悪質ないたずらが発生したら
Q:「机に『バカ』と書いた紙が入っていました」と担任している子に訴えられました。子どもたちに何度も問い詰めたり、一人一人に聞いたりしても書いた子は見つかりませんでした。どう対応したらよかったのでしょうか。
A:このようなトラブルでは、厳しく問い詰めても自ら「ぼくがしました」と名乗られることは稀です。しかし、不十分な対応では、いたずらされた子は不満になりますし、いたずらした子が再度行うことも考えられます。両者の内面に響く対応を行う点が大切です。
最初にすべきことは正確な実態把握と情報収集です。本人から、いつ発見したか、思い当たることがないかといった情報を聞き取ります。もちろん実物の紙も見せてもらいます。その上で「学級全体で話し合っていいか」を本人に確認します。「名前を出してほしくない」という場合にはその気持ちを尊重します。
続いて学級での指導です。教師から事実を告げ、いたずらの被害にあった子の気持ちを考えさせます。教師はその子の味方であり、このようないたずらは許されないことを強いメッセージで発します。この時に注意すべきことは、犯人捜しの行動をしつこく行わないことです。学級全体が「先生は自分たちを信じていない」「犯人扱いをされた」といった不信感が芽生えてはマイナスです。
教師の呼びかけやいたずらを許さない学級の雰囲気に、いたずらをした子も反省の気持ちが強くなります。しかし、学級全員の前で名乗り出るのは強い抵抗があるのが普通です。そこで、その子たちの反省が行動化できる余地を残すようにします。直接担任に話してもいいし、紙に書いて教師に手渡すのでもいいから告げてほしいことを伝えます。「見捨てない」という一言も添えます。
実際には、いたずらした人がわからないまま終わるかもしれません。しかし、このような対応をすることが今後の悪質ないたずらへの抑止力になります。なお保護者には経緯と対応をその日のうちに伝えます。遅れてはいけません。
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