海外研修で自国の教育を見直す(H24)
平成24年の原稿です。
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3学期になって県外の小学校を参観した。その研究会には、韓国からの視察団が来校していた。総勢40名ほどである。「どうやって授業を参観するのか」と思っていると、授業の様子が担当者によって同時通訳され、各自がイヤホーンで聞いていた。
他国の研究会で熱心に学ぶ彼らの様子を見て、1993年に行った自分のアメリカ研修のことを思い出した。当時の文部省海外派遣事業で、日本各地から24名の若手教員が集まり、アメリカ合衆国のオレゴン、ワシントン、ボストンを2ケ月間巡った研修であった。そのうち1ケ月間は配属された学校(オレゴン州ポートランド市)に通った。
「一斉授業の指導力」という点から言えば日本の方が優れていると思ったが、アメリカ合衆国独自の先進的なカリキュラムが大変参考になった。総合的な学習、パソコンを使った授業、薬物乱用防止授業、外国語オンリーの授業、ゲストティーチャーを招いた授業等、すべて新鮮だった。当時、「アメリカで行っていることは、いずれ日本でも行われる」と言われ、「本当かな。こんな先進的なことを日本の学校がする日が来るのだろうか」と思っていた。
その頃から20年近く経ち、今の日本の学校教育では先のことは当たり前のように行われている。自分自身もアメリカ研修の経験を生かして、先駆的な実践に挑戦してきた。特に情報教育の分野では、海外研修で学んだことを還元ができたと思っている。
また、海外に長期間滞在したことで、日本の文化のすばらしさを改めて実感した。それが「地域のよさ・日本のよさ伝える」という自分のライフワークにつながった。この有難い海外研修の重みを忘れず、今後は後輩たちにその学びを伝えていこうと思っている。
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