート通過!」の声で目が覚めたものであった。
 またこの年、大学時代いろいろあった両親(山梨)とも普通に行き来ができるようになった。映画を観る回数はさらに減る。秋田に帰る回数も同様。ただ、帰省した時には必ず会う親友がいた。彼の実践は大いに刺激になった。
 12月にワープロを購入。会社勤め時代にわずかであるが使っていたので、すぐに慣れた。それでも「ワープロで学級通信」というのは考えられない時代であった。書き手も読み手もである。

■2年目の学級経営
 1年目と違い、2年目は多少なりとも学級経営に自信が持てることができるようになった。子どもたちの成長に手応えがあったし、学力も1年目よりも身につけさせることができたように思えた。(これは次の年に「甘かった」ということを知る。)一年目と違い、親御さんへの対応にも少しずつ余裕が出てきた。「先生のつうしんぼ」にも取り組んでみて、好評だったことに自己満足。もっともこれらは、今考えると「まだまだ」なのであるが。当時としては精一杯であった。

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2016.09.08

【HP移行原稿】佐藤学級1年目

■1年目(昭和60年度・23歳) 江刺市立愛宕小学校3年A組

■ 念願の教師に
 大学卒業時に採用試験不合格だった自分。家庭の事情でアルバイト三昧だった大学時代は、十分な採用試験対策もしなかったため、あえなく一次で不合格。講師の口も希望をすればあったとは思うが、「会社に入るのもおもしろそう」ということで、学習塾の会社に入る。教えることがメインの仕事であったが、セールス等の様々な仕事もした。社会人1年目だったため、失敗もしばしば。社長にこっぴどく叱られ、会社で涙が止まらなかったこともある。でも、この1年間は教員では体験できない貴重なことばかりだった。
 そんな中で受けた採用試験。運よく岩手県が採用してくれた。今のように倍率が高くない時代。その点では本当にラッキーだった。県南を希望していたら、江刺市とのこと。採用前に訪れた日、春の青空が広がっていたことを思い出す。

■ 子どもの前に立つ
 初めて出会った子どもたちは3年生(学年2クラス)。会社では中学生相手だったので、ずいぶんかわいいなあと思ったものである。出会った日に、ある子が聞いた。「先生、休み時間、遊んでくれる?」「もちろん、一緒に遊ぼうね。」 この年優勝した阪神タイガースの野球帽をかぶった子は「やった!」と喜んでいた。
 それからは本当に休み時間は子どもたちとよく遊んだ。サッカー、鬼ごっこ、遊具遊び・・・。遊びのために授業時間はきっかり終了。すぐに子どもたちと汗だくになって教室に戻ってきた。授業の腕など未熟に決まっている。その未熟さを遊ぶことでカバーしていたのかもしれない。

■ 子どもが集中していない・・・
 しかし、休み時間の遊びで学級経営がうまくいくほど甘くない。6月に新採用者対象に研究授業をすることになった。(なぜか自分が指名された) 今のように長い初任者研修などない時代だったから、そのような研修があってものんびりしたものだったが、当時の教頭先生が心配して授業を1時間参観してくださった。その中で言われたのは
「子どもが集中していない・・・」ということであった。
 それまで教師の授業行為ばかり意識していて、子どもたちに目を注ぐことをあまり気にしていなかった。それだけで精一杯だったのである。
 そこから6月の研究授業に向けて学級の立て直しが始まった。様々な手立てを講じたことを覚えている。研究授業も何とか乗りきった。この年は合計5回の研究授業を行った。一つ一つが立て直しの場になった。

■ たくましい子どもたち
 今考えたら子どもたちはたくましかった。私が住んでいたのは、隣の学区のアパート。子どもたちの家とは数キロ離れていたのであるが、休日は走って遊びにきたものであった。10人ぐらいの団体で来られた時にはさすがにアパートに入りきらなかった。
 自己主張も子どもたちはよくしていた。日記を毎日書かせていたので、子どもたちの心がその分見えたものであった。

■ 研修の場
 新採用ということで「忙しかった」(今考えると十分な時間があった時代)ためか、あちこちの研修会に行くということはあまりなかった。そんな中、組合に入って生活指導の学習会や青年部教研に行ったことは、刺激的であった。「自分もレポートを書く人にならなくちゃ。読む人でとどまっていちゃだめだ。」と思ったものである。
 組合には10月に加入。学生時代の卒論の一部に石川達三の「人間の壁」と取り上げたことがあり、最初から加入することは決めていた。職場は40代以上がほとんどだったから、青年部での横のつながりは貴重であった。

■ ありがたき親御さん、職場の先生方
 今考えれば授業の腕が未熟なのに、親御さんは有り難かった。温かく見守ってくださったからである。最初の授業参観の時に眠ってしまった子がいても、学級通信を全く出さなくても・・・である。違う学校だったら、次々に要望が来ていたかもしれない。
 それどころか、独身だからということでよく食べ物を頂いた。ある時など、おでんの入った鍋がアパート入り口に置かれていたこともあった。(次の日にある子が「おでん、あったでしょう」)
 職場の先生方も有り難かった。何もわからない新採の活動を見守ってくれたからである。たとえば6年生を送る会の出し物練習でも同学年の先生は一切任せてくれた。指導案も事前検討会で「こうしたら」と意見はいただいたが、「でも、こうやらせてください」と主張を通したこともしばしばだった。そのあげく失敗をするのだが、その方が無難に成功するより学びが大きかったと今となっては思う。

 それにしても教育関係の本はさっぱり読まなかった。教育雑誌を数冊、本を月に2,3冊読む程度であった。大学時代のなじみの本を読むことの方が多かった。前年まで年に百数十本見ていた映画も、映画館が少ない地ということで激減。「ライフワークに」と思っていたが夢の如く消えた。

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2016.09.06

つぶやきより

ここ1ケ月ほどのフェイスブックでのつぶやきです。

・愛知県春日井市での講師役終了。4年連続夏にお邪魔させていただいた。毎年思うことであるが、運営の先生方の企画力、運営力のすばらしさに、私も満足度も常に高い地である。今年もそうだった。さらに6年生への飛び込み授業。単元終了後の次の時間なので今回も単元1時間目の導入。鍛えられた子どもたちの授業は楽しいものだった。

・昨日は春日井市・小牧市のフィールドワークに参加させていただいた。貴重な機会だった。イチローの記念館に行ったら、小学校時代の陸上大会100mの賞状があった。町で3位。記録も驚くほどでもなかった。そういえば日ハム大谷選手も、担任した子たちと同じ陸上記録会に出ていたと思うが、「すごい」というような記憶はなし。二人とも中学校・高校でがんばったのだろうと思うし、ある意味で小学生の励みにもなりそうなエピソードだ。

・雷雨のため名古屋空港からの飛行機が欠航。急遽送っていただき、名古屋駅から自宅まで新幹線の旅となった。土日によく乗る最終の「やまびこ」。平日は久しぶりだ。自由席は立っている人もいて、その混雑に驚いたが、宇都宮駅でドッと降りた。宇都宮から首都圏まで新幹線通勤している人たちだった。新幹線が通勤範囲を広げていることを実感した。

・10年前に地区社研を一緒に行った仲間を招いて、道徳部会の研修会。今は県の道徳教育研究会の事務局長である。「道徳資料は映画のようなもの」という言葉が印象に残った。その頃大谷選手がいた学校に勤務していたので、この前気になったことも尋ねた。やはり、小学校時代はあれほどの選手になるとは思っていなかったとのこと。それよりも彼の「いつか大谷選手の道徳授業をしたい」という考えに「確かに!」とうなずいてしまった。

・オリンピック開会式のNHKアナウンサーが阿部渉アナと、先ほど紹介されていた。勤務校水沢小学校の出身である。夏休み前に子どもたちに教えたかったなー。阿部アナの父親は初任校時代の校長先生。昨年まで勤務校の学校評議員。若さに任せてあれこれ行う自分を温かく見守ってくださったことを思い出した。

・第5回有田和正継承セミナー終了。古川先生と2人で有田先生について話した。最後のQAでは、有難い質問が続出で有田先生の思い出が頭を駆け巡る幸せな時間になった。限られた参加者数は対話を深めることもできる。講師役として満足度が高いセミナーだった。

・昨日のセミナーでは「有田先生の楽しい教室づくり」について話した。有田先生といえば、どうしても教材開発や授業の名人といった面がクローズアップされるが、学級づくりでも多くの実践群を後世のために残されたことを実感した。

・兵庫での講師役終了。すばらしい聞き手の皆さんの前で話すことの有難さを感じた。その研究会を育てた先生方は、何年も前からの研究仲間。「熱い思い」が人を動かすことを感じた。その思いはどんどん下の世代に伝わっていくであろう。ステキな感想集は自分の宝物になりそうだ。

・昨日の学習会の模擬授業でこの夏の登壇は終了。今年もよき夏だった。十数分の模擬授業では、思い切って削ることの重要性を改めて感じた。反省点も多々ある授業ではあったが、それも実践したからわかること。「努力と挑戦」は何歳でも必要である。

・「9勝6敗を狙え」…今朝の新聞に掲載されていた色川武大さんの言葉。確かに人生はいつも勝ち続けられるわけではない。9勝6敗なら勝率6割。少し気楽になる。

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2016.09.05

【HP移行原稿】「よりよい生活人」を目指す新家庭科教育3

提案4 家庭科情報リテラシーを高める

1 消費者教育における家庭科情報リテラシーの必要性

 今後、情報化社会はより一層進行し、家庭科に関わる情報も今以上に増えてくるであろう。その中でも、特に消費活動に関する情報は、子供たちにとって身近なものである。
 事実、子供たちは日常生活の中で、お菓子、衣料品、玩具類等様々な消費活動をお粉っている。また、そのような消費活動を促進するテレビコマーシャル、雑誌等での宣伝も盛んである。
 そんな状況の中で、子供たちに必要なのは「情報リテラシー(情報を読み解く力)」である。情報を、自分なりの見方で適切に生活の中に取り入れ、判断をし、消費活動の意志決定をすることが大切と考える。

2 実践例「発見!パッケージの秘密」

 現在購入する商品のほとんどが、パッケージされている。そのパッケージには、実に多くの情報が含まれている。ところが、子供たちが実際に商品を購入する際に、そのパッケージをよく見るという子の割合は低い(我が学級で3割ほど)。
 そこで、商品のパッケージの情報に着目させる授業を行った。

 教室にズラリと並んだ商品のパッケージ。お菓子の袋、カレー粉の箱、空き缶等々。子供たちが家庭から持ってきたものである。
 それらを最初に紹介をする。「あっ、それ食べたことがある」「へえ~、そんなも物もあるんだ」と子供たちは興味深そうにパッケージを見つめる。そこで、子供たちに聞く。

 いろいろな商品のパッケージを見て、わかったこと、思ったことを書き、発表しなさい。

 さっそく、実際にパッケージを手にして分析する子供たち。次のようなことに気付いた。

■わかったこと、気付いたこと
・中に入っているものが書いてある  ・保存方法がある  ・注意書き(してはいけないこと)が書いてある  ・作り方がくわしく書いてある  ・一口メモもある  ・メーカーがわかる  ・栄養やカロリーがわかる  ・賞味期限が書かれている  ・量がわかる  ・原料がわかる  ・どこの国から来たものかわかる  ・おまけのプレゼントを書いている  ・お客さま相談室の番号が書いてある  ・ホームページや会社の住所が書かれている  ・調理例がある・・・・等

■思ったこと
・栄養のことが書かれているのは、食べる人のことを考えているんだと思った。
・消費期限が書かれているのは大事なことと思った。
・実際にものの写真があると、その中身がよくわかる。
・いいことをたくさん書くと買ってもらえる可能性が高いのでは。

 たくさん出たところで、子供たちに「これらの情報がもしパッケージになかったら、どんなことが困りますか」と聞く。
 「商品の苦情が言えない」「作り方がわからなくて困る」「いつまで大丈夫な食べ物か分からない」等、これまた多くの反応が出てくる。パッケージの有用性について、少しずつ子供たちは感じとってきた。

 では、それらのパッケージの工夫には、どんなよさがあると言えますか。

 改めてパッケージの情報を得ることのよさを問う発問である。子供たちからは、次のような反応が出てきた。

・作り方が書かれていると初めて買う人にとっても大丈夫だ。
・注意点があると危険がない。
・買うときに安心する。(賞味期限等)
・自分が商品を買うときの目安になる。
・会社名や電話番号があれば、品質保証している・・・等

 このように子供たちの視野は広がった。
 しかし、パッケージの情報にも「買わせるため」の誇大宣伝の例もある。そこで、子供たちに「パッケージを見て買ったけど、失敗した点はありませんでしたか。」と聞き、例を出させた。よさと同時にこのような視点も必要であろう。
 最後に、「あなただったらパッケージを見て、これからどんなことに気をつけて商品を購入しますか」と問い、自分なりにまとめさせて授業を終えた。子供たちは、この授業で次のような感想を持った。

・はじめてよくパッケージを見ました。いろいろな事がわかりました。栄養もわかるし、どこで作られたかもわかるから、パッケージはいろいろと便利だと思いました。
・パッケージがあるといろんなことが分かって、役に立つことがわかりました。今度から、カロリーや作り方をちゃんと見て、おいしく食べたいと思います。
・いつもあまり気にかけていなかったパッケージも意外にとても大切だったと改めて思いました。これからはよく読みます。
・パッケージというのは、私が考えているよりも重要な役割があることがわかった。特に、保存方法や会社名などの意味がわかった。

 感想からわかるように、子供たちのパッケージに対する視野が広がる授業となった。

3 その他の取り組み

①他教科と関連づけて取り組む
 社会科の情報の学習で、「発見!テレビコマーシャルの秘密」という学習を行った。
 これは、テレビコマーシャルが、商品の購買意欲をそそるためにどのような工夫をしているかということを分析するものである。
 子供たちに人気の高いテレビコマーシャル(2000年11月時点)の「ポッキー」「ジョージアの缶コーヒー」について、実際のコマーシャル映像を見ながら分析させた。
 「人気のあるタレントを使っている」「音楽がおもしろい」「思わず食べたくなるようなお菓子の写し方をしている」等、子供たちはコマーシャルでの工夫を発見していった。と同時に、「自分たちがその商品のターゲットになっている」ことにも気付いた。
 商品のテレビコマーシャルについての見方が深まった授業となった。

②家庭学習で取り組む
 先に例を出したパッケージやテレビコマーシャルの分析は、家庭学習でも取り組むことができる。
 授業で興味を持った子供たちは、さっそくパッケージの秘密の追究をさらに行ったり、テレビコマーシャル日記を書いたりした。
 必要に応じて教師はノートをコピーし、学級の掲示板に貼った。そのことによって子供たちの興味や情報の見方もさらに深まった。

 何も1単位時間の授業でなくても、このような日常的な取り組みで、よりよい消費者教育は可能と思われる。

Ⅲ 新家庭科PR作戦

 保護者の中には、自分の記憶に残っているイメージから、「家庭科は裁縫と調理の技能を習得する教科」ととらえている方がいる。
 また、教員でも「家庭科の研究授業を見たことがない」という人は多い。
 「よりよい生活人」を目指すためには、家庭との連携は不可欠であるし、家庭科教育のよさをあまり知らない教員へのPRも必要と考える。その活動の一環として、次のようなことを行っている。

1 保護者に直接的、間接的に学習活動に参加してもらう
 保護者の家庭科教育に関する理解を深めるには、授業に参加してもらうのが一番である。日常の授業に参加してもらうのが大変なのであれば、授業参観の時に家庭科の授業を行い、その中で「家庭での工夫」について話をしていただくことも可能である。
 また、子供たちの家庭での聞き取り活動や、学習したことを保護者の協力のもとに家庭で実践してみることは「間接的」な学習活動への参加となる。
 工夫次第で保護者の学習活動への参加は可能なのである。

2 学級懇談会および学級通信を最大限利用する
 懇談会で話をするだけではなく、家庭科の授業の様子をビデオで見せる。学級通信を通じて、授業の様子および家庭科教育に対する考え方等を保護者に知らせている。
 家庭での話題に一つになっている。

3 地域人材活用は教職員への理解へのチャンス
 地域人材を活用した授業は、日常あまり家庭科教育に関心がないと思われる教職員への理解を図るチャンスである。授業終了後にその成果を、職員集会等で発表することにより、教職員の関心も高まるであろう。

4 ホームページによる発信で、実践の共有財産化を
 自分の実践を公開する有効な方法の一つとして、ホームページによる発信がある。私自身もホームページを作成し、今までの家庭科実践を掲載している。


Ⅳ おわりに
 この1年間、岩手県家庭科教育研究会の授業者として、家庭科教育についてたくさん学ぶことができました。今まで自分なりの教材研究はしてきたものの、本格的に研究をしたことは初めてでした。学べば学ぶほど家庭科教育の面白さ、奥深さを感じました。その点で、たくさん学ばせてもらった県家研下閉伊地区の会員の皆様に感謝いたします。
 また、1年間の実践をまとめる貴重な機会を与えてくださった筑波大学附属小学校の町田先生にも感謝申し上げます。ありがとうございました。
 むろん、家庭科教育の実践についてはまだまだです。自分が学んだことをさらに今後の実践で生かしていきたいと考えています。

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2016.09.04

【HP移行原稿】「よりよい生活人」を目指す新家庭科教育2

提案2  「総合」で家庭科を強くする

1 総合的な学習を活用して、家庭科を強くしよう

①「総合的な学習→家庭科」という視点の重視
 総合的な学習は、家庭科における「よりよい生活人」の強力な援軍である。ただし、それも「いい関係」であった場合である。次のようにして、家庭科と総合的な学習の「いい関係」を深めるべきと考える。
 総合的な学習と家庭科との関わりを考えると、「家庭科が総合的な学習にどのように結び付いているか」という例が多いのではないか。たとえば、「家庭科で学習した衣服に関わる製作技能が、福祉交流でのプレゼント作りに役立つ」「調理でのゴミの処理や住まい方での工夫が、環境教育に発展する」といったようにである。
 この視点は、家庭科と総合的な学習を考える基本である。
 それに加えて、「総合的な学習→家庭科」という視点をより重視すべきであると考える。
 総合的な学習での経験を、どんどん家庭科の学習に生かすという視点である。

②例・総合的な学習「手作り名人を見つけよう」での「ひゅうず」調べ
 5年生の総合的な学習で、地域の伝統的なお菓子の「ひゅうず」を調べたことがあった。
 これは、「手作り名人を見つけよう」という単元の中で、「地域に伝わるひゅうず作りの名人」も「手作り名人」ということで調べたのである。
 「名人に会う前に、自分たちが『ひゅうず』について知らなければいけない」ということで、子供たちに「調べること」を考えさせた。次のようなものが出てきた。

■ひゅうずという名前の由来と歴史
■ひゅうずの作られている地方
■ひゅうずの作り方
■ひゅうずの種類と売られているお店
■ひゅうずの栄養といいところ
■ひゅうずの思い出

 さっそく子供たちは調べ始める。家の人からの聞き取りだけではなく、親戚に聞いたり、インターネットの資料を活用したりして、ひゅうずが古くから家庭での手作りお菓子であり、昔の子供たちにとっては実に思い出深い味であることに興味を示した。
 また、家庭によって作り方の違いがあることや様々な種類のひゅうずが売られていることを知り、いろいろと工夫できるお菓子であることを知った。
 このひゅうず調べにより、実際にひゅうず作り名人(地域人材)をお迎えした時には、価値のある学習をすることができた。

③総合的な学習が豊かにしたもの
 では、子供たちが総合的な学習で行った「ひゅうず調べ」の経験は、家庭科にどんな点で役立つのか考えてみる。次のような点で、メリットがあったように思われる。

★総合的な学習が家庭科学習の動機づけになる
 →楽しい体験が、食領域での意欲につながるであろう
★総合的な学習で得た調べ学習での視点が、家庭科学習に生きてくる
 →「由来」「意義」「栄養」「作り方」といったような「食べ物調べ」に対する視点が形成された
★地域人材のさらなる活用
 →総合的な学習での地域人材は、家庭科でも活用可能な場合がある

 このように総合的な学習で学んだことは、家庭科の学習を豊かにすると考える。それどころか、教師自身が家庭科を、総合的な学習を活用して積極的に豊かにさせるべきと考える。家庭科自体の授業時数も内容も新学習指導要領では減るのである。この発想は、その対応策の一つと考える。
 そのためには、学校の家庭科および総合的な学習の年間指導計画の関連を見通すことが大切であると考える。
 特に、総合的な学習は3年生から始まる。3年生から4年生までの総合的な学習で、家庭科の学習を豊かにする経験や視点の蓄積が、これからの家庭科教育の武器の一つになるのではないかと思う。

2 家庭科内での「知の総合化」を目指す

 何も総合的な学習ばかりが、家庭科と関連づいているわけではない。他教科との関連も「よりよい生活人」を目指すために重視したい。
 たとえば、ごみについて、4年生の社会科で学習した知識を活用することができる。ごみの種類、その分別の方法についてである。
 ただ、教科との関連で留意しなければいけないのは、あくまでも他教科で得た知識は、「学習を支える一部の知識」にしかすぎないということである。「油を排水口にそのまま流して処理してはいけない」といった知識を得ていても、それが家庭科の場合に実行できなければ意味がない。
 それを前提とした上で、他教科で得た知識も積極的に活用できるようにしていきたい。
 さらに他教科よりも推進していくべきは、「家庭科内での『知の総合化』」である。
 新学習指導要領によって、複数の領域を組み合わせての学習がしやすくなった。そこで、大胆な単元の編成が可能ではないかと思われる。
 たとえば、「冬のくらし」では次のような内容構成が考えられる。

例:単元名「冬のくらしを豊かに」(6年生)
■学習内容
 ・冬に水道代や電気代が上がる理由の追究
 ・街中での冬のくらしのすまいの工夫発見
 ・あったかい手作りおやつはこれ
 ・我が家の寒さ対策
 ・作ってみよう!冬に役立つものを
 ・冬のくらし新聞を作ろう

 一つ一つの学習内容が、子供たちの意識の中でつながっているので、より効果的な学習成果がうまれるのではないかと考える。ただ、このように総合化する場合には、安易な内容の統合をさけるべきである。子供たちの知の系統性や学習意欲の吟味が不可欠なのは、言うまでもない。

提案3 「家族のよさ・地域のよさ・日本のよさ」を伝える視点で

1 子供たちに「誇り」を持たせる

 学習をする中で、子供たちに「家族のよさ・地域のよさ・日本のよさ」を感じ取らせることが大切だと考えている。自分自身の生活の根本のよさを感じることは、「よりよい生活人」になることに直結するものと思うからである。
 「家族のよさ・地域のよさ・日本のよさ」を知ることにより、「家族っていいな」「自分たちの地域や国にはこんなすばらしいことがあるんだ」といった「誇り」を持つであろう。

 国際化の波が教育界にも押し寄せている。総合的な学習で国際理解教育も盛んである。こういう時代だからこそ、「自分の家族のよさ」「自分の地域のよさ」「自分の国のよさ」を堂々と語ることができる子供たちに育ってほしいと願う。

 何も1時間、「家族のよさ」「地域のよさ」というように抽象的に考えさせる必要はない。具体的な事例の中で子供たちが意識化するような手立てをとっていくことが大切と思う。場合によっては、5分程度のちょっとした話でも可能である。
 そのような観点から教材開発をしていくことが大切と考える。
 たとえば、「よりよい生活人の見本、家族から『家庭での仕事のこつ』を学ぶ」「日本に伝わるくらしの伝統行事をさぐる」といったようにである。他にも地域の特産物とその調理法、地域にある住環境等、素材は幅広い。

2 例1「よりよい生活人の見本、
      家族から『家庭での仕事のこつ』を学ぶ」

 5年生最初の単元は「仕事、任せて大作戦」であった。
 家庭での仕事について考え、実際に自分ができる仕事について実践してみるというものである。日常でお手伝いをしている子がほとんどであったが、そのお手伝い以外に1週間、家の仕事を行うというものである。「玄関そうじ」「食事作り」「洗濯物の後片付け」等、子供たちは自分の興味のあるテーマを選んだ。
 自分が選んだ仕事については、ふだんしているわけではないので、当然わからないところが出てくる。そこで、次のように指示をした。

 家族から「家庭での仕事のこつ」を聞きなさい。それをあとで「5年生・家族の仕事百科」にまとめます。

 家庭での仕事については、やはり母親や祖母はプロである。子供たちは1週間、家の人から学んだことをもとに実践をした。そして、今まで気付かなかった「家庭での仕事のこつ」を各自がつかんだ。
 それを表に一人一人まとめた。全員分を閉じると、「5年生・家族の仕事百科」の完成である。読んでみるとなかなかおもしろい。
 お家の人へのお礼の意味もあって、授業参観(算数)の冒頭の時間を使い、その「仕事のこつ20秒スピーチ」を行った。
 子供たちの一人一人の仕事での奮闘ぶりや実際に道具を持ってきてこつを紹介する度に、大きくうなずいたり、思わず拍手をしたりする家の人もいた。いい場面であった。
 単元終了での感想では、「お母さんから、仕事のこつを学んでもの知りになることができ、よかった」といったことが多く出てきた。
 家庭での仕事はやはり「家庭での仕事のプロに」に聞くのは一番、ということを子供は実感した。

3 例2「おせち料理の意味は?」
 日本の伝統行事の中でも「おせち料理」は、子供たちになじみの深いものである。
 しかし、その料理自体の知識はあまり家庭で話されることがないという。そこで、2学期最後の家庭科の最初の時間を使い、「おせち料理の意味は?」という学習をした。(15分ほど)

1 おせち料理にはどんなものが入っていますか
 (黒豆、伊勢海老、田作り、かまぼこ・・・等いろいろと出てくる。「あまり食べないといった」声も聞こえる。)

2 実は一つ一つの料理にはいろいろな願いがこめられています。
・黒豆の「まめ」には、まめに「  」という思いがあります。「 」には何が入るでしょうか。(すぐに「働く」という言葉が出てくる。)そうですね。健康に働けることは今も昔も大切なことです。さらに関東地方では、「しわがよるまで長生きできるように」ということで、黒豆をしわがよるまで煮込むそうです。
・数の子も縁起がよいとされています。何かに恵まれるからです。(子供)それだけではなく、「よいことに数々恵まれる」とも言われています。
・栗きんとんも縁起のよいものです。漢字では、「栗金団」と書きます。「金」がたまるとされています。
・かまぼこは、どこが縁起がいいのでしょうか。(色、紅白) 赤色は難しいことは退ける、白は清らかなことを表しています。

3 おせち料理はこのように一つ一つ願いが込められているのです。

★子供たちの感想
・私が知らなかったお正月のことがわかってうれしいです。子宝に恵まれるように、私はお正月に数の子を食べようと思いました。
・正月は今まで何となくやってきたけど、こうして学習してみると由来がたくさんあることがわかりました。
・大掃除は何となくめんどうくさいと思っていたけれど、必要があったことがわかりました。
・ぼくはおせち料理をあまり食べないから今度は食べるようにしたいです。

 感想からもわかるように、子供たちは改めて「おせち料理」に関する意味を知ることができた。
 このように伝統行事やならわしで衣食住に関わることはけっこう多い。「お月見」「七五三の晴れ着」もそうである。それに関わる学習を、月に一回ぐらい10分程度で行う。子供たちは今まで知らなかったことが多いので、喜んで話を聞く。
 私自身もこのようなことを伝えていくことの大切さを感じる。

4 「家庭・地域・日本」のよさを伝えることのメリット
 
 「家族のよさ・地域のよさ・日本のよさ」を伝える視点を持つことによって、次のようなメリットがあると感じている。

 ・家族を含め、その道の専門家から直接学ぶことができるので、子供たちの学習意欲が高まる。同時に、人から学ぶことは生き方が学ぶことにつながる。
 ・家族・地域の一員としての自覚や誇りが高まる。
 ・学習する対象が身近なことが多く、今までの生活経験の中で得た知識が活用できる。

 そのような教材開発をするためには、まず教師自身が「家族のよさ・地域のよさ・日本のよさ」を学ぶことが大切と考える。そして、教師自身が「おもしろい」「感動した」というものは、子供たちもやはり興味を持つ。そのような内容をたくさん蓄えることの必要性を感じる。

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2016.09.03

【HP移行原稿】「よりよい生活人」を目指す新家庭科教育1

2001年2月の筑波大学附属小学校研修会家庭科部会での発表レポートである。

Ⅰ 新家庭科教育で目指す指導軸

1 子供たちにとって魅力的な教科、家庭科

 今年度、5年生22名の担任になった。
 出会い2日目のスピーチ。「家庭科の授業が楽しみ」と言った子が5人もいた。今まで文化祭での家庭科作品や家庭科室での調理実習の様子を見て、子供たちなりに感じていたのであろう。また、始業式の日に配布された教科書からも、家庭科という教科の楽しさが伺える。それらの要素があいまって、家庭科に期待するスピーチが出
てきたのであろう。
 「子供たちのこの期待に沿う授業をしなければ」と子供たちのスピーチから心したものである。

2 担任が家庭科の授業をするよさを生かす

 岩手県では小規模校が多いため、家庭科の授業は担任がそのまますることが多い。
大規模校は専科もいるが、それも学校ごとの裁量である。
 私自身は4度目の家庭科授業である。
 「専科の先生が家庭科授業を受け持つよさ」、「担任が家庭科授業を受け持つよさ」、それぞれあるだろう。たとえば、専科の先生が受け持つ場合、「より専門性が発揮できる」「教材研究がより深まる」ということが言える。また、担任が受け持つ場合には、「他教科との関連が持ちやすい」「一人一人のよさを深く見ることができる」といった点がメリットである。
 ここで大切なのは、「それぞれのよさを生かす家庭科授業を展開すること」だと思う。私自身、「家庭のよさを生かした授業」「懇談会、学級通信を通して家庭科授業の様子を積極的に伝える」といった点で、担任としてのよさを多いに生かしたつもりである。(これについては後ほど述べる。)

3 「よりよい生活人」を目指して

 現在は新学習指導要領の移行期間である。「時数減に対応した指導方法の改善」「総合的な学習との関連の明確化」といった課題解決も急務である。そのような今、必要なのは、一人一人の教師が持つ「指導軸」ではないだろうか。新学習指導要領のねらいに沿った自分なりの主張および実践である。
 小学校学習指導要領における家庭科の目標は、「衣食住などに関する実践的・体験的な活動を通して、家庭生活への関心を高めるとともに日常生活に必要な基礎的な知識と技能を身につけ、家族の一員としての生活を工夫しようとする実践的な態度を育てる」ということである。
 究極のねらいは、最後の文言の「生活を工夫しようとする実践的な態度」を養うことにあると考える。
 このねらいに即して、私は「よりよい生活人」という指導軸を設定している。「主体的な学習を通して、子供たちが質的に高まった生活を送るようにすること」が「よりよい生活人」の目指す点である。
 その過程で、家庭生活を高めようという意欲、生活に必要な基礎的技能、家族の一員としての自覚を高めることができる。そして、その実践的な活動が、子供たちの生きる力に直結するのである。

Ⅱ 「よりよい生活人」になるための提案

提案1 「発見」「広げよう」をキーワードに

1 そのよさ

 単元構成を考える時に、「発見」「広げよう」をキーワードにするようにした。
 そのよさは次の点である。

■「発見」をキーワードにするよさ
・「発見」することは、子どもたち自身が主体的に知識や技能を獲得することを意味する。必然的に、子供たちの主体的な学習活動を保障する学習展開となる。
・「発見」することは、新たな知の広がりを意味する。それは学ぶ喜びにつながり、学習意欲の高まりとなる。
・「発見」は、一人一人違うことが多い。その一人一人の「発見」が、学級全員の学び合いを通して、学級全体の「発見」に発展する。それは、その単元での習得すべき内容であることが多い。

■「(学び)を広げよう」をキーワードにするよさ
・学習の最終ゴールを「広げる活動」にすることにより、学習の目的意識が高まる。
・「広げる活動」は、一人一人が多様な内容で、多様な表現方法をすることが多い。それは一人一人のよさを発揮させることにつながる。
・「広げる」ためには、今までの学びを振り返ることになる。それは、自分自身の学びを自覚することになる。

2 具体的な単元構成

 単元「発見!わたし、ぼく流野菜の食べ方」(5年生1学期実施)から、その単元構成について紹介をする。

①単元の導入段階で強烈な動機づけを
 単元の導入段階で、その単元の学習内容に広がる強烈な意識づけと視点づくりが必要である。教師はそのための布石を打つ。

例・「とりたて野菜、最高」(1・2時間目)

②自分なりの調べ活動で、知識を蓄える
 家庭科においても調べ活動をどんどんさせるべきと考える。そこで得た知識がベースになり、子供の学習意欲は高まり、知識は広がりを見せる。

例・調べたことを画用紙に分かりやすくまとめよう(3時間目)

③試行錯誤から発見させる
 発見は自ら意図的に試みて検証した時に生まれる。そのために、試行錯誤の活動を保障すべきである。ただし、ある程度の知識を子供自身の力で蓄積していること、子供の力で獲得しえなかった基礎・基本的な内容は教師がきちんと教えることが前提である。

例・「発表・実技・観察」で知恵を身につける(4~5時間目)

④わたし、ぼく流を意識させる
 基礎・基本が定着したら、一人一人の思いを実現する方向性で内容を工夫する。それは、「わたし、ぼく流」という言葉でくくることができる。

例・わたし、ぼく流でまずは試し作り(6・7時間目)

⑤広める活動により、自分の学びの自覚を
 まとめの段階で自分の学びを広げる。「学級で・学校で・家庭で・地域で」と方法は多様である。それは、子供たち自身が自分の学びを自覚することにつながる。

例・わたし、ぼく流レシピを発見し、広める(8~11時間目)

3 他の単元でも応用を

 先の5つの単元構成の考えは、他の単元でも応用できる。たとえば、2学期の「発見!わたし、ぼく流ヘルシー野菜炒め」では次のような単元展開を考えた。(略)

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2016.09.02

第5回授業深掘りセミナー

第5回目の授業深掘りセミナーの案内が出ています。
今回は校務のため不参加ですが、間違いなくエキサイティングな授業&検討会になることでしょう。
ぜひ足を運んでください。
申込みはこちらからです。

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授業と学び研究所主催のセミナー案内です。

 定評のある講師陣の「模擬授業」から学ぶ「教材研究のあり方」と「授業技術」。
さらに教師として知っておきたい教育情報を学ぶセミナーです。
 今回は、愛知教育大学教授である飯島康之先生が開発されたGCという図形ソフトを模擬授業で活用します。
開発者の飯島先生にも「深掘り」に参加していただくことにしました。

※レギュラー講師=伊藤彰敏、佐藤正寿、野木森広、和田裕枝、神戸和敏、玉置崇

期日  10月15日(土) 午後1時から午後5時

場所  EDUCOM愛知本社 研修棟
    (愛知県春日井市如意申町7-7-5 電話:(0568)35-7601

参加費  3000円

セミナー内容

1 セミナー趣旨説明(10分間) 研究所所長 小西克哉

2 模擬授業+授業の深掘り(その1) 模擬授業+深掘り=70分間
 ・模擬授業(神戸和敏、数学)
 ・授業の深掘り(教材研究+授業技術)
 進行:玉置崇
 パネリスト:飯島康之(特別ゲスト)、大西貞憲、和田裕枝、野木森広

3 模擬授業+授業の深掘り(その2) 模擬授業+深掘り=70分間
・模擬授業(伊藤彰敏、国語)
・授業の深掘り(教材研究+授業技術)
 進行:玉置崇
 パネリスト:大西貞憲、和田裕枝、野木森広、神戸和敏

4 教育情報知っ得!コーナー 30分間開催
   提案 後藤真一 10分間プレゼン+参加者による意見交流

5 (終了後)フリー相談コーナー
・参加の方からの相談に応じたり、さらに声をお聞きする時間を20分間ほど設けます。授業者とパネリストで応じます。

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2016.09.01

【HP移行原稿】家庭科・たのしい実践原稿

家庭科・たのしい実践

 1 二つの「+α」

 家庭科の調理実習の時間は、子供たちにとって間違いなく楽しい。計画を立てることも、実際の調理も楽しい。そして何よりも、自分が作った料理のおいしさ。たまらない魅力であろう。
 しかしながら、その意欲が単なる「実習計画→調理」で終えるのはもったいない。
 単元構成をもっと工夫できるのではないか。通常の活動に何らかの「+α」を加えることによって、子供たちはより意欲的に学習をするのではないか。
 そう考えた。
 では、どんな「+α」が可能か。
 五年生の二学期の調理実習。野菜炒めの学習内容で、次の二つの「+α」を考えた。

 その1 「ヘルシー野菜炒め」という視点を組み入れる

 野菜炒めに「ヘルシー」という視点を加えることにより、調べる観点が深まる。「ヘルシーのためにはどんな野菜を選ぶか」「炒め方や味付けをどうすれば、ヘルシー野菜炒めになるか」というようにである。
 二つ目の「+α」は次の点である。

 その2 「発見」「わたし・ぼく流」「広めよう」をキーワードに

 単元を貫く学習キーワードがこれである。このキーワードを設定することによって、子供たちの単元構成の幅が広がる。今回の単元、「発見!わたし、ぼく流ヘルシー野菜炒め」では、これらをキーワードとすることにより、次のような学習活動の工夫につながった。

■「発見」→調査活動からの発見、試行錯誤からの発見
■「わたし・ぼく流」→自分なりの調べ活動、個性的な野菜炒め
■「広めよう」→学んだことを表現
 以下、具体的に紹介する。

 2 単元「発見!わたし、ぼく流ヘルシー野菜炒め」
(一) 「どうなっている?我が家の野菜料理」 (一時間)
 単元に入る前に布石を打つ。「一週間の夕食の野菜調べ」である。(課外で)
 ワークシートに「夕食のメニュー」「食べた野菜の種類」「思ったこと」の三つを毎日書くように指示をする。そして、最後の日に「一週間の調査で思ったこと、気付いたこと」を書くようにする。
 この夕食調べで子供たちは、今まで何げなく食べていた野菜に目を向けるようになる。事実、子供たちが思ったこと、気付いたことには、次のようなものが出てきている。
・夕食に野菜が多く入っていて、家族の体のことを考えていると思った。
・野菜にどんな栄養があるのかなと思った。
・野菜を食べるとどんな効果があるのかな。
・ニンジンがたくさん出てきたのはなぜか。

 一時間目は、この夕食調べを活用して、ヘルシー野菜炒めについて自分が調べたい課題を決める時間である。
 最初に夕食の野菜調べで思ったこと、気付いたことを発表させる。先の例が出てくる。
 むろん、発表させっぱなしではなく、「どうしてそう思ったの?」「もう少しくわしく説明して」と言って、子供たち一人一人の思いや疑問を深めるようにした。
 子供たちの野菜に関わる思いを深めたところで、次のように言う。
 みんな野菜についていろいろと考えました。今回は野菜炒めに挑戦します。それも「ヘルシー野菜いため」です。
 ここで「ヘルシー」の意味を確認する。「体にいい」「健康にいい」と押さえる。

 ヘルシー野菜いために学習したいこと、疑問に思うことを書きなさい。

 単元の導入で、これからの学習の見通しを持たせるために行った発問である。
 「炒めておいしい野菜は何か。」「野菜にはどんな栄養が入っているか。」「いためる時に、油はどれぐらい入れるのか。」「野菜を切る時に、どのような大きさにするのか。」「ビタミンが多い野菜は何か」等、数多くの発表が出てきた。
 それらを次の五つにまとめた。
① 野菜を炒めたときに、カロチンとビタミンはどうなるのか。
② 炒め道具の使い方はどうしたらいいのか。
③ どんな野菜にどんな栄養が入っているのか。
④ 炒め方の工夫(火加減、順序)は何か。
⑤ 健康によい味付けはどんなのがいいか。
 それぞれ「ヘルシー」を考える点では重要なテーマばかりである。
 これらのテーマについて一人一つ選ばせる。
「家の人に聞く」「試してみる」「本で調べる」といったように調べる方法を確認して、次の時間まで、家庭学習で自分で調べることにした。

(二) 自分のテーマをまとめよう(二時間目)
 一時間目のテーマを画用紙(B4サイズ)にまとめる時間である。
 二十二人中十九人が何らかの調べ活動をしてきた。家の人からの聞き取りはもちろん、図書館で調べる子あり、実際に家で野菜炒めをしてみる子ありと意欲的に取り組んだ。残り三人は資料がないということで、教師の資料を提供することにした。
 わかりやすくまとめるには、どんな点に注意したらいいですか。
と聞くと、「マジックで目立つように書く」「図を書いて、分かりやすくする」「見出しを入れて、パッと何のことかわかりやすくする」「思ったことも書く」と書き方を中心とした発表が続く。
 そこで、『大事な事が抜けています。それは「どうすればヘルシーになるか」ということです。そのことを考えて画用紙にまとめなさい。』
と指示をする。子どもたちのまとめた例とテーマ例は次の通りである。 

★子供たちの書いたテーマ例
1 「カロチンとビタミンのへり方」
2 「フライパンの使い方」
3 「野菜の栄養」
4 「自分流ヘルシー野菜いため」「誰でも食べれる野菜いため」
5 「我が家の味付け」「おいしい味付け」「健康にいい味付け」

(三) どのような工夫をすればヘルシー野菜炒めになるの?(三・四時間目)
 この時間は二時間目に自分たちが調べた内容を発表しあい、さらに具体的に実技やその様子を観察することによって「ヘルシー野菜炒めに関わる知識」を身につけるものである。
 教科書のみで授業をしているのであれば、教師が教え込む場面である。
 しかし、今回は「カロチンとビタミン」「道具」「野菜の栄養」「炒め方」「味付け」と、五つの観点に沿って子供たちがすでに調べている。
 それを発表させ、さらに実技・観察で十分に目的の知識は身につけることが可能である。
 具体的には次のような形で進めていった。
① 各項目のうち代表一人が発表。他に調べてきた子供たち(2~4人)は付け加えをする。
② 発表後、質問・意見・感想で交流をする。
③ 発表内容で実技が可能なものは実際に試してみる。そしてその様子を観察する。
④ 観察結果に関わる教師の発問により、必要な知識を得る。

【例・炒め方】
 炒め方では、野菜の大きさはそろえます。これは、火のとおりが同じになるようにするためです。また、かたい物から順に炒めます。
 同じかたさにすることが大事です。もちろん強火です。
 もし、フライパンに火が入ったら、コンロの器具せんをしめ、なべのフタなどをかぶせて消します。(発表の一部)
 これに他の人の付け加え、質問や意見交流のあと、次のように指示をした。

 では野菜炒めで今のような工夫をするとどう変わるでしょうか。実際に試してみましょう。次の試し作りをします。
1 強火と弱火のモヤシ炒め
2 ニンジンとキャベツの同時炒めと、ニンジン先キャベツ後炒め
です。お願いしていた皆さん(それぞれ代表で炒めてくれる人を事前に依頼し、材料を切ってもらっていた)、お願いします。他のみんなは観察します。

 子供たちは代表の子供たちの試し作りの様子を実際に観察する。気付いたことを子供たちはどんどんメモをしていった。野菜炒めができた時点で試食をして、食感を確かめていた。

わかったこと・思ったことを発表しましょう。
★1 強火と弱火のモヤシ炒め
・弱火は時間がかかって、かたかった  
・弱火はカロチンが吸収できなくなると思った 
・強火の方がだんぜんおいしい
・弱火は生っぽい
★2 ニンジンキャベツの同時炒めと、ニンジン先キャベツ後炒め
・同時に炒めたニンジンは固く、別々だとやわらかかった 
・別々にやった方がおいしかった
・同時だとキャベツがこげてしまう 
・同時に入れてはいけないことがわかった

 強火や別々に炒めるいったそれぞれの工夫は、何を考えていると言えますか
・栄養  ・健康  ・ヘルシー

 このように、「調べる→試しの活動」によって子供たちは強火で炒めること、野菜の固さに応じて工夫して炒めることを学んだ。(他の4項目についても似た活動を行ったが略)

(四) 試してみよう、ヘルシー野菜炒め(五・六時間目)
 前の時間までに身につけた知識を今度は全員が実際に試してみて、「わたし、ぼく流ヘルシー野菜炒め」を決定する時間である。
 ある程度知識が身についたので、すぐにヘルシー野菜炒めの本番というパターンも考えられるが、子供たちは調理実習が二回目。実際に自分たちで道具の使い方も慣れる必要がある。また、自分でいろいろな材料を試したり、様々な味付けもやってみたいということで、
試行錯誤をさせることにした。
 といっても、いくつかの観点を示して行うことが大切である。
 子供たちと話し合い、次の三つの観点をもとに試し作りをすることにした。
■材料選びを工夫しよう
 ・栄養のある野菜がいい
 ・野菜の組み合わせも考える
■調理方法を工夫しよう
 ・道具を正しく使おう
 ・切り方や順番も考える
 ・カロチンやビタミンをとる方法で
■味付けを工夫しよう
 ・健康にいい味付けを考える
 ・健康を考えた自分の好みで
 初めて子もいるので、当然失敗も出てくる。試しの活動なので、それもよし。反省を次回の本番に生かそうとしていた。

(五) ぼく、わたし流ヘルシー野菜炒めに挑戦!(七~九時間目)
 今まで学んだことの集大成。いよいよヘルシー野菜炒めに挑戦である。
 まずはレシピ作り。話し合いをして次の項目を入れることにした。
★工夫したタイトル ★道具 ★材料 ★作り方(イラスト入り) ★注意点やポイント ★感想 ★その他自分で工夫する
 子供たちの希望で最後に、できた野菜炒めの写真を貼りつけることとした。
 そして、いざ本番。ピーマン、キャベツ、ブロッコリー、ニンジンといった材料から子供たちは作り始める。前に試し作りをしたので、子供たちは自信を持って調理をする。
 味付けも塩・コショウ、オイスターソース、しょうゆと様々。使う材料・炒め方・味付けとヘルシーにこだわった自分流野菜炒めができていった。
 プーンと風味豊かな香りをそのまま写真でパチリ。自信作の出来あがりである。

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