2017.10.16

まさに「元気な」地区運動会(H22)

平成22年の原稿です。

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県内各地で、住民参加の地区毎の運動会が、この秋に行われたと思う。しかし、地区によっては、参加者集めに苦労しているという話をよく聞く。中には、運動会自体を廃止したという地区もある。

本校学区でも9月に地区住民参加の運動会が行われた。先のような心配は全く不要だった。中心となる三十代から五十代はもちろん、お年寄りの皆さんも張り切って参加した。それだけではない。中学生から二十代の若者も多数参加した。これは珍しいことである。まさに「地区民が積極的に参加する元気な運動会」であった。

これだけの参加者であれば運動会も盛り上がる。「ビン釣り競争」「風船割りリレー」といった種目では、うまく行った選手だけではなく、最下位の選手にも大きな拍手が送られていた。

また、本地区独自の種目である「縄ない」(わらを制限時間内で長く綯うもの)では、七十代のお年寄りの見事な腕前に感嘆の声があがった。優勝チームの人に聞いたら、「小さい頃から縄を綯っているからね」とのこと。七十年ものベテランだから、二十年や三十年のキャリアではとてもかなわないわけだ。

年代別に参加するマンモスリレーでは高校生や二十代の若者の疾走ぶりに拍手が起きた。まさに迫力のあるレース。実に見応えがあった。

競技には参加しないが、観ることを楽しみにしている方々も多かった。張り切って声をかけたり、大きな拍手をしたり、大笑いをしたりしていた。にぎやかな観客がいれば運動会も盛り上がる。

十年前も、二十年前も、三十年前もきっと同じような風景だったのであろう。地域のよさがそのまま受け継がれていると感心した地区の運動会であった。

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2017.10.15

学級びらきで「いい出会い」をしたいが?

Q:新しく担任する子どもたちといい出会いをしたいと思っています。どんな工夫がありますか?

A:担任として初めての出会い。いい出会いにしたいというのはもっともなことです。まず、どんな状態が「いい出会い」なのかをはっきりさせましょう。「何をするか」の前に「何のためにするか」を吟味するのです。学級びらきのねらいの明確化です。次のようなことが考えられます。

・新しい学年で「よし、1年間がんばろう」という意欲を育てる
・新しい環境になっての担任や友だち関係での不安感を解消する
・教師自身の学級づくりの方針を伝える

 ねらいが決まれば、具体的にどんなことをすべきか決まります。私自身の学級びらきでは次のようなものが定番でした。

①一人一人と必ずふれあう(例)「呼名+その子への一言メッセージ」「帰りに全員と握手」・・・教師と子どもとの距離が縮まります。

②教師の指導方針を提示する(例)「教師の願いを話す」「ほめる時と叱る時の基準を提示する」・・・子どもたちのやる気を喚起します。

③集団づくりゲームを行う(例)「並びっこゲーム(【背の高い順】【誕生日の早い順】と教師が指示し、グループごとに協力して順番に並ぶ」・・・友だちとの関係作りになると同時に教師は子どもたちの様子を見ることができます。

 学級びらきの日に、保護者は我が子に「どんな先生だった?」と聞くことが多いものです。子どもたちが明るく「いい先生だったよ!これから1年間がんばれそうだよ!」と伝えられるような学級びらきを目指しましょう。年度初めは事務仕事に時間がかかりますが、それ以上に学級びらきにエネルギーを注ぐことが「いい出会い」にするために重要なのです。

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2017.10.09

何のために歴史を学ぶのか?(H22)

平成22年の原稿です。

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今年度、5・6年(複式学級)の社会科の歴史学習を何時間か担当する機会があった。最初の授業の時に、子どもたちの印象に残る授業を行おうと考えた。

教室に入ると、子どもたちが教科書や資料集をすでに夢中になって見ていた。新しい学習内容なので興味津々なのであろう。

すぐに何人かを指名し、「何を見ていましたか?」と聞いた。子どもたちは「大仏です」「聖徳太子です」「ザビエルです」と答える。

すかさず、子どもたちの興味をさらに高めるクイズを出した。「聖徳太子が手に細長い板をもっています。『しゃく』というものですが、これは何のために使われたものでしょうか」。こういう問題は3択で答えを選ばせる。意外な答えが案外正解(「裏に儀式で読む台詞が書かれていた」と言われている)で、学習が苦手な子が当たることがあるからだ。今回も然り。正解の子は大喜びである。

しばし、こんな感じで盛り上がった後、重要な問いを投げかけた。
「みんなは、教科書から色々なことを学びましたね。では、何のために歴史を学ぶのでしょうか。」
歴史を学ぶことの価値を自覚させるための問いである。

最初は「歴史の知識が増える」といったことしか出てこなかった。「本当に知識を増やすだけかな?」とさらに聞いたら、「日本のことを日本人である自分たちが知るため」「歴史を学んで今の時代に役立てるため」という発言が出てきた。これには他の子からも「なるほど」という共感の声が聞こえてきた。確かに核心をついた回答である。

この時間で子どもたちは歴史のおもしろさを感じ取り、学ぶ意義を考えることができた。私自身も歴史を教える楽しさと価値を改めて実感したのである。

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2017.10.08

叱る時、注意する時のこつは?

Q:不適切な行動をする子に「時には厳しい指導も必要」と考えて、叱ったり注意したりするのですが効果がありません。どのようにしたらいいでしょうか。

A:何のために厳しく叱ったり、注意したりするのでしょうか。また、どういう時にそのようにしていますか。これらに教師自身が明確に答えることができなければ、感情的に叱ったり、注意する基準が曖昧だったりして、子どもたちへの指導も効果はあがりません。

 叱る時の目的は「子どもたちの行動改善」です。ですから、ポイントは「厳しいか否か」というよりは、「不適切な行動を理解し、適切な行動を判断できるようになる」ようにすることです。たとえば、休み時間後も遊んで授業に遅れたという時には、「遅れることがどうしてよくないのか」「じゃあ、どうすればいいのか」を子どもたちに考えさせることです。頭ごなしに、「授業が始まって何分経ったと思っているんだ!」と叱っても、その理由が理解できず、さらに行動改善への見通しもなければ、同じことの繰り返しになることでしょう。

 叱る時の基本として、私はいくつか心がけていることがあります。行動改善への意志を子どもが示した時には笑顔で励ますようにすること、叱る時には短時間で終えること、人格まで否定するような言い方をしないことです。これらの逆の行動は、子どもたちの教師に対する信頼を失いかねません。

 また、職員打ち合わせ等で「花壇に入らないように注意してください」と言われたことを、そのまま子どもたちに流していませんか。ストレートに「花壇に入っている人がいる。やめるように」と伝えただけでは効果はありません。これも、花壇に入っていけない理由や望ましい行動を短時間でも考えさせることが大切です。可能なら外に出て花壇の様子を見せたいものです。自分自身はしていなくても、不適切な行動について考えること自体が大事なのです。

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2017.10.02

「一手少ない指導」の大切さ(H22)

平成22年の原稿です。

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担任が出張等で学級を空ける時には、代理でその学級で授業をする。3学期に1年生に入った。

冬の教室ではヒーターと加湿器の両方をつけている。加湿器の水が少なくなっていたので、さっそく水を追加しようとした時に一人の女の子が近寄ってきた。
「副校長先生、それは〇〇さんの当番です」
「ああ、そうなの。いつもみんなでしているの?」
「そうです」
「足りなくなっていたから、先生がしようと思ったけど、みんながするのね?」
「はい、そうです」
 私は「そう言うのなら・・・」と水を入れる容器を元に戻した。

1時間目が終わって、加湿器の水がほぼなくなったら、今度は「今日の加湿器当番表」を何人かの子が見ていた。当番を替える日だったのである。これも自分たちの力で確認できた。
さっそく当番の子は水を入れ、セットをした。スイッチまで入れて、「これでOK!」と満足そうだった。 

その様子を見て、私は、「危うく子どもたちのやりがいを奪うところだった」と反省した。担任時代から、「子どもたちには一手少ない指導を」ということを意識してきた。「目はかけるが手はかけない」という姿勢である。というのも、「教師が何でもすると、子どもたちは『先生がやってくれる』という意識になり、自主的な行動をしなくなる」ということを感じていたからだ。

今回もささやかなことであるが、子どもたちから大事なことを教わった。たとえ1年生の子どもたちでも、自分ができることは、「私たちでできます」と主張する。  
そういう子どもたちに対して、私たち教師は、心配な面があっても、「任せるよ」という姿勢で見守ることが大切なのだ。「一手少ない指導」で子どもたちの行動力も育つのである。

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2017.10.01

「ほめる」ことが上手ではありません

Q:ほめて伸ばすことは大切なのはわかっているものの、子どもたちの心に届いていない気がします。また、なかなかほめる内容も見つけられず、回数も多くはありません。どのようにしたらいいでしょうか。

A:「ほめて伸ばす」・・・確かにその通りです。子どもは認められ、励まされることによって自信をもちます。ここでは3つのポイントをあげます。

1 「ほめる基準」を作る
 まずは子どもたちの「行動」を第一にほめましょう。「進んで学級文庫を整理した」「ノートにしっかりと書いた」といったことです。プラスして、行動だけではなく、そのように考えたこともほめます。また、「以前の自分より伸びた」ことも大いに評価できます。大事なのはこのような「ほめる基準」を教師自身がもっていることです。基準があればほめることがたくさん見えてきます。

2 いろいろなメディアを使ってほめる
 学級全員の前でほめるだけではなく、時には個別にほめましょう。「先生は自分のことを実はよく見ているんだ」という安心感につながります。学級通信でよさを認めたり、電話で保護者に伝えたりすることは家族と喜びを共有することになります。小さなカードにその子のよさについて一言を書いて渡す方法もあります。ほめるためのメディアは様々あります。有効に活用すべきです。

3 全員を定期的にほめる場面を作る
 同じ子ばかりほめることがないようにするためにはチェックが必要です。それが大変な場合には、「毎日は1つの班の6人を必ず直接ほめる」「個別のカードを月一回必ず配布する」というに決めておけば定期的にほめることになります。ほめるネタがなかなか見つからないという時には意図的にほめる機会を作ります。仕事を頼み、「ありがとう。助かったよ」と言うだけで違うものです。

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2017.09.25

プロから学ぶ(H22)

 平成22年の原稿です。

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 「教師になってよかった」と思うことの一つに「プロから学ぶ機会がある」ということがある。
 昨年十一月にプロの朗読家・俳優である樹原ゆりさんを本校に招いて、大人対象の朗読会を開いた。地域の教育振興会の活動の一環で、事務局である自分が企画、実行したものである。
 夜六時半からの会に二十数名が集まった。そこで「やはりプロ」と感じたことがいくつもあった。

1 読む時の表情
 朗読がすばらしいのは言うまでもない。それ以上に感心したのは、その表情だ。浅田次郎氏の「角筈にて」を読んだのであるが、会話文の時には本から目を離し、実際に会話をしている表情をする。特に感情が高ぶった時には、その気持ちがはっきりと伝わってきた。

2 音楽と光の効果
 音楽も朗読会の雰囲気作りに大きな影響を与えていた。その選曲ぶりは見事だった。スポットライトのみの光は、映画と同じ環境で集中して聴くことができた。

3 臨機応変の見事さ
 子ども連れでいらした方がいた。その子たちを見て、樹原さんはすぐに控え室に戻り、幼児向けの本をもってきて、最初に朗読を行った。その子たちは夢中になって聞いていた。その臨機応変さに感心すると共に、レパートリーが豊富だからこその技なのだと感心した。

4 努力が一番
 朗読会終了後に情報交換会をした。一番印象に残ったのは「朗読の練習を努力して続けることによって、女優としての幅を広げることができた」という話だった。当たり前のことであるが素質だけでなく努力することの尊さも改めて感じた。

 参加した皆さんの「感動した」という言葉を聞き、主催した甲斐があったと思った。同時に私自身がプロからたくさん学んだ貴重な会であった。

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2017.09.24

「いじめがある」という保護者の訴えにどう対応するか

Q:同じ学級の子の名前を出して、「あの子たちのせいで我が子がいじめられる」と訴えられました。調べても明確ないじめがあったわけではなかったのですが、その事実を告げても信用されません。保護者にどう対応したらいいでしょうか。

A:担任からすれば、「しっかりと学級経営をしているのに」という気持ちでしょうが、火のないところに煙は立ちません。まずは「学級経営に隙があったのでは?」と振り返ってみましょう。「いじめを受けたと感じた子」がいるのは事実です。その子自身が「いじめを感じない」状態となり、友だちとも仲良く交わるような学級の取り組みを考えていきます。

 まずは保護者の言い分を十分に受け入れます。保護者は「我が子がいじめを受けた」と感じています。言い分をしっかりと聞き、誇張と思われる部分があっても、「それは違います」と言いたい気持ちを抑え、まずは受容します。

 次に明確な指導方針を立て、それを伝えます。保護者の願いは、「我が子がいじめられずにみんな仲良くしてほしい」ということです。それは子どもも同様です。その願いをもとに、たとえば次のような指導方針を決めます。

・その子と周囲の子どもたちの交友の様子について特に目配りする
・訴えのあった子には「困ったことがあったらすぐに教えて」と話しておく
・「学級全員で遊ぶ日」「友だちのよさを発見する会」等の取り組みを行い、子ども同士の交わりを深めるようにする

 これらの取り組みの様子について、保護者に連絡帳、電話、学級通信でこまめに伝えます。また時々子どもが家庭でどのように話しているか様子を聞き、「気づかれたことはすぐにご連絡ください」と情報提供もお願いしておきます。取り組みの結果、我が子がいろいろな友だちと仲良く遊ぶようになった事実を知れば、保護者の見方も変わってくることでしょう。

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2017.09.18

「鍛える遠足」は価値がある(H21)

H21の原稿です。

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 本校の校歌は「久慈平岳の峰遠く・・・」という始まりである。久慈平岳は洋野町と軽米町の境に位置する標高七百六mの山である。校歌にも歌われるぐらいであるから、周辺はまさに風光明媚である。

 この久慈平岳を「遠足登山」という行事で、二年に一回本校児童全員が登る。
 もっとも、「登山」といっても、山道は車が通ることができ、登山道入口からも一時間半ほどで山頂につく。
 自然豊かな学区の本校児童もふだん登山することはあまりない。それだけに子どもたちはこの登山を楽しみしている。今年は十月二日に行った。

 登りやすい山であっても、登りは厳しい坂道が続く。大人でも「これは少しきついなあ」と思うほどである。初め登山をする一・二年の子たちも必死に上学年の子たちについて行った。
 かつては、このような体力を使う遠足は多くの学校で行われていたが、最近では珍しくなった。今回、この「鍛える遠足」のよさをいくつも感じた。

 一つ目は達成感があることである。苦しんで登った後の達成感は何にも代え難い。山頂から見えた美しい太平洋の景色に子どもたちは歓声をあげた。がんばったからこその絶景という「ご褒美」である。
 二つ目は上級生と下級生への関わりが深まるということである。一・二年生が大変そうな時には高学年がリュックを持ってあげていた。「大丈夫?」といったやさしい声がけも多かった。実に微笑ましい光景だった。
 三つ目は自然の中で過ごす気持ちよさを体験させられるということである。汗をかき、涼しい山風にあたる心地よさを子どもたちも感じることができた。

 今回の遠足は、間違いなく子どもたちの記憶に強く残るものであろう。「鍛える遠足」もいいものである。

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2017.09.17

悪質ないたずらが発生したら

Q:「机に『バカ』と書いた紙が入っていました」と担任している子に訴えられました。子どもたちに何度も問い詰めたり、一人一人に聞いたりしても書いた子は見つかりませんでした。どう対応したらよかったのでしょうか。

A:このようなトラブルでは、厳しく問い詰めても自ら「ぼくがしました」と名乗られることは稀です。しかし、不十分な対応では、いたずらされた子は不満になりますし、いたずらした子が再度行うことも考えられます。両者の内面に響く対応を行う点が大切です。

 最初にすべきことは正確な実態把握と情報収集です。本人から、いつ発見したか、思い当たることがないかといった情報を聞き取ります。もちろん実物の紙も見せてもらいます。その上で「学級全体で話し合っていいか」を本人に確認します。「名前を出してほしくない」という場合にはその気持ちを尊重します。

 続いて学級での指導です。教師から事実を告げ、いたずらの被害にあった子の気持ちを考えさせます。教師はその子の味方であり、このようないたずらは許されないことを強いメッセージで発します。この時に注意すべきことは、犯人捜しの行動をしつこく行わないことです。学級全体が「先生は自分たちを信じていない」「犯人扱いをされた」といった不信感が芽生えてはマイナスです。

 教師の呼びかけやいたずらを許さない学級の雰囲気に、いたずらをした子も反省の気持ちが強くなります。しかし、学級全員の前で名乗り出るのは強い抵抗があるのが普通です。そこで、その子たちの反省が行動化できる余地を残すようにします。直接担任に話してもいいし、紙に書いて教師に手渡すのでもいいから告げてほしいことを伝えます。「見捨てない」という一言も添えます。

 実際には、いたずらした人がわからないまま終わるかもしれません。しかし、このような対応をすることが今後の悪質ないたずらへの抑止力になります。なお保護者には経緯と対応をその日のうちに伝えます。遅れてはいけません。

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