「朝の教室」で心掛けることは?
過去のファイルを整理していて,これは公開して残しておきたいな…というものが見つかった。40代半ばで書いたもの。まだ単著もそれほど発刊していない頃だ。今は別の考えもあるが,当時としては自分なりに全力で書いたもの。定期的に毎週日曜日に連載していきたいと思う。
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Q:出勤後にすぐに教室に向かうのですが、子どもたちとの雑談や注意で終わってしまいます。
もっと有意義な「朝の教室」にしたいと思っています。どのようにしたらいいでしょうか。
A:教室にすぐに向かうことは担任がその日の最初にすべき仕事です。
その点で大切なことを毎日していますね。
まずは明るく挨拶で教室に入りましょう。
「先生の挨拶で元気になる」と言われれば本物です。
子どもたちとの雑談はコミュニケーションを深めることになりますから大いにしましょう。
ただし、「個別に声をかける子」を意図的に決めておいて、「宿題、ばっちりだね。美里さん」というようによさを認める場にもしたいものです。時間に余裕のある朝の教室だからできることです。
また、個別の対応を重視しましょう。
朝、みんな元気に登校するとは限りません。どうしても積極的に近寄ってくる子に目が行きがちですが、一人淋しそうにしている子にこそ目を注ぎます。
そのためには教室にいる子全員を見ることが大切です。
特にも、子どもが何らかのサインを出している時には配慮します。
たとえば、熱もないのに「先生、保健室に行ってもいいですか?」と訴えてきた時は、「元気がないね。困っていることはない?」と1対1で話を聞きます。
「そう。じゃあ、保健室へ」といった事務的な対応は避けたいものです。
朝の教室環境の様子を見るのも大切です。
机上やロッカーが乱雑な時には、どのように指導したらいいのか考えます。
大事なのは「叱るネタ」として見るのではなく、その背景にあるものを推測することです。
注意が必要な場合には一工夫します。
たとえば、朝の会で「朝、ロッカーが泣いていました。どうしてだと思う?」と問いかけるのもいいです。
始業前の「朝の教室」には、このように指導に役立つ視点が多くあるのです。
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