机間指導は戦略的に
※連載原稿の転載です。
机間指導が、「子どもたちの活動を見守るのが中心で、個別に少しだけ教える」というのなら実にもったいないことです。机間指導は、子どもの学習意欲を育て、次の授業展開を考える貴重な時間です。
1 声がけと丸つけで学習意欲を育てる
一斉指導ではなかなか一人一人を励ますことはできないものです。たとえ短い時間でも机間指導はそのチャンスです。「いいね!」といった声がけをしたり、ノートに丸つけをしたりすると子どもの意欲は高まります。
2 子どもと対話する
「励ましが難しい」という子には、「指導」よりは「対話」を心掛けます。たとえば、「どんな所がわかりにくい?」といった問いかけをしていきます。その答えから、「そこまで考えたんだね。すばらしいね」と対話することができます。途中までの取り組みでも、励まされることにより子どもはやる気を起こします。
3 つまずきへの対応と学習を深める指示をする
つまずいている子への指導は短く何度もサポートするのがこつです。また、課題をはやく終わった子には学習を深める指示を行い、さらに力を伸ばします。
4 実態把握・分析を行い、授業展開を考える
机間指導の時には、個別に指導をすると同時に課題に対する子どもたちの実態を把握するようにします。的確に行うためには視点をもって一人一人を見ます。さらに、「わり算の筆算でつまずきが多いのは、商の立つ場所がわからないからだ」というように分析もします。これによって、次の授業展開がはっきりとしてきます。机間指導は、授業の再構成をする場でもあるのです。
このように、机間指導は子どもにとっても教師にとっても価値ある時間です。限られた時間を効果的に生かすためにも戦略的に活用したいものです。
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