小中併設のよさ・地域のよさを感じた運動会(H20)
ファイルを整理していたら,管理職になって書き始めた原稿が見つかった。エッセーではあるが,記録にしておきたいと考え,定期的に紹介していく。平成20年の原稿から。
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今年度から教頭職を拝命し、異動となった。緑豊かな地にある小中併設の全校四十四名の小規模校である。その併設校のよさを、五月十七日の運動会でさっそく感じることができた。
本校では、メインの応援合戦を「スペシャル」と称して、本格的な劇と歌等のパフォーマンスを入れて全員で行う。紅組、白組の二組対抗で、一つの団は二十二人。一学年2~3人だ。中学生一人一人はまさに貴重である。リーダーとして内容を企画し、小学生の全員に合った場面を考え、指導する。小道具作りにも時間を割く。むろん、小学生も真剣だ。練習も半端ではない。
だから、本番での七分の「スペシャル」はとても見ごたえがあった。そして、このスペシャルを創る過程に思いを馳せた。多くの苦労をしたであろう。
運動会終了後の子どもたちだけのミーティングでは、中学校三年生のメッセージに思わず泣き出す小学生の子たちもいた。胴上げされるリーダーの誇らしげな表情。見ていた私も子どもたちの熱き思いに感動した。
小学生だけではこのような運動会はできない。中学生のすばらしいリードがあり、目指すべき理想像があったからこそできた運動会だと感じた。小中併設の学校にしかできないことだ。
また、地域が強力な学校のサポーターであるということも改めて実感した。早朝からの巨大パネルの取り付けやテント設営のためにお父さん方が集まる。皆顔なじみでチームワークがよく、どんどん仕事を進めていく。祖父母や地域の皆さんも張り切って運動会を見に来て、大きな拍手をしたり、大笑いをしたり・・・・にぎやかな観客がいれば運動会も盛り上がる。
十年前も、二十年前も、三十年前もきっと同じような風景だったのであろう。地域のよさがそのまま受け継がれていると感心した。
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