実物や資料を効果的に見せる
※連載原稿を転載します。
授業をよりよいものにするために教師が準備した資料や実物。それらを教室に持ち込む時に一工夫をしてみましょう。何倍もの効果が出ます。それらを生かすも殺すも教師次第です。今までの私の実践例をもとに説明します。
1 資料の一部を隠して提示する
チョウの写真を実物投影機で拡大投影してスクリーンに映します。その時に足の部分をあえて隠します。「チョウの足は何本ありますか」「どこから出ていますか」と発問します。子どもたちから様々な答えが出てきて、活発な話し合いになります。そして、「答えを知りたい!」と思った時点で全部見せます。真剣に考えた後で写真を見るので、知識も身に付きます。
2 楽しいパフォーマンスで実物を提示する
風呂敷に実物を入れ、白い手袋をして大事に教卓に置きます。子どもたちは思わず注目します。「何だと思う?」「ヒントは『昔のもの』だよ」と言って、子どもにも触らせてみます。感触だけで考えるので子どもたちも興味津々です。いくつか予想を出させたあと、「では」といってゆっくりと風呂敷包みをほどきます。出てきたのは「洗濯板」。子どもたちはさらに興味を示します。
3 時には黙って提示する
5年生の社会、水産業の学習です。「鮭皮細工の財布」「鮭の中骨入りクッキー」「鮭の中骨の缶詰」を一つ一つ子どもたちに見せます。それも黙ってです。「ほしい!」「何の缶詰?」と子どもたちは言います。3分ほどして「これら全部にある魚が使われています」と初めて口を開きます。その意外性に「エーッ」と反応する子どもたち。時には「沈黙も金」です。
このような教師の仕掛けに子どもたちはよくのってきます。授業が盛り上がるだけではなく、思考も促します。
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