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October 2017

2017.10.30

お父さん方の大活躍の場「スキー教室」(H23)

平成23年の原稿です。

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本学区は県内でも雪が多い地区である。年末年始の大雪では長時間停電となり、ロウソク生活を余儀なくされた家庭も多かったようだ。 

そのような雪も、時には楽しみともなる。一番はスキーであろう。子どもたちも保護者もスキーにはよく親しんでいる。
本校の裏側に姫ケ森牧場があり、そこを借りて授業でスキーをしている。子どもたちも喜びで滑っている。こういう時にはこの自然環境の有難さを感じる。

さて、年に一回であるが、本格的なスキー教室を開催している。会場は一戸町の奥中山スキー場。子どもたちが楽しみにしている行事の一つである。

スキー教室には毎年保護者の方にお手伝いいただいている。今年度は八名のお父さん方が参加してくださった。児童三十一人に教員を含めて十数人の大人がつくので、子どもたちの腕もみるみる上達した。

今回改めて感心したのはコーチの皆さんの教えぶりである。一人ひとりに応じたアドバイス、見事な見本等、子どもたちにとって価値のあるコーチぶりであった。そして、その夜はコーチしてくださった保護者の皆さんと一献。楽しい話はもちろん、学校や地区の子ども会の話で盛り上がった。あっという間の四時間だった。特に、真剣な話では本音で討論し合う・・・この雰囲気がこの学区でのお父さん方の団結を作っているのだろうなあと感じた。

学校によってはPTA活動はどうしてもお母さん方が中心になるところが多い。「おやじの会」を作ったのが成果として報告されている例も聞いたことがある。

その点、本校は「おやじの会」など作る必要がない。自然な形でずっと地域でのネットワークが伝承されてきている。そのことは有難いことだと改めて感じたスキー教室であった。

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2017.10.29

「学級目標」が形式的なものにならないためには?

Q:毎年学級目標を立てますが、いつの間にか子どもたちも意識しなくなってしまいます。どのような工夫をしたらいいでしょうか。

A:「10年たっても子どもたちが覚えている学級目標を!」というのが私の学級目標についての考えでした。そのためには学級目標の作り方にこだわりました。ポイントは「子どもたちの願いを表現している」「キャッチコピー化」するということです。学級活動の時間に次のような手順で作りました。

1 「どんな学級にしたい?」と問い、願いが表れる言葉、目標に使いたい言葉をたくさん発表させる。(「協力」「進め」「スマイル」「38(人数)」等)
2 みんなが気に入った言葉を2~3個選ぶ。
3 それらを組み合わせてキャッチコピー風の学級目標にする。(例「進め!どこまでも」「スマイル38号」「友情いっぱい・元気いっぱい・5の1」)

ここで大事なのは、子どもたちに使いたい言葉の理由を発表させることです。「学級全員が仲良く協力して笑える学級にしたいから『スマイル』がいいと思います」というような発言が出てくればしめたものです。作成過程で「学級目標は自分たちの願いが込められている」ということを実感できます。

また、キャッチコピー風にすることは「覚えやすい」だけではなく、「活用しやすい」というメリットもあります。たとえば、「スマイル38号の旗や歌を作ろう」(学級旗・学級歌作り)、「今度の遠足でみんなが『スマイル38号』にするにはどうしたらいい?」(遠足の事前指導)というように、様々な学級の活動で常に使っていきます。いわば学級目標を活動の起点となるように位置付けるのです。そうすれば、10年後も子どもたちが覚えていることでしょう。

なお、学級目標の設定は「学期ごと」でも、「目標を達成したから新たに」でもいいです。「年度始めに1回」と固定化して考える必要はありません。

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2017.10.28

第4回あすの社会科を考える会in仙台

改めてのご案内です。
3週間後となりました。

第4回あすの社会科を考える会in仙台が11月18日(土)に開催されます。
くわしくはこちらです。申込みも同じです。
以下紹介文です。

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今回は「学習問題・発問で授業がここまで変わる!」をテーマにします。学習問題・発問は授業の根幹を成すもの。とても重要なものです。これによって,子どもが深く考えたり,追究したりもするし,また,逆のこともあります。この大事な学習問題・発問について,みんなで学んでいきましょう。いつもの二人の講座,それから中堅の先生の模擬授業もあります。今回も充実した会になることでしょう。初任層の方,歓迎します!社会科が苦手な人,大歓迎です!!今さら聞けないような話も,全然問題なくOKです!


日時 平成29年11月18日(土)
    13:00~17:00
会場 仙台市戦災復興記念館第一会議室
定員 30名
テーマ「学習問題・発問で授業がここまで変わる!」
プログラム
13:00 開会 セミナーの趣旨説明
13:05 講座1(ミニ講座15分×2)
      三浦大栄(岩手県)「地図帳活用と発問づくり」
      赤瀬光雄(岩手県)「『?』から生まれる学習問題づくり」
      
13:35 休憩
13:40 講座2(佐々木潤)
      「この発問の型で深く考える!」
       ※模擬授業も入れながら,お話します。
14:20 休憩
14:25 講座3(佐藤正寿)
      「キー発問を生かした授業づくり」
15:05 休憩
15:15 あすの社会科授業を作るワークショップ
      ・グループを作って,学習問題・発問を中心にした授業プランを作ります。
      ※担当学年の社会科教科書をご持参ください。
16:30 社会科授業,学習問題に関するQ&A
16:50 閉会行事

※ 懇親会も企画しております。仙台駅周辺を予定しています。

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2017.10.23

「今年の漢字」で成長を振り返る(H22)

平成22年の原稿です。

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 どんなところにも授業のヒントはあるものだ。

師走になって発表される「今年の漢字」。日本漢字能力検定協会が、その年をイメージする漢字を公募し、十二月に発表されるものだ。一九九五年に始まったが、その年の漢字は「震」。阪神・淡路大震災の年だった。

 ある時、「授業で子どもたちに『今年の漢字』を考えさせたらおもしろいのでは?」とひらめいた。
 四年前、最後の担任の年には六年生の子たちに次のように授業をした。

1 「今年の漢字」のニュースを紹介し、その漢字(この年は「命」)と選ばれた理由を教える。
2 今年、自分に関係することで、思いついた漢字をいくつか書く。
3 そのうちから一つ選び、その理由を書く。
4 四人組で発表しあい、ベストの人を一人選び、全体の前で発表する

 さっそく取り組む子どもたち。今年の自分を振り返り、さらにそれに合う漢字を考える。
実際の発表では、感心したり、「なるほど」と思う声が続いたりした。たとえば、次のような漢字である。

・「思」・・今年は人を思い合ったし、たくさんの思い出ができた。
・「蹴」・・今年はサッカーをたくさんやったから。
・「笑」・・毎日が楽しく、いっぱい笑ったから。
・「演」・・金管クラブで一生懸命に練習し演奏した。

 確かに子どもたちなりに考えるものである。

一人一人個性的なものが多かったが、四人の子が同時にあげたのが「力」である。「学力」「体力」「行動力」などいろいろな力がついたというのが理由だった。子ども達の成長は教師にとって一番の喜びである。この「今年の漢字」にその成長を表す漢字が登場した。私にとっても忘れられない授業である。

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2017.10.22

係の作り方と続け方は?

Q:学期初めで子どもたちも「係をがんばりたい」と言っています。係の作り方とその続け方はどのようにすればいいですか?

A:まずは一方的に「こんな係をします」と提示するのではなく、「どんな係が学級に必要ですか」と聞いてみましょう。
今までの経験から「配達係」「歌係」といったものが出てくるでしょう。そして、係活動の発想を広げるために、「学級でしてみたいことや得意なことを係にしてもいいのですよ」と助言すると、「イベント係」「読み聞かせ係」「教室キラキラ係」等の工夫できる係も出てきます。出てこない時には教師から「こんな係もありますよ」と提示します。あとは、「これらの係を置きます。拍手で承認してください」と全員で確認し、個々の希望をとって、係活動が発足します。

 係活動を活発に進めていくためには、時間の確保が大事です。一般的には休み時間が充てられますが、「友だちと遊びたい」という声を尊重して、私は朝の会と給食時間もよく使いました。朝の会が15分だったら、週に1回は挨拶と健康観察程度の朝の会にして、10分ぐらいを係活動の時間にします。10分あれば、話し合の他に、掲示物を作ったり、練習したりと結構できるものです。また、給食時間を係活動の連絡や報告にしていました。まとまった時間の定期的な報告は、自分たちの係活動の取り組みを見直す時間にもなりました。

 それでも係活動にマンネリはつきものです。「学期中に一つの係で固定」と考えずに、定期的に係を替えていきましょう。私は1~2カ月ごとに係替えをしました。発足時に子どもたちに「次の係替えは〇月」というように予告しておけば、子どもたちも納得します。替える回数が増えると、子どもたちも様々な係を経験することができます。また、係替えの時には、2つの係を1つにしたり、新たな係を作ったりすると、係活動全体の活性化につながります。

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2017.10.16

まさに「元気な」地区運動会(H22)

平成22年の原稿です。

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県内各地で、住民参加の地区毎の運動会が、この秋に行われたと思う。しかし、地区によっては、参加者集めに苦労しているという話をよく聞く。中には、運動会自体を廃止したという地区もある。

本校学区でも9月に地区住民参加の運動会が行われた。先のような心配は全く不要だった。中心となる三十代から五十代はもちろん、お年寄りの皆さんも張り切って参加した。それだけではない。中学生から二十代の若者も多数参加した。これは珍しいことである。まさに「地区民が積極的に参加する元気な運動会」であった。

これだけの参加者であれば運動会も盛り上がる。「ビン釣り競争」「風船割りリレー」といった種目では、うまく行った選手だけではなく、最下位の選手にも大きな拍手が送られていた。

また、本地区独自の種目である「縄ない」(わらを制限時間内で長く綯うもの)では、七十代のお年寄りの見事な腕前に感嘆の声があがった。優勝チームの人に聞いたら、「小さい頃から縄を綯っているからね」とのこと。七十年ものベテランだから、二十年や三十年のキャリアではとてもかなわないわけだ。

年代別に参加するマンモスリレーでは高校生や二十代の若者の疾走ぶりに拍手が起きた。まさに迫力のあるレース。実に見応えがあった。

競技には参加しないが、観ることを楽しみにしている方々も多かった。張り切って声をかけたり、大きな拍手をしたり、大笑いをしたりしていた。にぎやかな観客がいれば運動会も盛り上がる。

十年前も、二十年前も、三十年前もきっと同じような風景だったのであろう。地域のよさがそのまま受け継がれていると感心した地区の運動会であった。

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2017.10.15

学級びらきで「いい出会い」をしたいが?

Q:新しく担任する子どもたちといい出会いをしたいと思っています。どんな工夫がありますか?

A:担任として初めての出会い。いい出会いにしたいというのはもっともなことです。まず、どんな状態が「いい出会い」なのかをはっきりさせましょう。「何をするか」の前に「何のためにするか」を吟味するのです。学級びらきのねらいの明確化です。次のようなことが考えられます。

・新しい学年で「よし、1年間がんばろう」という意欲を育てる
・新しい環境になっての担任や友だち関係での不安感を解消する
・教師自身の学級づくりの方針を伝える

 ねらいが決まれば、具体的にどんなことをすべきか決まります。私自身の学級びらきでは次のようなものが定番でした。

①一人一人と必ずふれあう(例)「呼名+その子への一言メッセージ」「帰りに全員と握手」・・・教師と子どもとの距離が縮まります。

②教師の指導方針を提示する(例)「教師の願いを話す」「ほめる時と叱る時の基準を提示する」・・・子どもたちのやる気を喚起します。

③集団づくりゲームを行う(例)「並びっこゲーム(【背の高い順】【誕生日の早い順】と教師が指示し、グループごとに協力して順番に並ぶ」・・・友だちとの関係作りになると同時に教師は子どもたちの様子を見ることができます。

 学級びらきの日に、保護者は我が子に「どんな先生だった?」と聞くことが多いものです。子どもたちが明るく「いい先生だったよ!これから1年間がんばれそうだよ!」と伝えられるような学級びらきを目指しましょう。年度初めは事務仕事に時間がかかりますが、それ以上に学級びらきにエネルギーを注ぐことが「いい出会い」にするために重要なのです。

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2017.10.13

教師力アップセミナー(11/12)に登壇

2年ぶりに教師力アップセミナー(愛知県)に登壇いたします。
11月12日です。
社会科がテーマで新しい模擬授業を構想中です。
以下案内文です。

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2年ぶりのご登壇です。

有田和正先生から多くを学び、自身のスタイルに昇華させた佐藤正寿先生は、社会科授業の「達人」です。
著書は、『ゼロから学べる小学校社会科授業づくり』『スペシャリスト直伝! 社会科授業成功の極意』など多数。
前回の講演では「わくわく社会科授業」という演題で、全員がわかる、できる授業のつくり方を模擬授業「東京オリンピック」を通して伝授していただきました。

今回も模擬授業を通して、社会科の授業づくりの技を伝授していただきます。佐藤先生のぐっと引きつけられる語りと思考を深める教材のしかけに引き込まれること間違いなしです。

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Webはこちらです。申込はこちらからです。

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2017.10.09

何のために歴史を学ぶのか?(H22)

平成22年の原稿です。

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今年度、5・6年(複式学級)の社会科の歴史学習を何時間か担当する機会があった。最初の授業の時に、子どもたちの印象に残る授業を行おうと考えた。

教室に入ると、子どもたちが教科書や資料集をすでに夢中になって見ていた。新しい学習内容なので興味津々なのであろう。

すぐに何人かを指名し、「何を見ていましたか?」と聞いた。子どもたちは「大仏です」「聖徳太子です」「ザビエルです」と答える。

すかさず、子どもたちの興味をさらに高めるクイズを出した。「聖徳太子が手に細長い板をもっています。『しゃく』というものですが、これは何のために使われたものでしょうか」。こういう問題は3択で答えを選ばせる。意外な答えが案外正解(「裏に儀式で読む台詞が書かれていた」と言われている)で、学習が苦手な子が当たることがあるからだ。今回も然り。正解の子は大喜びである。

しばし、こんな感じで盛り上がった後、重要な問いを投げかけた。
「みんなは、教科書から色々なことを学びましたね。では、何のために歴史を学ぶのでしょうか。」
歴史を学ぶことの価値を自覚させるための問いである。

最初は「歴史の知識が増える」といったことしか出てこなかった。「本当に知識を増やすだけかな?」とさらに聞いたら、「日本のことを日本人である自分たちが知るため」「歴史を学んで今の時代に役立てるため」という発言が出てきた。これには他の子からも「なるほど」という共感の声が聞こえてきた。確かに核心をついた回答である。

この時間で子どもたちは歴史のおもしろさを感じ取り、学ぶ意義を考えることができた。私自身も歴史を教える楽しさと価値を改めて実感したのである。

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2017.10.08

叱る時、注意する時のこつは?

Q:不適切な行動をする子に「時には厳しい指導も必要」と考えて、叱ったり注意したりするのですが効果がありません。どのようにしたらいいでしょうか。

A:何のために厳しく叱ったり、注意したりするのでしょうか。また、どういう時にそのようにしていますか。これらに教師自身が明確に答えることができなければ、感情的に叱ったり、注意する基準が曖昧だったりして、子どもたちへの指導も効果はあがりません。

 叱る時の目的は「子どもたちの行動改善」です。ですから、ポイントは「厳しいか否か」というよりは、「不適切な行動を理解し、適切な行動を判断できるようになる」ようにすることです。たとえば、休み時間後も遊んで授業に遅れたという時には、「遅れることがどうしてよくないのか」「じゃあ、どうすればいいのか」を子どもたちに考えさせることです。頭ごなしに、「授業が始まって何分経ったと思っているんだ!」と叱っても、その理由が理解できず、さらに行動改善への見通しもなければ、同じことの繰り返しになることでしょう。

 叱る時の基本として、私はいくつか心がけていることがあります。行動改善への意志を子どもが示した時には笑顔で励ますようにすること、叱る時には短時間で終えること、人格まで否定するような言い方をしないことです。これらの逆の行動は、子どもたちの教師に対する信頼を失いかねません。

 また、職員打ち合わせ等で「花壇に入らないように注意してください」と言われたことを、そのまま子どもたちに流していませんか。ストレートに「花壇に入っている人がいる。やめるように」と伝えただけでは効果はありません。これも、花壇に入っていけない理由や望ましい行動を短時間でも考えさせることが大切です。可能なら外に出て花壇の様子を見せたいものです。自分自身はしていなくても、不適切な行動について考えること自体が大事なのです。

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2017.10.03

第4回あすの社会科を考える会in仙台

改めてのご案内です。
第4回あすの社会科を考える会in仙台が11月18日(土)に開催されます。
くわしくはこちらです。申込みも同じです。
以下紹介文です。

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今回は「学習問題・発問で授業がここまで変わる!」をテーマにします。学習問題・発問は授業の根幹を成すもの。とても重要なものです。これによって,子どもが深く考えたり,追究したりもするし,また,逆のこともあります。この大事な学習問題・発問について,みんなで学んでいきましょう。いつもの二人の講座,それから中堅の先生の模擬授業もあります。今回も充実した会になることでしょう。初任層の方,歓迎します!社会科が苦手な人,大歓迎です!!今さら聞けないような話も,全然問題なくOKです!


日時 平成29年11月18日(土)
    13:00~17:00
会場 仙台市戦災復興記念館第一会議室
定員 30名
テーマ「学習問題・発問で授業がここまで変わる!」
プログラム
13:00 開会 セミナーの趣旨説明
13:05 講座1(ミニ講座15分×2)
      三浦大栄(岩手県)「地図帳活用と発問づくり」
      赤瀬光雄(岩手県)「『?』から生まれる学習問題づくり」
      
13:35 休憩
13:40 講座2(佐々木潤)
      「この発問の型で深く考える!」
       ※模擬授業も入れながら,お話します。
14:20 休憩
14:25 講座3(佐藤正寿)
      「キー発問を生かした授業づくり」
15:05 休憩
15:15 あすの社会科授業を作るワークショップ
      ・グループを作って,学習問題・発問を中心にした授業プランを作ります。
      ※担当学年の社会科教科書をご持参ください。
16:30 社会科授業,学習問題に関するQ&A
16:50 閉会行事

※ 懇親会も企画しております。仙台駅周辺を予定しています。

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2017.10.02

「一手少ない指導」の大切さ(H22)

平成22年の原稿です。

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担任が出張等で学級を空ける時には、代理でその学級で授業をする。3学期に1年生に入った。

冬の教室ではヒーターと加湿器の両方をつけている。加湿器の水が少なくなっていたので、さっそく水を追加しようとした時に一人の女の子が近寄ってきた。
「副校長先生、それは〇〇さんの当番です」
「ああ、そうなの。いつもみんなでしているの?」
「そうです」
「足りなくなっていたから、先生がしようと思ったけど、みんながするのね?」
「はい、そうです」
 私は「そう言うのなら・・・」と水を入れる容器を元に戻した。

1時間目が終わって、加湿器の水がほぼなくなったら、今度は「今日の加湿器当番表」を何人かの子が見ていた。当番を替える日だったのである。これも自分たちの力で確認できた。
さっそく当番の子は水を入れ、セットをした。スイッチまで入れて、「これでOK!」と満足そうだった。 

その様子を見て、私は、「危うく子どもたちのやりがいを奪うところだった」と反省した。担任時代から、「子どもたちには一手少ない指導を」ということを意識してきた。「目はかけるが手はかけない」という姿勢である。というのも、「教師が何でもすると、子どもたちは『先生がやってくれる』という意識になり、自主的な行動をしなくなる」ということを感じていたからだ。

今回もささやかなことであるが、子どもたちから大事なことを教わった。たとえ1年生の子どもたちでも、自分ができることは、「私たちでできます」と主張する。  
そういう子どもたちに対して、私たち教師は、心配な面があっても、「任せるよ」という姿勢で見守ることが大切なのだ。「一手少ない指導」で子どもたちの行動力も育つのである。

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2017.10.01

「ほめる」ことが上手ではありません

Q:ほめて伸ばすことは大切なのはわかっているものの、子どもたちの心に届いていない気がします。また、なかなかほめる内容も見つけられず、回数も多くはありません。どのようにしたらいいでしょうか。

A:「ほめて伸ばす」・・・確かにその通りです。子どもは認められ、励まされることによって自信をもちます。ここでは3つのポイントをあげます。

1 「ほめる基準」を作る
 まずは子どもたちの「行動」を第一にほめましょう。「進んで学級文庫を整理した」「ノートにしっかりと書いた」といったことです。プラスして、行動だけではなく、そのように考えたこともほめます。また、「以前の自分より伸びた」ことも大いに評価できます。大事なのはこのような「ほめる基準」を教師自身がもっていることです。基準があればほめることがたくさん見えてきます。

2 いろいろなメディアを使ってほめる
 学級全員の前でほめるだけではなく、時には個別にほめましょう。「先生は自分のことを実はよく見ているんだ」という安心感につながります。学級通信でよさを認めたり、電話で保護者に伝えたりすることは家族と喜びを共有することになります。小さなカードにその子のよさについて一言を書いて渡す方法もあります。ほめるためのメディアは様々あります。有効に活用すべきです。

3 全員を定期的にほめる場面を作る
 同じ子ばかりほめることがないようにするためにはチェックが必要です。それが大変な場合には、「毎日は1つの班の6人を必ず直接ほめる」「個別のカードを月一回必ず配布する」というに決めておけば定期的にほめることになります。ほめるネタがなかなか見つからないという時には意図的にほめる機会を作ります。仕事を頼み、「ありがとう。助かったよ」と言うだけで違うものです。

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