2017.12.10

学級通信が伝える子どもたちの息吹

平成24年の原稿です。

「副校長先生、お願いします」と担任が学級通信の下書きを出す。私も「どんな学級の情報が入っているかな…」と楽しみに読む。マラソン大会でがんばった子どもたちの記事に、「確かに必死になって走っていたなあ」と思い出す。そして、「この様子を家の人が知ったら喜ぶだろう」と想像する。「OKです。よい写真だね。発行してください」と一言添えて担任に下書きを返却する。

 私自身も担任時代は学級通信を頻繁に発行していた。「学級経営の柱」として位置付け、日々の子どもたちの活躍ぶり、授業の様子、子どもたちの作文、時には私自身の教育観等、幅広い範囲の内容を書いてきた。学級通信を発行する中で、子どもたちを見る目も保護者との交流も深まった。その点では、授業準備の他に学級通信を発行する担任の先生方に共感する。

 改めて、最近の先生方の学級通信を見てみる。ある先生は、弁当の日のエピソードを書いている。子どもたちが弁当箱を開ける時のわくわく感を記事にしたものだ。これを読んだら家の人は「我が子に弁当を作る喜び」を感じるであろう。

 学級通信に書かれている子どもたちの作文も楽しみの一つである。きらりと光る表現の中に子どもたち思いが伝わってくる。祖父母の稲刈りの手伝いをした子どもの日記からは、ほのぼのとした家族愛が伝わってくる。

 それにしても学級通信もビジュアルになったものだ。デジタルカメラの登場で写真が気軽に掲載できるようになった。子どもたちの笑顔の写真に思わず惹きつけられる。

 このように「子どもたちの息吹」が学級通信にはあふれている。それぞれの家庭で学級通信が話題になり、学校の話に花が咲くことを願っている。

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2017.12.09

基本的生活習慣、何をどのように?

Q:気づくと学校生活の基本的生活習慣が乱れています。目を配ってあれこれ注意しますが徹底できません。どのようにしたらいいでしょうか。

A:学校生活での基本的生活習慣といっても様々あります。「忘れ物をしない」「時間を守る」「きまりを守る」「挨拶する」「靴を揃える」等、多いものです。できない子がいると、その分、注意する回数も増えるのも当然です。

 ただ、効果がないというのであれば指導方法を変えましょう。

 まずは指導するターゲットを絞ります。「あれもこれもよくしたい」という気持ちはわかりますが、取り組む項目が多いと結局は徹底しないものです。たとえば「挨拶とくつ揃えに集中しよう」と子どもたちにも宣言します。この時に子どもたちにも取り組む理由を話します。「友だちに挨拶されたら嬉しいものだ。元気も出る。それぐらい挨拶は大事だ」というようにです。

 次に子どもたちへの接し方を、「注意型」から「働きかけ・確認型」に変えます。挨拶だったら、教師から積極的に子どもたちにします。声が小さい子がいても注意をする必要はありません。何回もしていれば、いい声で挨拶をすることがあります。その時に「すばらしい挨拶です」とほめればいいのです。靴揃えだったら「今日の朝、靴をしっかりと揃えた人?」と確認します。多くの子が挙手したら、「すばらしい。先生が見たら智くんと悠美さんの靴のかかとがピタッと揃っていましたよ」と確認したことを話します。こうすれば靴が乱れている子を注意しなくても効果が出ますし、子どもたちをほめる機会も増えます。

 この取り組みを、おおよそ大丈夫と判断できるまで継続します。この「おおよそ」という点がポイントです。完璧を求めるとどうしても過剰に注意せざるを得ないからです。そして、1つの項目がおおよそできるようになると、波及効果で他の項目も取り組みやすくなるものです。

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2017.12.03

暑い夏に熱く学ぶ教師たち

平成24年の原稿です。

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 夏休み中の小学校。子どもたちも特別に登校し、暑さに負けずに図工の授業を受ける。体育館にはたくさんのダンボール。そのダンボールを自分たちの考えで工夫した形に積み重ねていく。つくづく子どもたちの発想は豊かだと感じる。

 子どもたちの周りには県内・県外各地から訪れた教師たちが50名ほど。熱心にメモをしながら参観している。授業後には分科会がもたれ、その授業について熱心な討論が行われた…。

 7月31日に行われた「岩手県造形教育研究大会胆江大会(会場は金ケ崎町)」の1コマである。夏休みは教師にとって、研修するためのよい機会だ。今回の大会は、幼稚園・保育園・小学校・中学校の造形活動、図工や美術に関わる教師が集まる大会である。 

 このような教科ごとの県大会は本県では2年に1回、開催される。会場地区では、そのための準備を長期間にわたって行う。私はこの大会の事務局長を昨年の4月から拝命している。

 わずか一日の大会であるが、そのための準備としてすべきことは多い。大会の内容企画から始まり、スタッフ編成、実行委員会開催、関係者および関係機関との連絡等、かなりの時間を割いてきた。だからこそ、大会が総勢300名近い参加となり、盛会となった時には感慨もひとしおであった。

 大会の午後は、胆江地区の特色を生かしたワークショップである。岩谷堂タンスの金具製作や南部鉄器の鋳物作りに参加者は挑戦したりしていた。地域の伝統産業とも言えるこれらのよさを製作活動を通して感じとっているようだった。

 1日の大会ではあるが、研修をした先生方は2学期からの実践のヒントになったことであろう。暑い夏に教師も熱く学んでいるのである。

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2017.12.02

通知表作成の取り組みは?

Q:通知表作成に毎回多くの時間がかかってしまいます。特に所見欄にいつも苦労しています。どのようにしたらいいでしょうか。

A:通知表は若手教師にとっては大きな難関です。私自身も時間がかかり、提出日当日まで苦労した記憶があります。

通知表作業はもともと時間がかかるものですから、結論は簡単です。「早めに取り組む」ことです。学習の進度が遅れていても終わった範囲内で一度評定をします。全部終わってから改めて見直しをして、必要があれば修正をすればいいのです。二度手間かもしれませんが余裕をもって進める方を優先させます。
 所見自体は参考文献やネットに例が多く示されていますから、それを研究します。ただ、それらはあくまでも「参考」です。そのまま書いたのではリアルさがありません。そこで、より具体的に書くために「その子らしさ」を入れる工夫をします。

また、中には資料を見ても考えても適切な表現が思い浮かばない子がいるかもしれません。その時には、その子の授業での様子や言動を注目しましょう。常に付箋紙を持ち歩き、その子のよさをメモしていきます。「子どもメモ強化週間」を作るのです。私はこれで所見で悩むことも少なくなりました。早めの取り組みをしていれば、こういうことも可能なのです。

 なお、せっかくの労力を費やすのですから、学級経営に反映する取り組みも私は並行して行っていました。たとえば、「子どもメモ」でぜひ家の人にも伝えたいということが出てきた場合、それらの内容を書いた「キラキラカード」として渡していました。「今日、友達がこぼした給食を進んでふいてくれました。立派です。おうちでもほめてください」といった簡単な文章です。それは子どものよさを認め、さらに伸ばすことにつながります。

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2017.11.26

ゲストティーチャーから地域を学ぶ(H24)

平成24年の原稿です。

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 「これが昔の広瀬小学校。今のようにチャイムはなかったから、鐘で授業の終わりを知らせていた。今も学校のどこかにあるよ…」

 写真を大型テレビに写しながら講師が説明する。「どこだろう?」と考える子たち。先生方は「ああ、職員室のベランダにあるのはその鐘か!」と頷く。
 本校の開校記念講演の一こまである。

 毎年、本校では5月12日の開校記念日に地域の方を招いて子どもたち対象の講演会を行っている。郷土芸能の話、学区のお寺や神社の話等、本校の学区にちなんだ内容がテーマである。この講演会で子どもたちは地域について改めて知る。それは貴重な機会である。

 今年度の講師は地区の教育振興会会長さん。「広瀬の昔と今」というテーマでの講演だ。元教員ということで、今回の講演では写真や自作地図等を準備された。1年~6年まで一緒に話を聞くのであるが、小学生段階の5歳の違いは確かに大きい。その点を考えて話の内容が組み立てられていた。

 導入での写真やクイズ。中盤では今と昔の子どもたちのお手伝いや遊びを比較し、興味や関心を高める。そして最後は子どもたちへの熱いメッセージ。子どもたちも熱中して聞いていた。

 もちろん、子どもたちが地域について初めて知ったことも多かった。今の10倍もの子どもたちが小学校に通っていたこと、道路事情が異なっていたこと、農繁期には学校が休みとなり皆手伝いをしていたこと等、昔の地域の様子について、思い出を巡らす時間となった。

 学校に地域のゲストティーチャーを招くことは、子どもたちに新たな学びを促す。地域を知り、地域が好きになる。今の子たちに大事なことだ。開校記念講演はその点では本校にとっては大切な行事なのである。

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2017.11.25

テストへの対応・処理をどのようにするか

Q:市販テストの採点が遅れがちになり、いつの間にかたまってしまいます。返却にも時間がかかります。どのようにしたらいいでしょうか。

A:テスト実施・処理の基本は単元終了時に行い、次の時間に返却することです。つまり、「採点はその日のうちに」が原則です。学習終了後、しばらく経ってのテスト実施や返却は、学習時の記憶は薄れ学習効率も悪くなります。

 テスト実施日に採点を終わらせることは、決して難しいことではありません。採点1枚に平均1分と考えれば学級全員で40分が必要です。一日の中で40分間を連続で確保するのは難しいかもしれませんが、「テスト時間の終わりの10分」+「休み時間15分」+「放課後15分」と考えれば、十分可能でしょう。細切れ時間をフルに使うのです。

 むろん採点の効率化を図るための工夫はどんどんします。たとえば、採点を早くするために1人分を一気に丸つけするよりは、最初にテストの左側、次に右側をする方が効率的という場合もあります。丸をつけやすい赤ペンやめくり易くするためのバインダーを使うといったグッズの工夫も、採点時間短縮のためには効果があります。

 返却の時には、当然のことですが間違った答えを直させます。個別に直すことが多いでしょうが、つまずきの多かった問題は一斉に指導したり、満点だった子はミニ先生になってもらったりして、意義のある「指導の時間」にします。
テストは高得点であればあるほど採点も返却も楽です。「復習のためのミニテストをする」「設問の読み方・問題の見直しのし方の時間をとるようにする」といったテストを意識した取り組みを授業で行うことも大切です。

 保護者はテストを通じて我が子の学習だけではなく、担任の指導ぶりも見ています。早めの採点と返却が、保護者の信頼度を高めることにつながるのです。

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2017.11.19

海外研修で自国の教育を見直す(H24)

平成24年の原稿です。

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 3学期になって県外の小学校を参観した。その研究会には、韓国からの視察団が来校していた。総勢40名ほどである。「どうやって授業を参観するのか」と思っていると、授業の様子が担当者によって同時通訳され、各自がイヤホーンで聞いていた。

他国の研究会で熱心に学ぶ彼らの様子を見て、1993年に行った自分のアメリカ研修のことを思い出した。当時の文部省海外派遣事業で、日本各地から24名の若手教員が集まり、アメリカ合衆国のオレゴン、ワシントン、ボストンを2ケ月間巡った研修であった。そのうち1ケ月間は配属された学校(オレゴン州ポートランド市)に通った。

  「一斉授業の指導力」という点から言えば日本の方が優れていると思ったが、アメリカ合衆国独自の先進的なカリキュラムが大変参考になった。総合的な学習、パソコンを使った授業、薬物乱用防止授業、外国語オンリーの授業、ゲストティーチャーを招いた授業等、すべて新鮮だった。当時、「アメリカで行っていることは、いずれ日本でも行われる」と言われ、「本当かな。こんな先進的なことを日本の学校がする日が来るのだろうか」と思っていた。

 その頃から20年近く経ち、今の日本の学校教育では先のことは当たり前のように行われている。自分自身もアメリカ研修の経験を生かして、先駆的な実践に挑戦してきた。特に情報教育の分野では、海外研修で学んだことを還元ができたと思っている。

 また、海外に長期間滞在したことで、日本の文化のすばらしさを改めて実感した。それが「地域のよさ・日本のよさ伝える」という自分のライフワークにつながった。この有難い海外研修の重みを忘れず、今後は後輩たちにその学びを伝えていこうと思っている。

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2017.11.18

集会活動を成功させるこつは?

Q:大きな行事も終了し、学級内で集会活動に取り組ませたいと考えています。どのように取り組んだらいいでしょうか。

A:特別活動に割く時間が限られ、学級内の集会活動も以前に比べて回数が限られてきました。また、集会活動といっても、リクエストが多かったドッジボールをして楽しむだけという学級もあるようです。しかし、集会活動は取り組み方によって学級集団を高める絶好のチャンスとなります。そして、成功のこつは集会前の取り組みに左右されます。そこに絞って紹介します。

1 集会活動希望の下地を作る

 日ごろから、朝の会でゲームをしたり、休み時間に「全員で遊び日」を設けたりして、「全員で活動することの楽しさ」を感じ取らせます。それが下地となり、「集会活動をしたい」という声が子どもたちから出てくるようになります。

2 内容を決める話し合い活動では目的を明確にする

 集会活動を決める話し合いでは、その内容を話し合う前に、「集会活動のねらい」について確認します。教師の提案でも実行委員会の提案でも構いません。「学級全員がより仲良くなるように」というようにねらいが明確であれば、内容を決める時も「ねらいに沿った内容はどれですか」と教師が助言できます。もちろんそのねらいは教師の「指導のねらい」の反映でもあります。
かつて、「学級全員がもっと仲良くなる」というねらいで「男女が仲良くなるゲーム集会」を行ったことがありました。大いに盛り上がりました。

3 事前のPR活動と振り返りをする

事前のPR活動も重要です。実行委員会が準備物や楽しみにしている声を関連情報としてこまめに流すことで、参加意欲も高まります。また、終了後には必ず集会活動の振り返りをします。次へ集会活動へのステップになります。

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2017.11.12

「日本のよさ」を小話で伝える(H23)

平成23年度の原稿です。

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 昔からの伝統行事、豊かな食文化、誇るべき技術等、日本には多くのすばらしい点がある。それらについて、私たちはもっと子どもたちに語るべきであると考える。今後ますます国際化する世界で生きていく子どもたちには、外国だけではなく自国の基礎的な知識を身に付けることが必要である。

 私は二~三分程度で子どもたちに読み聞かせできる小話を常に準備している。お盆や七五三といった年中行事や祝日の由来、日本が誇る文化や技術などである。 

たとえば、担任時代には十五夜の日に次のようなお月見話を行っていた。

「年によって違いますが、九月から十月にかけて十五夜があります。中秋の名月とも言われています。お月見を楽しむ日です。
 この行事は、中国で始まり、今から千年ぐらい前に日本に伝わってきました。
この中秋の名月を芋名月と言っている地方もあります。この時期にとれる里芋を供えるからです。
秋は食べ物が実る季節です。その食べ物を誰よりも早く、偉大なる月にささげるためにお供えをするのがこの十五夜なのです。芋の他にも、団子、栗、枝豆、ススキ、お酒などをお供えします・・・」

 このような話により子どもたちは十五夜についての興味が増す。家庭学習で調べてくる子もいるくらいだ。

 このような小話で留意している点が二つある。

 一つは、基礎的な知識をシンプルに伝えることである。年中行事や祝日の趣旨等を教える機会は多くはない。それだけに伝えるだけでも意義は大きい。

 もう一つは、「日本のよさ」を感じ取らせることである。「すごいなあ。日本人は」というような話である。 
このような話の種は情報化社会の今は探しやすくなった。今も「子どもたちに語れる話はないだろうか」と探究中である。

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2017.11.11

掲示コーナーをどのように工夫するか

Q:掲示コーナーを工夫しなければいけないと思っていますが、なかなかアイデアが思い浮かびません。どのようにしたらいいでしょうか。

A:どんなに見栄えがする掲示物でも、教育的効果がなければ意味がありません。私が定番としている掲示の工夫は次の3つです。

1 数字入り目標で掲示し、期間を区切ってリニューアルする

 学期や行事の目標を決める時に、私は期間と達成可能数字を明示するように言います。たとえば、「漢字練習を2ページずつ2週間続ける」「図書館の本を今月は10冊読む」というようにです。目標が実際に達成でき、成就感を味わわせるようにするために目標の立て方を工夫するのです。
大事なのは掲示後です。期間を終えたら、達成した子も不達成の子も振り返りをした上でリニューアルします。同じ目標をだらだら続ける必要はありません。長期間更新されていない「目標の取り組み」は見苦しいものです。

2 係連絡コーナーを動きのあるものに

 「係名・仕事・役割分担」等を書いた掲示物を貼る学級は多いものです。ただ、「一度作ったら固定」というようになってはいませんか。そこで、背面黒板等に係ごとに連絡コーナーを設けるようにします。更新日を書かせるようにおくと、子どもたちは競って告知をするようになります。やがて目立つように色紙等で工夫する係も出てきます。「動的な係活動掲示板」になるのです。

3 「今月の詩」を掲示し、暗唱する

 「今月の詩」を模造紙に書いて掲示しておくのも効果的です。教科書の詩でもいいし、教師が気に入ったものでも構いません。朝の会等でその詩を毎日読みます。ずっと継続すると暗唱する子も出てきます。毎月1つずつ掲示すれば1年間で10以上の詩を暗唱することになります。立派な暗唱指導になります。

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