「日本のよさ」を小話で伝える(H23)
平成23年度の原稿です。
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昔からの伝統行事、豊かな食文化、誇るべき技術等、日本には多くのすばらしい点がある。それらについて、私たちはもっと子どもたちに語るべきであると考える。今後ますます国際化する世界で生きていく子どもたちには、外国だけではなく自国の基礎的な知識を身に付けることが必要である。
私は二~三分程度で子どもたちに読み聞かせできる小話を常に準備している。お盆や七五三といった年中行事や祝日の由来、日本が誇る文化や技術などである。
たとえば、担任時代には十五夜の日に次のようなお月見話を行っていた。
「年によって違いますが、九月から十月にかけて十五夜があります。中秋の名月とも言われています。お月見を楽しむ日です。
この行事は、中国で始まり、今から千年ぐらい前に日本に伝わってきました。
この中秋の名月を芋名月と言っている地方もあります。この時期にとれる里芋を供えるからです。
秋は食べ物が実る季節です。その食べ物を誰よりも早く、偉大なる月にささげるためにお供えをするのがこの十五夜なのです。芋の他にも、団子、栗、枝豆、ススキ、お酒などをお供えします・・・」
このような話により子どもたちは十五夜についての興味が増す。家庭学習で調べてくる子もいるくらいだ。
このような小話で留意している点が二つある。
一つは、基礎的な知識をシンプルに伝えることである。年中行事や祝日の趣旨等を教える機会は多くはない。それだけに伝えるだけでも意義は大きい。
もう一つは、「日本のよさ」を感じ取らせることである。「すごいなあ。日本人は」というような話である。
このような話の種は情報化社会の今は探しやすくなった。今も「子どもたちに語れる話はないだろうか」と探究中である。
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