プロから学ぶ(H22)
平成22年の原稿です。
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「教師になってよかった」と思うことの一つに「プロから学ぶ機会がある」ということがある。
昨年十一月にプロの朗読家・俳優である樹原ゆりさんを本校に招いて、大人対象の朗読会を開いた。地域の教育振興会の活動の一環で、事務局である自分が企画、実行したものである。
夜六時半からの会に二十数名が集まった。そこで「やはりプロ」と感じたことがいくつもあった。
1 読む時の表情
朗読がすばらしいのは言うまでもない。それ以上に感心したのは、その表情だ。浅田次郎氏の「角筈にて」を読んだのであるが、会話文の時には本から目を離し、実際に会話をしている表情をする。特に感情が高ぶった時には、その気持ちがはっきりと伝わってきた。
2 音楽と光の効果
音楽も朗読会の雰囲気作りに大きな影響を与えていた。その選曲ぶりは見事だった。スポットライトのみの光は、映画と同じ環境で集中して聴くことができた。
3 臨機応変の見事さ
子ども連れでいらした方がいた。その子たちを見て、樹原さんはすぐに控え室に戻り、幼児向けの本をもってきて、最初に朗読を行った。その子たちは夢中になって聞いていた。その臨機応変さに感心すると共に、レパートリーが豊富だからこその技なのだと感心した。
4 努力が一番
朗読会終了後に情報交換会をした。一番印象に残ったのは「朗読の練習を努力して続けることによって、女優としての幅を広げることができた」という話だった。当たり前のことであるが素質だけでなく努力することの尊さも改めて感じた。
参加した皆さんの「感動した」という言葉を聞き、主催した甲斐があったと思った。同時に私自身がプロからたくさん学んだ貴重な会であった。
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