2017.11.05

郷土芸能伝承の誇り(H23)

 平成23年の原稿です。

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奥州市立広瀬小学校へ異動となった。水と緑に囲まれた地域にある全校児童五十一名の小規模校である。

 転勤してその学校の特色を感じる行事は、五月にある運動会である。紅白リレーや玉入れ等の運動会の定番競技と共に、本校では「広小剣舞(ひろしょうけんばい)」が披露される。

 もともと学区は郷土芸能の盛んな地である。学校近くの国道沿いには、「人と自然・光り輝く郷土芸能伝承の郷」という看板が輝いている。剣舞だけではなく、鹿踊や人形芝居といった多くの伝統芸能が代々引き継がれてきた。

 広瀬小学校でも、学区の特色である郷土芸能を引き継ごうと、三十数年前から「広小剣舞」を地元の鴨沢念仏剣舞保存会の指導を受けながら取り組んでいる。 

 運動会に向けた練習の段階でこの剣舞を初めて見たのであるが、その時の子どもたちの迫力に圧倒された。 思わず、本番ではどれだけすばらしいのだろうかと想像をしたほどだった。

 さて、広小剣舞では子どもたちは多くの衣裳と道具を身に付ける。自分たちで着ることは難しいから時間をかけて家の人に着せてもらう。衣装を身に付けた子どもたちは、まさに「郷土芸能の伝承者」そのものである。家の人たちも誇りをもって我が子や孫を晴れの舞台に送り出す。

 運動会の本番は「勇壮」の一言に尽きるものだった。子どもたちが一心不乱に伝統の舞を披露する姿に、見ていた地域の皆さんから、大きな拍手が送られた。それは郷土芸能をしっかりと引き継いでいる子どもたちへのエールと言えるものだった。

 地域に伝わる郷土芸能とそれを受け継ぐ誇り。子どもたちはその誇りをもちながら郷土芸能を代々伝えていくに違いないと確信した。

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2017.08.17

夏休み終了!

今日で夏休みが終了。
岩手の夏休みは遅く始まり、早く終わる。
今年も一気に駆け抜けた夏休みだった。
8/11~15は主に在宅で仕事をしたが,それ以外は休みなく走り続けた感じ。
これは自分にとっては最適なペース。いったん休んでしまうと、充電ではなく「放電」になりダラダラ…というパターンもかつてはあった。

この夏休みは、自分の仕事の上から大きく3つに分かれた。

○第1週
 夏季休業最初に不可欠な事務仕事や水泳記録会。週末には4度目の熊本教師塾。一気に過ぎていく。

○第2週。2つの講師役を行った。週末はゼミ合宿に参加させていただいた。すべてよき出会いとなった。

○第3週。地味な通常業務。これはこれで大切なこと。11~15日までは在宅がメイン(職場には短時間で2度行く)。これからの研究について考えたり,多くの文献読み。

そして、昨日と今日は登校のための準備。明日は子どもたちも登校。新たな気持ちで取り組みを再開しよう。

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2017.08.11

「山の日」にちなんで

 「山の日」について書いた原稿です。

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 山の日の趣旨は「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことです。
 八月十一日という日にちに特別な由来があるわけではありません。
当初は盆休みと連続させやすい利点があるとしてお盆前の八月十二日を祝日とする案でしたが、その日はかつて大きな飛行機事故があった日だったので、その前日の八月十一日となりました。

 ただ、全国各地には「ぎふ山の日」(岐阜県)や「えひめ山の日」(愛媛県)というように独自の「山の日」があります。それらは、「八」や「一一」の数字にちなんだ月や日を使っていることが多いです。それは「八」が山の形に見えるため、「一一」は木が立ち並ぶ様子に見えるからです。
その点では八月十一日も全く縁のない日とは言えません。

 さて、日本の面積で山の占める割合は七割ぐらいです。世界の平均森林率が約三〇パーセントですから、日本は世界の中でも森林大国と言えます。
  山の数は二万五千分の一の地形図に載っているものは一万六千以上もあります。みんなの住んでいるところから見える山もきっとあることでしょう。

 一番高い山はご存じ富士山です。標高三七七六メートルです。日本には三千メートルを越える山々が二一あります。夏を中心に多くの登山者が頂上を目指します。日本の登山人口(年一回以上登山した人口)は二〇一二年には八六〇万人で、最近では女性や中高年に人気があります。

  では、一番低い山はどれぐらいあるのでしょうか。二万五千分の一の地形図に名前と高さが載っているものの中では、何と三メートルの日和山(宮城県仙台市)があります。これなら皆さんでもすぐに登山ができますね。

 日本では昔から人々が山と共に生きてきました。山は里山とよばれ、薪や山菜をとったり、土を利用したりして、手入れをされてきました。また、「山崩れといった災害を防ぐ」「水をたくわえ、生き物のすみかになる」「木材を生み出す」「空気をきれいにする」というように森林の果たす役割は大きいものなのです。

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2017.08.10

学び続けるのは若手もベテランも同じ

岩手の夏休みは短い。本校は23日間である。
お盆以外は毎日出勤か講師役,研修で出かけていたので,学期中と同じであっという間に過ぎていく。
その講師役もこの夏は5ケ所。これは例年並みであり,増えたら校務に差し支えるのでちょうどよい回数とここ数年思っている。すでに4ケ所が終わり,あとはお盆あけに一つである。

さて,講座の合間に休み時間が10分~15分ぐらいがある。
担当者からは「控室へ」とご案内されるのであるが,基本的に会場や教室にそのままいるようにしている。次の準備もあるからだが,参加者との会話等を大切にしたいと思っているからである。
これは自分が若手だった時に,講師の先生にご挨拶や質問等を時々していて大変有難かったことが記憶にあるからだ。

今回も例によって休み時間に待機していると,20代の先生からご挨拶を受けた。社会科の研究授業があるということで,学びにきたとのこと。続いて私と同世代ぐらいと思われるベテランの先生から講座で紹介した本のことを質問された。購入して学びたいとのこと。

短い時間にお二人に対応して,自分の役割を改めて考えた。若手だけではなく,ベテランも学び続けている。講師役の時にはその皆さんの意欲に応えるような内容・構成をしっかりと準備しないといけないのである。自分としては毎回そのつもりで準備しているが,今回改めて思った。

そういえば2年前に県外の研修会で講師を務めた時に,最前列に年配の先生がおり,熱心に受講されていた。担当者にお聞きしたら,その年に定年退職予定という方だった。残り数ケ月でも学びを止めたら,それは子どもたちのためにならない。そういう意志をもった先生だったと思う。自分も同じでありたい。

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2017.08.03

初めての講演を思い出した

社会科教育についての講演を今まで数多く拝聴した。
一番多かったのは有田和正先生のご講演であろう。おそらく40回以上は学んでいる。
1回目が教師になって2年目の講演だった。その時の講演を思い出すような内容がこちらのブログに書かれていた。
以下引用。

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  今日の授業のねらいを達成するためには、Aくんのやる気を刺激してみようとか、B子ちゃんにわからせたらこの授業は成功だなどと、特定の一人を選んで、その子の意欲を引き出し、理解を深めるよう授業を行うのです。
  教材を発掘するときにも、ある特定の子どもを思い浮かべて「あの子を熱中させるのに、このネタは適切だろうか」などと考える。
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  もっとも大きな成果が望めるのは、やはり意欲が薄い、ノリが悪いといった子どもをターゲットにして「この子の心をつかむにはどうしたらいいだろう」と、工夫する場合のようです。
 それは失敗するリスクも大きいのですが、うまくいったときの全体への波及効果は最大となり、教師の技量向上にも通じていくからです。
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 あの時の講演もそうだった。学級の中に学習になかなか興味を示さない子がいる。「お店の工夫」の学習で,何とかその子に興味をもたせたい…そのために考えたのが,「試食」の宿題だった。
 お店で「試食」をするのなら,子どもたちは喜ぶ。その子ももちろん喜んで取り組んだ。そして,その試食を窓口に,「どうしてお店では,ただで食べさせてくれるのだろう」「他にお店での販売の工夫は何か」というように追究し始めたのだった…そのような内容だったと思う。
 そのユニークな取り組みに「このような学習方法もあるんだ!」と新鮮な驚きを感じたものだった。

 数えてみたらあの講演から31年が過ぎた。今考えると先の方法はユニバーサルデザインの考えに通じることに気付いた。改めてその先見性に驚くばかりである。そして,若い時に有田先生のお話を何度も聞くことができた幸せを感じるのである。

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2017.08.02

講師役で学ぶ

昨日と今日は連続して講師役だった。校内研究会と県外教育研究所での研修。
どちらも30人弱を対象とした社会科。考えてみたら,この夏の講師役の内容は全て社会科。
有難いことである。

講師役であるが,結構学ぶことも多い。
たとえば,昨日はその学校の研究会の雰囲気のすばらしさを感じた。模擬授業で豊かに反応したり,同僚の受け答えに感嘆の声が自然にあがる。あのような雰囲気なら,研究会自体がふだんから価値のあるものになっているであろう。
今日の研究所では,希望者の研修だけあって,参加した先生方の課題意識が明確だった。日常の授業改善はもちろん,2学期に控えている研究授業のヒントを探している先生もいた。それだけにワークショップの授業プラン作りでは,悩みながらも知恵を出し合っていた。その質の高さにも学ばせていただいた。
また,研究所併設の教育博物館も見どころがあった。かつての社会科教科書を見て,今の教科書の資料の豊富さを改めて感じた。

充実した2日間だった。

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2017.08.01

「風景を繋げる」

JR東日本の新幹線車内誌「トランヴェール」に,沢木耕太郎さんが連載をしている。
毎回,毎回,身近な出来事を上質な文章で描いている。思わず毎回引き込まれる。
今回は「風景を繋げる」というタイトルだった。

今月号は秋田の話だった。高校時代に夜行列車で秋田に向かったが,今後悔しているのは,旅の移動に夜行の乗り物を使っているということ。そのことを次のように書いている。

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あるとき,それはずいぶんもったいないことだったな思うようになった。その風景とは,一期一会,もう二度と巡り合えないかもしれなかったからだ。

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この気持ちに共感する。若い頃には自分が未来あちこちに行けるものだと,漠然と思っていた。しかし,日々の仕事や雑事に時間を割くと,そういう機会はなかなかないとわかった。そして,自分の人生の残り時間も意識している…今がそのような感じである。

沢木さんも思い立って,高校時代に夜行で移動した風景を改めてローカル線で移動した。それは「ありきたり」のものだったが,その中でもハッとさせられる瞬間があったという。自分の中で途切れていた風景が「繋がった」とも書いていた。

このようなエッセーを読むと,自分も秋田のローカル線の風景を改めて見たくなる。もう40年近く前に通っていた,奥羽本線の通学電車の風景だ。今一番見たい風景かもしれない。

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2017.07.31

7月修了

7月終了である。今月も本当にあっという間の1ケ月。更新は8回にとどまった。来月も事情が多くなり,この程度かなと思う。

〇学期末で帰宅も遅れ気味

この1ケ月は学期末に突入。ふだんも帰宅時刻は早くはないが,さらに遅くなった。学期末の事務処理、生徒指導関係,そして社会科の授業づくり。本当に毎日があっという間。時間の貴重さを感じた1ケ月だった。ただ,この中で社会科の授業づくりについて社会科部会の先生方とディスカッションをすることは,本当に楽しい。自分の頭もフル回転である。

〇夏の講師役もスタート

一昨日の熊本から夏の講師役が本格化にスタート。講師役自体は8月が多いが,事前に資料を配付するので、先週はそのために時間を割く。初めてのところ,3年や4年連続のところ等々,内容はその目的に応じて変えている。連続のところは,一定の割合で変えている。自分にとって厳しいところもあるのだが,それが自分を鍛えるものになっていると感じている。

〇研究・原稿は小休止

研究については今年度の分に取り組みたいと思っていたものの,簡単に行かず。また,原稿については大きなものはないので,締切に追われることがなく,共に小休止。でも,これは今月だけの話。来月から本格化する。

〇体力・体調

あれこれ取り組んでいるので、体調管理にはかなり留意している。一番は睡眠時間の確保。しかし、このごろは、早すぎる時間に目が覚めてそのまま…ということもある。また、体力の衰えは日々感じるところ。これからよりよく生きるためにこの体力・体調問題は本格的に考えなければいけない。

〇インプットはいつも以上
ふだん以上に取り組めたのがインプット。基本文献を読むことの大切さを感じた。これも時間がなければできないこと。その確保が自分にとって今後重要になってくると感じている。

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2017.07.24

有田先生の教え

こちらの記事に有田和正先生が主張されていたことがずばり書かれていた。
「教え上手な教師とは,どのような教師でしょうか」というタイトルである。
一部引用する。

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 私たち教師は、つい水をやりすぎてしまう。親切で熱心な教師ほど「なぜ、これがわからないんだ」と、あれこれ口をはさみ、手を出す、過剰な指導をしてしまう。
 子どもが自ら「はてな?」と疑問を抱き、好奇心を働かす前に、エサを口に運ぶように教えてしまう。
 そして、その教えすぎが「また、先生が教えてくれるだろう」という頼る心を植えつけて、子どもの主体性を損ね、依存性を育ててしまうのです。
 したがって、答えをすぐには教えない忍耐力が必要になってきます。
 子どもが考えはじめたら、しばらくだまって見守る。迷路に入ったり、堂々めぐりをはじめたら、少しだけヒントを与えて押してあげる。ふたたび考え出したら、また、しばらく見守る。
 この「待つ」と「押す」のくり返しが教える技術のツボであり、本当に子どもを育てることになるのです。

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 「教えすぎが「また、先生が教えてくれるだろう」という頼る心を植えつけて、子どもの主体性を損ね、依存性を育ててしまう」というメッセージ。もう30年近く前に見た有田学級はまさにこの逆だった。それから30年も経つのに,今もこの主張が鮮明なのは,このような教え方が一般的だからであろう。

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2017.07.17

発生した仕事はすぐに行う

とあることで,自分が縁があった機関に問い合わせをした。
返信が来るまで一週間ぐらいはかかるであろう…と思っていたら,2つの機関からすぐに返信が来て,大変驚いた。
こちらからお願いをして,その日のうちに対応してくださらないとこのような返信はこない。
いわば,「仕事が発生したら,すぐに対処した」からできたのであろう。
そのためには,「今残っている仕事がない」ということが前提である。

自分の仕事を振り返ってみると,なかなかこのようにはいかない。「今残っている仕事」を優先させるがゆえにすぐに対応ということにならない場合もある。
むろん目の前の仕事や緊急対応が最優先ではあるが,今回のことから自分の仕事を反省せざるをえなかった。

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