2018.03.25

参観授業で保護者の信頼を得る

※連載原稿を転載します。

 年に数回ある参観授業は、保護者の信頼を得る大切な場です。「ふだん通りの姿を見せる」という考えもありますが、それはふだんの授業が常時公開可能な高いレベルでの話です。その自信がないのなら信頼を得るための何らかの工夫をしましょう。社会を例にとります。

1 子どもたちが進んで活動する場を作る

 授業参観で保護者は我が子の様子を見にきます。むろん、教師の授業行為を見てはいるものの、注目度は我が子の比ではありません。となれば、まずは「我が子が進んで活動している」と感じさせることが大原則です。そのためには全員が積極的に活動する場を仕組むということが大切です。たとえば、「グラフの読み取りについて全員一回は発表をする」「ある考えに賛成か反対かマグネット(名前が書いてある)を貼る」といったことをします。

2 子どもたちの伸びを保護者も実感できる授業を行う

 次に全員が活動するだけではなく、「この先生であれば我が子も伸びるだろう」「さすがプロ」と思われる授業を目指します。言い換えれば、子どもたちの伸びが保護者にも実感できる授業です。私は参観授業の導入で一枚のグラフや絵をよく提示します。子どもたちは最初は表面的な見方しかできません。それが、教師の発問や指示により見方がどんどん深まっていきます。「わかった!」「そうだったんだ!」という反応を示せばしめたものです。

3 時には保護者も参加してもらう

 可能なら保護者にも参観授業に参加してもらいましょう。学習内容が保護者の仕事に関係がある時に話をしていただいたり、意見が分かれた場合にどちらに賛成か挙手してもらったりします。「楽しくて一緒に授業に参加してしまいました」と言われたことは、私にとっての授業参観での最大の褒め言葉です。

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2018.03.24

学習ゲームの効用

※連載原稿を転載します。

 「学習ゲーム」といえば、「楽しい活動」「子どもたちが喜び、盛り上がる」といったイメージが思い浮かびます。反面、「授業での息抜き」といった見方もあります。今回は、息抜きではなく授業に効果的に役立つ学習ゲームを紹介します。子どもたちの発想を広げ、知識の定着が図られる学習ゲームです。

1 「グループブレーンストーミング」
目的のためにたくさんの意見やアイデアをグループで出し合う方法です。「未来の自動車のアイデアを出そう」「テレビのいい点は何か」といった発想を広げる学習に役立ちます。「出されたアイデアは否定しない」と事前に指導すると豊かな発想のアイデアがどんどん出てきます。

2 「ダウトをさがせ」
 教科書を2回教師が音読します。2回目の時にわざと一部を間違えて読みます。その間違いを子どもたちに見付けさせ「ダウト!」と言わせるゲームです。
社会や理科で知識の定着を図る時に効果的です。「読書へのアニマシオン」(柏書房)にある「ダウトをさがせ」を教科書用に応用したものです。

3 「古今東西ゲーム」
 お題をリズムに沿って一人一人が発言していくゲームです。「失敗したらアウト」という形よりも、「お題は『東北地方の県名』」というようにして「グループでクリアーできたら合格」という達成型にすれば自然に拍手が起きます。

4 「フラッシュ型教材」
 フラッシュカードのデジタル版です。「7×6」といった課題を瞬時に次々と提示する教材で、パソコンとプロジェクタで、スクリーンに映します。子どもたちが大声で答ええるようになり、授業に活気が出ます。(「フラッシュ型教材」で検索)

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2018.03.18

学校図書館の積極的活用

※連載原稿を転載します。

学校図書館の利用法は、かつては読書が中心でした。今は、「学習に必要な情報を得る場」という機能も加わり、子どもたちの学習に欠かせないものとなっています。これは、「学校図書館の積極的な活用は、子どもたちの調べる力を伸ばすことにつながる」ということを意味しています。では、どのような活用の工夫があるのでしょうか。

1 学校図書館のレイアウトを教える

学校図書館のどのコーナーに何の図書や資料があるのか、子どもたちに実際の本を示しながら教えます。特に学習用の事典や「環境」「科学」といった学習テーマ別の書籍のコーナーで時間を十分にとるようにします。

2 調べ学習で必要な資料の検索方法を教える

調べ学習で子どもたちが苦労するのが、欲しい情報を探すのに時間がかかることです。テーマに関連する図書がない場合の検索方法として、児童用百科事典の索引の活用方法を教えます。これで基本的な情報は得られます。

3 「総合コーナー」を開設して活用させる

3年生以上の学年では、総合的な学習の時間に学校図書館を利用することが多いものです。その時の学習内容に合わせた「総合コーナー」(例:「福祉学習コーナー」)を期間限定で設けます。子どもたちの興味も広がります。

4 学校図書館に行く回数を増やす

 「工作のヒントとなる本があるよ」「『ごんぎつね』の新美南吉の本だよ」と教師が紹介して学校図書館に行く回数を増やすようにします。「図書館探検チーム」を学級に作り、その子たちに朝の会等で本を紹介させるのも効果的です。
 大事なことは、ここに示した活用方法を何度も繰り返し行うことです。子どもたちが「図書館で調べたい」と思ったらしめたものです。

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2018.03.17

「お任せ調べ学習」にしない

※連載原稿を転載します。

 総合的な学習の時間や社会科等で調べ学習をする時に、「調べ方を教えたらお任せ」ということはありませんか。「1時間ずっとインターネット検索だけをしていた」「関係図書を丸写ししただけで終わり」ということにならないように、調べ学習の具体的な方法を子どもたちに教えましょう。

1 インターネットでの調べ学習の場合

■調べるサイトを指定する:子どもたちがインターネットを活用する場合には、教師がサイトを指定することで子どもたちは適切な情報をなります。「YAHOO!きっず」「きっずgoo」といった子ども用サイトは特に便利です。

■「検索キーワードの工夫」を教える:キーワードで検索をさせる場合には、入力するキーワードを工夫することを教えます。複数のキーワードを入れたり、「~とは」と入力したりすると目的の情報が直接得られます。

■時間を区切る:一定の時間を決めて、その範囲で見付けた情報で次に進むようにします。

2 学校図書館で一般図書を使って調べる場合

 索引がある子ども用の事典と異なり、「歴史漫画」といった一般図書を活用する時には調べ方の指導が不可欠です。

■目次で必要な情報を選ばせる:一般図書には学習に不要な情報の方が多いものです。そこで目次から必要な情報がある場所を推測させ読ませます。大切なページには付箋紙を貼り、見やすくしておきます。

■視点を与えて読み取らせる:一般図書では得た情報を学習用に抽出する時に必要なのは「調べる視点」です。歴史だったら「人物の業績」「政策の理由」「その結果と与えた影響」といった視点をもたせてから調べさせると有意義な学習になります。

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2018.03.12

気軽に辞書を使わせる

※連載原稿を転載します。

「国語辞書は説明文の意味調べに使っていますが、それ以外はあまり・・・」「辞書を引くのに時間がかかるので時間不足になりがちです」・・・このような声を聞くと、「もったいない」と思います。国語辞書を活用すればするほど、子どもたちの知識や興味はどんどん広がるからです。では、意味調べ以外にどのような活用法があるのでしょうか。私は次のような活用をしています。

1 国語以外の教科でもどんどん使わせる

社会・理科・総合等で難しい言葉が出てきた時に辞書で調べます。子どもたちが授業中自主的に調べるようになればしめたものです。

2 早引き競争をする

(例)「教科書24ページの熟語を3分間でいくつ引けるか」
   「『白血球』を引きます。10秒で合格!」 
授業中にこのような競争を短時間で継続するだけでずい分と早くなります。

3 時には辞書を「読書」する

辞書を読書する時間を設けてみましょう。意外な発見があり、辞書に親しむいい機会になります。
なお、気軽に辞書を使うためには常に手元に置かなければいけません。机上に置くと学習スペースが狭くなるので、私は布袋に入れて机の脇にかけさせています。必要な時に脇から子どもたちはサッと辞書を取り出します。
また、教師自身もどんどん辞書を活用しましょう。授業時間であれば、子どもたちの質問にすぐに答えることができますし、教師自身の語彙も増えます。私は電子辞書もよく活用しています。漢字辞典・英和辞典等、複数の辞書が組み入れられているので、「口で始まる慣用句は?」といった語彙を広げる学習やALTとの打ち合わせの時などに便利です。

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2018.03.10

ゲストティーチャーを招くこつ

※連載原稿を転載します。

「インパクトが強い」「専門的な話を聞くことができる」等、ゲストティーチャー(以下GT)を招くメリットは大きいものです。しかしながら、打ち合わせが不十分だったり、GTに任せっきりでよさを発揮できなかったりという場合もあります。今回は、GTを招く時のこつを紹介します。

1 招く授業場面を吟味する

 次のような場合に招くと効果的です。
・人生での特別な経験を語ってもらいたい時(例:海外生活者・ハンディを持つ人)
・その道のプロとしての職業の様子を教えてもらいたい時(例:芸術家・職人)
・一緒にものを作ってもらいたい時(例:郷土料理研究家)

2 重要な打ち合わせ

まずは、授業に招く意図をきちんと話すことです。「なぜGTとして招くか」を強調すると相手も期待に応えてくれます。また、子どもたちの学習状況を伝えることも必須です。GTは子どもたちの実態についてなかなか予想がつかないものです。これらを踏まえたうえで授業についての共通理解を図ります。

3 授業パターンを時には変える

GTの出番が多いのは当然ですが、一方的な話は時として逆効果です。たとえば、GTのお話を15分、残りの時間を子どもたちの質問のみにしたり、トーク番組を真似て、子どもたちがグループごとにインタビューしたりする形式も効果的です。そのために事前に子どもたちに質問を用意させます。

4 礼状を書かせる

 授業後にお礼の手紙を書かせると、子どもたちとGTとの交流が深まります。GTから再度学ぶ場合には、そのつながりが生きます。

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2018.03.04

校外学習は計画と事前学習が勝負

※連載原稿を転載します。

社会・総合・学校行事と子どもたちが校外学習をする機会は多いものです。ただ、「毎年している通りでいい」と考えると、マンネリ化に陥ります。今回は計画の立て方や事前学習のポイントを紹介します。

1 「体験型」「選択型」の計画を立てる

計画段階で教師が「どのような体験をさせるか」を考えさせることが大切です。「見学のみ」の学習より「班ごとのインタビュー」「見学先の農家のお手伝い」といった方が、価値があります。可能なら、「場所を選ぶ」「活動内容を選ぶ」というように子どもが選択する場面を入れると、学習意欲が増します。

2 校外学習を練習する

あいさつ・取材・お礼等、事前にロールプレイをさせます。そして、よかった点や改善点を学級全体で検討させます。よりレベルの高い取材活動になり、基本的なマナーも身に付きます。

3 メモの取り方を工夫する

 校外学習での限られた時間を生かすために、メモの取り方を工夫させます。
① 質問の答えをすぐに書き込めるようにしておく
「この店で働いている人→(  )人」というようにあらかじめ準備しておきます。
② 自分だけの暗号を使う
 「驚いたこと→『!』」「思ったこと→    」
③ スケッチを多用する
印象に残ったもの、言葉に表現できないものはスケッチさせます。
 メモの取り方の他に、事前に「見えるものはどんどん書きなさい」「数字に注目しなさい」と指示します。これで集中度がぐっと違ってきます。

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2018.03.03

立ち位置を意識する

※連載原稿を転載します。

教師は常に教卓と黒板の間に立ち、子どもたちを真正面に見て授業をする・・・と思い込んでいませんか。確かに、重要な指示や発問をする時にはそれが基本です。しかし、時には立ち位置を変えて授業をする時も必要です。

1 話し合い活動の時は話す子から離れた場所に

 学級全体で話し合い活動をする場合、発言する子の意見は子どもたち同士に聞かせたいものです。しかし、全員が黒板向きの座席の場合、教卓にいる教師に向かって話すことが多いものです。そこで、教師は話す子から離れた場所に移動するようにします。たとえば、廊下側前列の子が話す時には、窓際後方に位置します。すると、発言する子と教師が発言内容についてやりとりする場合には学級全員が2人の様子を見ることができますし、発言する子も教師も学級全員に向けて自然に話すことになります。

2 校庭で話す時には太陽に顔を向けて

 体育等で校庭で話す場合があります。その時に注意しなければいけないのは、太陽の位置です。子どもたちが太陽の光を真正面に受ける場所で話すと、眩しくて教師をしっかりと見ることができません。教師が太陽に体を向けるようにして、話すようにします。

3 板書は子どもたちが見やすい位置で

 黒板に正対してしっかりと書くのが板書の基本です。しかし、ずっと黒板を向いているのでは子どもたちの様子が見えません。また、教師の後ろ姿で字が隠れたら子どもたちも見えにくいものです。板書途中で子どもたちの様子を確認したり、時には子どもたちに体を向けながら板書したりすることも必要です。
 これらに共通することは「学習する子どもたちの立場に立っている」です。どういう立ち位置が子どもたちの教育効果につながるか、常に意識したいものです。

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2018.02.25

実物や資料を効果的に見せる

※連載原稿を転載します。

 授業をよりよいものにするために教師が準備した資料や実物。それらを教室に持ち込む時に一工夫をしてみましょう。何倍もの効果が出ます。それらを生かすも殺すも教師次第です。今までの私の実践例をもとに説明します。

1 資料の一部を隠して提示する
 チョウの写真を実物投影機で拡大投影してスクリーンに映します。その時に足の部分をあえて隠します。「チョウの足は何本ありますか」「どこから出ていますか」と発問します。子どもたちから様々な答えが出てきて、活発な話し合いになります。そして、「答えを知りたい!」と思った時点で全部見せます。真剣に考えた後で写真を見るので、知識も身に付きます。

2 楽しいパフォーマンスで実物を提示する
 風呂敷に実物を入れ、白い手袋をして大事に教卓に置きます。子どもたちは思わず注目します。「何だと思う?」「ヒントは『昔のもの』だよ」と言って、子どもにも触らせてみます。感触だけで考えるので子どもたちも興味津々です。いくつか予想を出させたあと、「では」といってゆっくりと風呂敷包みをほどきます。出てきたのは「洗濯板」。子どもたちはさらに興味を示します。

3 時には黙って提示する
 5年生の社会、水産業の学習です。「鮭皮細工の財布」「鮭の中骨入りクッキー」「鮭の中骨の缶詰」を一つ一つ子どもたちに見せます。それも黙ってです。「ほしい!」「何の缶詰?」と子どもたちは言います。3分ほどして「これら全部にある魚が使われています」と初めて口を開きます。その意外性に「エーッ」と反応する子どもたち。時には「沈黙も金」です。

 このような教師の仕掛けに子どもたちはよくのってきます。授業が盛り上がるだけではなく、思考も促します。

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2018.02.24

発表する力を伸ばす

※連載原稿を転載します。

 「この問題がわかる人?」。挙手する子が数名パラパラといるだけ。それもいつも同じ子ばかり。仕方なく指名して、固定した一部の子だけで授業が進行する・・・・そのようなことはないでしょうか。一工夫で発表する力は伸びます。

1 ノートに発表内容を書かせる
 発問をしてすぐに反応を求めるのであれば、反応の遅い子やじっくりと考える子たちにはなかなか発表できません。それを「ノートに書きなさい。時間は3分です」と指示をするだけで状況はずいぶん変わります。発表する内容を子どもたちが考えますし、「これ、いいね。発表してね」と教師が机間指導の時に言えば、発表が苦手な子どもも心の準備ができます。

2 教師の指名を工夫する
 挙手しない子に対しては、「〇〇さんがこう書いているよ」と意図的指名をしましょう。発表後に「いい考えだね」と認めて自信をつけさせることにより、発表する力も伸びます。また、いくつも答えを書かせるような学習では、「1つ書いた人、起立→発表」、「2つ書いた人、起立→発表」というように、答えの数の少ない子から優先的に発表させると、多くの子が発表できます。

3 発表のしかたを指導する
 すぐに子どもたちに指導できるのが「結論から言う」ということです。これは効果的な表現をするという点で重要な技法です。同時にそれは聞き手に対する配慮にもなります。たとえば、二手に分かれて討論をしている時に、「私はごみを有料化するという意見に賛成です」というように言えば、「あっ、自分と反対の立場だ」と心構えができます。また続けて理由を言う時にも、「理由は3つあります。1つ目は・・・」と言わせます。自分の考えが整理されて伝わりやすくなる表現方法を教えるのです。

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